鰻は土用の丑の日に食べることが多いですが、天然の鰻は冬眠に備えて栄養を蓄え、安定して脂の乗っている冬もオススメ!季節を感じながらいただく国産鰻の繊細さに魅せられて、新たな可能性を発見できるのが「う嵐」です。
「う嵐」の魅力
食通や飲食業界のプロも通うこちらのお店の特徴の1つは、注文したお料理に使われる活きた鰻が見られること。鰻を知り尽くし、鰻愛溢れる大将がその日の鰻の説明をしっかりとしてくださり、技術と経験を元に丁寧に料理されるので究極の鰻料理を堪能することができますよ。
1日にわずか5組ほどで満席になるお店です。だからこそ、きめ細やかにそれぞれの好みに応えてもらえますので、まさに求める鰻を食すことができます。例えば筆者のように、「頭の周りの身も食べたいので、頭付きで。皮はしっかり焼いて脂を絞り出し、身は脂を少し残して焼いてください。」など。焼き方については「お任せで。」と言うと一番最適な焼き方をしてもらえることでしょう。
その時期に一番おいしい国産鰻を使用
もちろん鰻は国産!愛知県一色市・豊橋市・三重県桑名市・宮崎県新富市、熊本県甲佐市など。産地によって旨味が変わりますが、その時期に一番美味しい鰻を取り寄せ、お料理してくださいますよ。
筆者が訪れた日の鰻は言わずと知れた最高級ブランドである宮崎県の「ひむか山道鰻」。スケソウダラがメインのホワイトミールという高級な餌を主に食べて育っているそうです。肉質に特徴があって、焼きトウモロコシやメロンパンのようなクッキー生地が全体を覆うようなイメージだそう。
15分程で捌かれた鰻が再登場しますが、透明感のあるピンク色の身をしていますね。よどみのない素晴らしい捌き方も必見!まだ鰻がピクピクと動いています。
さぁ関西焼きにされる間、しばらく待ちましょう!途中で鰻をパタパタと団扇であおぐ音も聞こえてきますよ。
「う嵐」のおすすめメニュー
半うまき(4切れ)/1,000円
上品な味のだし巻きに、しっかりした味の鰻が包み込まれています。鰻の歯ごたえが心地よく、その脂とだし巻き卵の調和が素晴らしい!
添えられているおろし大根と薄切りにされたみょうがの甘酢漬けが合います。
肝のたれ焼き/800円
もちろんこちらで調理された国産鰻の肝です。7個の肝がカリッと香ばしく焼き上げられていて、噛みしめると深みのあるコクと旨味が口中に広がります。もともと臭みはないですが、自家製の山椒をつけて食べるのも良いかも。味が引き立ちますよ。
うな重/6,500円(ご飯大盛り)
初めは蓋がしてありますが、頭と尻尾が思いっきりはみ出ていて思わず歓声を上げてしまいます(笑)。蓋を開けると、のけぞってしまうくらいの香り!それもそのはず、普通の鰻屋は50~60℃で焼いているそうですが、「う嵐」では一番香りが立つ80℃の高温で焼かれているそうです。頭と尻尾と真ん中では、厚みが変わってきますが、その差3℃で焼き方を変えているそうです。炭火の扱い方も一流ですね。
見るからに丁寧に焼かれた鰻!パリッと香ばしく焼き上げられた皮も理想的!身は肉厚で味わいが濃く、旨味たっぷり!やわらかくほぐれる感触ながらジュワッとジューシー!脂はサラッとしていて後味サッパリ。弱アルカリ性で人も飲めるような水で育っているので、臭みは全くありません。甘すぎないタレがマッチしていて、ご飯が進みます。
食べ方のバリエーションも豊富
半分近く食べ進めたら、食べ方を変えてみるのもおすすめです。左上から時計回りに、茶漬けだし・薬味(葱とわさび)・鰻のたれ・卵(全卵でも良いですが、筆者は卵黄だけをリクエストしました。)。全て無料です。
お茶碗にご飯をよそって鰻の上に薬味を乗せ、卵黄を♡鰻と卵黄をくずしながらいただきました。この方法は最初はまかないで食べられていたそうですが、2017年からお客さんにも提供されるようになったのだそう。卵黄の濃厚な味とトロミ感が鰻のかば焼きにピッタリです。(以前は白ごまもありましたが、今はなくなりました。)
最後の1切れになった鰻のかば焼きは、薬味を乗せて茶漬けだしでサラサラーッと♡
また、お吸い物には柚子の皮が少し入っています。お食事の最後に口にすると爽やかです。
上ひつまぶし/8,000円(ご飯大盛り)
刻まれた鰻のかば焼きがお櫃のご飯の上にたっぷり!お茶碗に取りわけながら、色々な食べ方で味の変化を楽しむことができて楽しい一品です。
まずは、そのままうな丼として。堪能したら次は薬味と一緒に。最後は添えられた出汁をかけてお茶漬けみたいにしましょう。出汁も冷めたら交換してもらえます。
すき焼きのように卵を絡めて食べるのも良いですね。