茶の湯文化が根付いた金沢は、お茶席に欠かせない和菓子店が多いことでも知られています。伝統製法で作る和菓子から、加賀野菜を使ったスイーツやピクルス、北陸が誇る発酵食品まで、金沢ならではのおいしいお土産をご紹介します。
1 甘納豆 かわむら「甘納豆」「糖果子(とうがし)」
「にし茶屋街」で人気のモダンな甘納豆
趣ある町家の建物が多く残る「にし茶屋街」に、2001年オープンした甘納豆の店。芸妓さんが「茶屋街のおもたせ」として常連客に渡していたのが話題を呼び、現在では15種類ほどの甘納豆を揃えています。素材は、石川・能登の黒大豆や北海道の白花豆など、全国からおいしい豆を厳選。敷地内にある工房の大きな釜で、豆ごとに製法を変えて炊き上げています。ふっくら香りのいい甘納豆は、優しい甘さで自然の風味が楽しめます。
伊予柑(いよかん)やブラッドオレンジなどのピールを使った「糖果子」は、そのまま食べても、ヨーグルトや紅茶、アイスクリームと一緒に味わっても爽やかなおいしさです。
甘納豆 白花美人80g、大浜の黒豆80g、糖果子 いよかん30g 各303円
賞味期限:製造日から未開封で約21日、開封後は翌日
石川県金沢市野町2-24-7
JR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「左回りルート」乗車約15分、「広小路」下車徒歩約3分
営業時間:9:30~18:00、日曜、祝日~17:00
定休日:第1火曜
076-282-7000
駐車場:無料
2 吉はし菓子所 豆半「くるみ餅」「凸凸(とつとつ)」
金沢きっての和菓子店が手掛けるクルミ菓子
「ひがし茶屋街」近くの住宅街に佇む、金沢の茶席菓子として別格の評価を受けている名店です。お茶席や料亭で供す上生菓子がメインのため、受注生産のみ。そんな「吉はし菓子所」の和菓子を食べてみたいという声に応えて、三代目兄弟が立ち上げたのが「豆半」というブランドです。どら焼きや食べやすいサイズのようかんなど、予約不要で日持ちのする和菓子を5種類ほど用意しています。
中でも「くるみ餅」は、モチモチの歯ごたえと、ごろっと入ったクルミの素朴な風味が広がる一品。ゴツゴツした見た目と食感から名付けられた「凸凸」は、焙煎したクルミに奄美大島産黒糖を絡め、抹茶やきな粉、ココアをまぶした香りのいいお菓子です。
くるみ餅7つ切1,010円、凸凸702円
賞味期限:くるみ餅 製造日から10日、凸凸 製造日から25日
石川県金沢市東山2-2-2
JR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「右回りルート」乗車約10分、「橋場町 (ひがし・主計町茶屋街)」下車徒歩約5分
営業時間:9:30~17:30
定休日:不定休
076-252-2634
駐車場:無料(2台)
3 洋菓子工房 ぶどうの木 「にゃんこのバウムin Kanazawa」
猫の型抜きがかわいい、塩キャラメル味のバウム
2018年の猫の日(2月22日)に発売されて以来、愛らしい猫のシルエットで人気を博しているお菓子です。これにはストーリー設定があり、猫は能登生まれ金沢育ちの「トラ」という名前で、年は9歳。年齢にちなんで、ふんわりとしたバウム生地を平たく9枚重ねています。四角いバウムをゆっくり型抜きしていくと、「トラ」の形が現れるのも楽しい遊び心。旨みが濃厚な能登の塩「わじまの海塩」を使った、ほろ苦い塩キャラメル味が絶品です。
この他、「トラ」の形をサブレにした「にゃんこのサブレin Kanazawa」も人気。どちらも、金沢駅にある「金沢百番街」でも購入できます。
にゃんこのバウムin Kanazawa 1個486円
賞味期限:製造日から63日
石川県金沢市岩出町ハ50-1
IRいしかわ鉄道森本駅から徒歩約15分
営業時間:9:30~19:00
定休日:無休
076-258-0236
駐車場:無料
4 加藤晧陽堂(こうようどう)「金澤めぐり」
金沢の四季を描いたカラフルな干菓子
加賀のお祝い事に欠かせないお菓子に、丸型の干菓子「寿煎餅(ことぶきせんべい)」があります。その寿煎餅をうちわの形にアレンジしたのが「うちわ煎餅」です。つきたての餅を薄く伸ばして型に入れて焼き、表面を白い蜜でコーティング。そこに、卵白と砂糖をホイップした浮き蜜で、四季折々の金沢の風景を描いています。最中(もなか)の皮のようなサクッとした歯ごたえで、はかない口溶け。品のある甘さの余韻に浸れます。
同様に、花鳥風月の図案を描いた四角い「加賀志きし」も看板商品。「四季」と「色紙」をかけたネーミングも素敵です。季節を表す繊細な絵は、一つ一つ手作業で描いたもの。本店の他、金沢駅にある「金沢百番街」でも販売しています。
金澤めぐり 972円
賞味期限:製造日から50日
石川県金沢市二口町2-94-1
JR金沢駅から徒歩約17分
営業時間:8:30~17:00
定休日:無休
076-231-3053
駐車場:無料(3台)
5 菜菓匠(さいかしょう)奈加川「蜜菓子」
みずみずしく風味豊かな旬の野菜を蜜菓子に
「ひがし茶屋街」の一角、和の趣きが漂う建物に入ると、ショーケースには色とりどりの蜜菓子が並びます。蜜菓子とは、古くから日本に伝わる手法で野菜や果物を砂糖漬け(蜜漬け)にしたもの。使う食材は、加賀野菜や能登野菜を中心に、素朴で味わい深い石川県産の野菜と果物。保存料や着色料は一切使わず、本来の味、色、風味をそのまま生かして作っています。
