貯めたポイントを使って資産形成を体験できる、「ポイント投資」の運用サービスが増えています。現金の元手が要らないため気軽に試せますが、投資なのでそれなりのデメリットが生じる可能性も否定できません。始めようと思っている人は、まず内容や仕組みを理解しておくようにしましょう。

ポイント投資の種類とは?

ネット経由の「ポイント投資」は、ポイントを使い投資信託や株式の運用ができるサービスで、現金が不要なうえポイント以上の損失が出ないことが魅力です。

ポイント投資の方法は、サービスを提供する会社によって「疑似体験」「資産運用」の2パターンに分けられます。

・「擬似体験」型投資サービス
・「資産運用」型投資サービス

それぞれの特徴を、詳しく説明します。

疑似体験によるポイント投資

「疑似体験」型投資サービスは、東証株価指数や、投資専門会社が運用する投資信託実績がポイントに反映される仕組みです。

あくまでも疑似体験のためポイントが実際に投資されているわけではないのですが、指数や実績の変動によってポイント数が増減します。ただし、ポイントが増えても現金には変えられません。

「疑似体験」型投資には、以下のようなサービスがあります。

・クレディセゾン「ポイント運用サービス」
クレディセゾン が「永久不滅ポイント」を使って手がける「ポイント運用サービス」では、あらかじめ設定された6種類の投資信託からコースを選べ、個別株式への投資体験ができます。コースとポイント数を先に決めておき、毎月自動で買付ができる積立投資サービスもあります。

永久不滅ポイントは100ポイント単位で運用口座にチャージでき、1ポイント単位で運用することができます。各コースの値動きに合わせてポイントの増減体験が楽しめ、好きな時に取り出して通常の永久不滅ポイントとして使えるので便利です。

・NTTドコモ「ポイント投資サービス」
「dポイント」を利用したNTTドコモの「ポイント投資サービス」は、あらかじめ債権や株式をセットした2種類のおまかせコースと、日経平均株価などのテーマで選べる9種類のテーマ別コースがあります。値動きに連動して運用ポイントが毎日変動するため、リアルな投資疑似体験ができます。

dポイントは100ポイント単位で運用ポイントに交換でき、いつでも1ポイントから通常のdポイントへ戻せます。ロボアドバイザーによる資産運用時のシミュレーションサービスもあるので、試してみてはいかがでしょうか。

「擬似体験」型のサービスでは、いつでも運用ポイントから通常ポイントに戻して使えるので安心です。
渡辺友絵(ライター・編集者)

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実際に資産運用を行うポイント投資

一方で「資産運用」型投資サービスは体験を楽しむだけではなく、ポイントを利用して本格的な投資の実践ができます。投資専門会社が買付にポイントを現金化して充当し、一般の投資と同様に運用する仕組みです。買った金融商品を売却すれば、現金を受け取ることができます。

「資産運用」型投資には、以下のようなサービスがあります。

・楽天証券「ポイント投資」
楽天グループが運営する楽天証券は「楽天ポイント」との親和性が高く、楽天経済圏にいる方におすすめです。「ポイント投資」では貯まった楽天ポイントを使い、投資信託や株式、通貨ペアの為替レートを予測するバイナリーオプションへの投資が可能です。

投資信託は1円単位で購入でき、全額楽天ポイントで投資する場合は100ポイントが最小単位です。国内株式も基本的に1ポイント1円で利用できますが、その場合も各銘柄の最小単位以上で投資することになります。

投資信託へのポイント投資については、楽天グループでポイント付与率が上がる「スーパーポイントアップ」プログラムの対象です。1回の買付金額が500円以上で楽天ポイントコースに設定するなど一定の条件を満たせば、ポイントが1倍プラスされます。

投資による利益が非課税になる「一般NISA」や「つみたてNISA」にポイント投資ができるのも、大きな魅力です。これらはどちらか一方しか利用できませんが、低リスクで堅実な資産形成方法として注目を浴びています。

2024年は新たなNISA制度がスタートし、「一般NISA」「つみたてNISA」とも非課税投資期間がそれぞれ5年間延長されます。ポイント投資を活用するチャンスかもしれません。
渡辺友絵(ライター・編集者)

ポイント投資には通常の投資と同じく取引手数料が発生しますが、「ノーロード」と呼ばれる手数料無料の投資信託を選ぶという方法もあります。ただ、同様に投資信託を持ち続けている間に利用料として払う管理費用も発生します。

ポイント投資に利用できるのは通常の楽天ポイントで、キャンペーンなどで貯まる期間限定ポイントは使えません。また、1ヵ月で投資できるポイントには上限があり、楽天アカウントの「会員ランク」によって決まります。

・SBIネオモバイル証券「ネオモバ」
「Tポイント」投資を手がけるSBIネオモバイル証券の「ネオモバ」 は、国内株式や国内ETF(上場投資信託)などに加え、2020年には少額での取引が可能なFX(外国為替証拠金取引)も開始しました。口座開設後に注文して完了通知を確認するというわずか3ステップで、スマートフォンだけで取り引きが完結します。

FX(外国為替証拠金取引)は、日本を米ドルや英ポンドと交換することで利益を生み出す投資サービス。初心者向けに、直観的でわかりやすい案内画面「ネオモード」でサポートしています。
渡辺友絵(ライター・編集者)

