昭和の女性役がハマり過ぎ! “上白石萌音の真骨頂”がここに

大変失礼ながら、筆者はこれまで上白石萌音の演技について、可愛い! 素敵な女優! と思ったことはありませんでした。しかしその印象は、『カムカムエヴリバディ』ですっかり覆ることに。怒涛の昭和の時代を明るく素直に……そして強く生き抜く安子を演じきるのは、上白石萌音でなくては無理! そして、こんなにも“もんぺ姿”が似合う女優さんも、他にいないのでは?! と思うほど、昭和にハマっている彼女。雰囲気から表情まで、戦時中を生き抜いてきた女性を、見事に表現しています。
『カムカムエヴリバディ』の安子は、朝ドラヒロインには珍しく、夢というものをもっていません。ただ、好きな町で好きな人たちと暮らす日々が大切なのです。がむしゃらに夢を追うことなく、空回りすることもなく、ただただ周りの人たちを優しく包み込んでくれる。そんなヒロインに、上白石の演技力はもちろんのこと、尖らない顔立ちと、何よりも「声」がマッチしているように思います。

「一生懸命、生きましょう」と応援されている気分に

安子は、いまだ不安定な毎日を送る私たちを、毎朝「一生懸命、生きましょう」と優しく応援してくれているような気がするのです。まだ過酷な運命が待ち受けている気がする……安子役・上白石の熱演を最後まで見守りたいと思います。 毎週というか毎日、不幸と幸せを行ったり来たりするジェットコースターに乗っているような安子編も最後の山場。100年の物語ももうすぐ3分の1を迎えます。安子のバトンを、深津絵里が演じる娘の「るい編」へとどう繋いでいくのか……毎朝、楽しみでなりません。 <文/鈴木まこと(tricle.llc)> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

鈴木まこと
tricle.llc所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Instagram:@makoto_s.1213


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