名声を得る一方で、内気であったアヴィーチーが気を紛らわすために頼ったのが「アルコール」だ。当初は、お酒で失敗したくないという想いから飲酒に抵抗を感じていたという彼だが、お酒を飲んでいないときの自分がいかに硬い人間であるかに気づき、2~3杯お酒をひっかけてからステージに立つようになっていったそうだ。

その後、アヴィーチーのアルコール依存症は急速に進行。過度な飲酒が原因とされる膵炎を度々起こし入院することになる。この痛みに対処するため、オピオイド(麻薬性鎮痛薬)治療を受けたというアヴィーチーだが、なんと今度は薬に頼るようになっていった。

クラス氏はこのとき、アヴィーチーの性格が以前と違うことに気がつき始めたという。同氏は当時のアヴィーチーについて「すぐに動揺し、すぐイライラするようになった。彼と話すのは大変だった」と述べている。

事の重大さに気がついた家族と友人は2015年、アヴィーチーに薬物やアルコール依存症の治療を受けさせることに。治療を受けるアヴィーチーを見て、彼が抱えている問題が改善するのではないかと期待したクラス氏だが、シラフとなったアヴィーチーは、自分の気持ちを対処する術(すべ)を持っていなかった。そんなアヴィーチーがDJ活動の休止を発表したのはその直後のことだ。

なお、クラス氏はアヴィーチーの死後、メンタル・ヘルスや自殺予防への啓発と支援を目的とした「ティム・バーグリング基金」を設立。その一方で、いまでも“愛息子ティム”を失った悲しみに対処しているという。

「(彼の死を受け入れるのが)いまでも難しいと思っています。ですが、いつかは乗り越えられる日が来るでしょう。ティムはここにいます。ティムはアヴィーチーという名前をとても誇りに思っていました。ですが、彼はアヴィーチーになりたいわけではなかった。彼はティムになりたかったのです」



提供・tvgroove



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