株式取引では一般的に取引ごとに手数料がかかりますが、ネオモバは約定金額が50万円に到達するまでは何回でも無料です。その後は、50万円から300万円以下が1,100円、300万円から500万円以下が3,300円と、取引金額に応じて加算されます。

毎月200ポイントのTポイントがもらえるものの、ネオモバイル証券でのみ利用可能な期間限定ポイントです。また、ポイント投資でTポイントは貯まりません。投資信託は扱っていないため、短期取り引きや配当金・株主優待狙いなどの投資に向いています。

・TORANOKO「トラノコ」
電子マネーのおつりをはじめ、提携先のポイントやマイルをアプリで投資信託に回せるのがTORANOCOの「トラノコ」サービスです。リスク許容度別に3種類の「トラノコファンド」を運用し、世界中の株式や債券に分散投資しています。

トラノコファンドの投資対象 3種
・安定重視の「小トラ」
・バランス重視の「中トラ」
・リターン重視の「大トラ」

投資するには、まず自分が利用したいポイントを選び、保有ポイント数を上限に、ポイント投資額が5円以上になるようにポイント数を入力します。

提携先ポイントは「nanaco」「ANAマイル」「ジー・ポイント」「ネットマイル」「ポイントタウン」など9種類で、交換率は提携先によって異なります。たとえば「nanaco」なら1ポイントが1円、「ANAマイル」なら1マイルが0.5円に換算され、トラノコポイントを経由して投資に回ります。

毎月の投資額が確定する締め日の前であればいつでもキャンセルが可能で、投資した分は通常ポイントに戻すことができます。

当初3ヵ月間は無料ですが、その後は月額で税込300円の利用料がかかります。固定なので投資金額が増えるほどお得ですが、取引がない月でも支払うことになるので注意しましょう。

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「疑似体験」型と「資産運用」型、それぞれのメリット・デメリットとは?

ここでは、「擬似体験」型ポイント投資、「資産運用」型ポイント投資によるそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

疑似体験型ポイント投資のメリット

取引用の専用口座を開いたり、個人情報を提供したりといった煩わしさがなく、会員サイトからそのままIDなどを使って手軽に移行できる点です。ポイントを運用する際の年会費や手数料も無料と、経費はかかりません。

疑似体験型ポイント投資のデメリット

一般的にサービス運用後のキャンセルはできないことや、運用中のポイントは商品や現金と交換できず、いったん通常ポイントに変換してから交換する必要があることなどが挙げられます。

ただ、自由に取り出して通常ポイントとして使えるため、すべて出してしまえばキャンセルと同じなので問題はありません。

疑似体験ではありますが、運用ポイントは投資信託の基準価格や株式の動きに連動して毎日変わります。デメリットとまではいえないものの、場合によっては保有ポイントが減ってしまう可能性もあることを認識しておいてください。

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資産運用型ポイント投資のメリット

最大のメリットは、元手が要らずに本格的な投資を実体験できることです。これまで投資をしてみたいと思いながら踏み切れなかった人にとって、またとないチャンスといえるでしょう。

サービスにより内容はそれぞれ違うものの、ネット経由ということもあって通常の投資に比べて利用料は安価に抑えられています。また多くの場合、口座開設時に100~200ポイント程度のキャンペーンポイントを付与してもらえます。

資産運用型ポイント投資のデメリット

デメリットは手続きが不可欠なことで、運営会社に投資用の専用口座を開かなくてはなりません。実際に投資を行なうため、本人確認書類やマイナンバー、取引先金融機関、勤務先など個人情報の提供を求められます。

どのサービスもポイント原資だけあれば始められますが、通常取引と同じく原則的に取引手数料や運用報酬などの費用がかかります。

また投資なので損失となる場合や、元本を割り込む場合もあります。利益面においても、ポイント投資は投資金額自体がそう多くはないため、短期運用での利益確保は難しいといえます。

運用会社により差はあるものの、一般の投資と比べると投資対象が限られていることもデメリットとして挙げられます。「一般NISA」や「つみたてNISA」のように、節税ができる口座で利用可能なポイント投資は多くありません。

お試しの気持ちを忘れずに挑戦することが大切

ポイント投資は大きく儲けたい人には向かないでしょうが、元手が不要で保有ポイント以上の損失は出ないためハードルが低いと言えます。これまで投資に興味があっても着手できなかった人が、お試しの気持ちで第一歩を踏み出すには役立つサービスかもしれません。

ポイント投資に着手するにはある程度まとまったポイントを保有していたいので、できれば自分が貯めやすいポイントを利用した投資サービスを選びましょう。

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渡辺友絵
流通系業界紙編集部で取材や執筆、編集業務に長年従事し、ビジネス系著書なども発行。 現在はライター・編集者として、通販やECを中心に経済、小売、法律、金融、教育、ジェンダーなどの記事を紙媒体やWEB媒体に執筆しています。
流通系業界紙編集部で取材や執筆、編集業務に長年従事し、ビジネス系著書なども発行。 現在はライター・編集者として、通販やECを中心に経済、小売、法律、金融、教育、ジェンダーなどの記事を紙媒体やWEB媒体に執筆しています。
 

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