「非吉本系」は“ヘンなヤツ”が生まれる土壌

――出場する芸人サイドの視点からは、メリットはどうなのでしょうか? 「吉本さんの場合は、当然、現場に先輩や知り合いが多くなります。 不安や緊張が強いられる賞レースの現場では、それが精神的に有利に働くことはあるかもしれません。 逆に非吉本系のメリットとしては、今回優勝した錦鯉さん、ランジャタイさん。過去には、メイプル超合金さんやトム・ブラウンさんのような…、独自の進化を遂げたオリジナリティの高いモンスターが生まれる可能性は高いです。“ヘンなヤツ”が生まれる土壌があります。 よって、非吉本系の芸人さんは、それぞれ自信を持って“ヘンなヤツ”でいてくれると、今以上の快進撃が増えるかもしれません。 しかし、先に述べたように、根本的には関係ないと思いますし、“面白いヤツが売れるんだ”というシンプルな夢は信じたいものです」

今回はある意味でランジャタイの優勝

錦鯉のM-1優勝でソニーがお笑い賞レース三冠制覇。快進撃の理由とは
(画像=『女子SPA!』より引用)

ランジャタイ ©M-1グランプリ事務局

――今年のM-1決勝は、初めて決勝進出する組の多さや、荒削りな芸風の“地下芸人”の進出で「場が荒れる」という事前予想もありましたが、どのように見ましたか? 「賞レースはどうしても、優劣がついてしまいます。 せっかくの決勝であるにもかかわらず、得点が伸びず、ネガティブな印象で終わってしまうリスクがあります。 後日のバラエティ番組でそれを逆手に取って、イジったりイジられたりするのを見るのも楽しいですが。 しかし、ここで注目するべきはランジャタイさんです。なんと、低得点イジりの歴史をもう一歩進め、決勝の生放送中からイジられはじめていました。 彼らのキャラクターを知る人たちからすれば『優勝か最下位でなければランジャタイじゃない!』と思っていた方も多いと思います。 事実、お客さんは笑っていましたし、2人とも本当に楽しそうでした。 ウケているのに最下位!こうなってしまうと無敵ですね。芸人としては最高の評価かもしれません。 ある意味では、ランジャタイさんの優勝かなとも思いました」