働くマッチョの悩みに寄りそった介護会社
――マッチョの同僚に触発されて、他のメンバーもマッチョになったんですね。でもなぜ、フィットネスの実業団なんでしょうか。介護のイメージとは遠い気がします……。
利用者さんとおしゃべりを楽しむマッチョ介護士たち
丹羽「スポーツモデルなど肉体を競う大会に出る子たちが、その活動費用をいわゆる一般企業で稼ぐのは難しいという話を聞いたんです。同僚と気軽にランチに行けませんし、職場の理解がなかなか得られないという。だったら、うちで応援してあげようと思ったんです」
――たしかにトレーニングや食事などいろんな制限がありそうです。
丹羽「あとは、介護業界の世間のイメージが悪すぎると思ったんです。僕は23歳のときに介護の会社を立ち上げたのですが、その時から依然として介護の仕事に対する世間の印象ってあまり良くないんですよね。でも実際は、この仕事って本当に楽しくてやりがいに満ちているんですよ。若い人ほど活躍できるし未来がある仕事だと思っています。なので、マッチョがたくさんいる介護会社があるんだ!意外!面白い!と思ってもらい、興味を持ってもらうことで、介護業界のイメージも変わればいいなと思っています」
利用者からも好評のマッチョ職員たち
――実際にマッチョの方が介護のお仕事をされて、利用者さんの反応はどうですか。
マッチョ介護士のみなさん
丹羽「最初は見慣れない肉体にびっくりされる方も多いのですが、慣れると『安心できる』『すごいね』と言ってもらえます。彼らは体の使い方がとてもうまいので、利用者さまの介助をするときなど安定感があります」
――たしかに、体を使う仕事と競技がマッチしていますね。
丹羽「仕事内容もそうですが、実業団として応援することで職場にもいい効果がたくさんありました。コンテストという目標にむかって努力する彼らの熱量は現場に活気を与えてくれますし、職員の健康意識も高まっています。他にもセカンドキャリアとして、選手たちは今後の介護業界で活躍してくれると思っています」