一般的なドライフルーツよりもみずみずしく感じるのは、野菜の水分を損なわないよう蜜で閉じ込めているから。春はタケノコ、夏は「加賀太(かがぶと)きゅうり」、秋はイチジク、冬は「源助(げんすけ)だいこん」など、季節ごとの蜜菓子が楽しめます。
蜜菓子 「蕃茄(トマト)」「玉蜀黍(トウモロコシ)」「加賀れんこん」など各580~680円
賞味期限:20日
石川県金沢市観音町1-1-16
JR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「右回りルート」乗車約10分、「橋場町(ひがし・主計町茶屋街)」下車徒歩約3分
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜
076-254-1158
駐車場:無し
6 まめや金澤萬久(ばんきゅう) 本店「しみみ」
風雅な絵柄の豆箱も魅力。チョコレートが染みた軽やかおかき
石川県産の有機大豆や黒豆で作る豆菓子と、金箔を使った艶やかなお菓子を手がけています。手軽なお土産におすすめなのは、ひと口サイズの黒豆入りおかきにチョコレートを染み込ませた新感覚の豆菓子「しみみ」。サクッと軽やかな歯ざわりで、品のある甘さと黒豆の風味がアクセント。香ばしい「黄な粉」と「焙じ茶」の2つの味を用意しています。
かわいい豆型の紙箱にも注目です。「加賀八幡起上り人形」に「兼六園」、うさぎ、犬など、絵柄は九谷焼の職人たちの手描きによるもの。本店と香林坊大和店、めいてつ・エムザ店では、好きな豆箱を選ぶことができます。この他、金沢駅にある「金沢百番街」でも購入できます。
しみみ 黄な粉チョコ10個、焙じ茶チョコ10個 各864円~(豆箱の絵柄により異なる)
賞味期限:製造日から約30日
石川県金沢市岩出町ハ50-1
IRいしかわ鉄道森本駅から徒歩約15分
営業時間:9:30~19:00
定休日:無休
076-258-3366
駐車場:無料
7 四十萬谷本舗(しじまやほんぽ)「金城かぶら寿し」
旨みあふれる金沢伝統の発酵食
1875年(明治8年)創業、石川県の冬の風物詩「かぶら寿司」が名物のお店です。使用するカブは、金沢近郊と能登の山里で育てられた、かぶら寿司専用の「百万石青首かぶら」。塩漬けにしたカブに、約半年間熟成させた寒ブリを挟み、昔ながらの特製糀(こうじ)に10日ほど漬け込むことで、旨みを最大限に引き出しています。その豊かな香りとふくよかな味わいは、一度食べたら忘れられません。
発酵コントロールが可能になった近年では、春~夏に自社農園や契約農家で収穫した「百万石青首かぶら」を使い、夏でもかぶら寿司が作れるように。熟成した寒ブリと夏向けの糀を使用した「金城かぶら寿し 夏糀」は、まろやかな甘みとすっきりした味が堪能できます。
金城かぶら寿し(約2枚、計250g)袋入り1,674円。夏糀は1,728円
賞味期限:約10日
石川県金沢市弥生1-17-28
JR金沢駅東口から北鉄バス泉野三丁目経由光が丘住宅行き乗車約15分、「沼田町」下車徒歩約3分
営業時間:9:00~18:00
定休日:第1日曜
076-241-4173
駐車場:無料
8 保存食専門店 stoock(ストック)「金沢のピクルス」
地元食材を使った魅力的な保存食がずらり
調味料や魚製品、ドライフルーツ、和洋の焼き菓子など、北陸3県でハンドメイドされた保存食のセレクトショップです。オリジナルの「金沢のピクルス」は、流通しない規格外野菜を有効活用したもの。「規格外でも味や品質は同じ。形が多少悪くても小さくても、人の手でカットするから問題ないんです」と、料理人でもあるオーナーが日々丁寧に手作りしています。「能登娘(赤大根)」、「金時草」、「加賀れんこん」、「百万石しいたけ」といった加賀野菜などを使ったものから、「セロリとグレープフルーツ」、「玉葱とバルサミコ」、「さつまいもとはちみつレモン」など食材の組み合わせが楽しめるものまで、ピクルスだけで30種類ほど。シンプルなラベルデザインもおしゃれで、金沢土産にぴったりです。
金沢のピクルス 648円~
賞味期限:製造から6カ月
石川県金沢市尾張町2-8-26
JR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「左回りルート」乗車約5分、「武蔵ヶ辻・近江町市場」下車徒歩約4分
営業時間:10:00頃~18:00頃
定休日:不定休
076-255-1283
駐車場:無し
9 油与(あぶらよ)商店「糠(ぬか)いわし」
金沢の風土が生み出す、イワシやサバの「こんか漬け」
石川県で「こんか漬け」と呼ばれる郷土食、魚の糠漬け。創業約300年の老舗「油与商店」では、150年ほど前から「こんか漬け」を作り始め、現在は七代目が伝統の味を守り続けています。
イワシの糠漬けは、頭を取った生のウルメイワシを10日ほど塩漬けし、大きな木桶に糠とともに入れて本漬け。10カ月~1年発酵させて、旨みとコクが増した極上の一品が完成します。糠は水洗いせず軽くそぎ取り、生のまま薄くスライスしていただけます。または糠をつけたまま軽く炙ると香ばしさと旨みが重なり、ごはんのお供にぴったりです。
この他、寒サバやブリ、のどぐろ、フグの身や卵巣の糠漬けや粕漬けなども人気。一部商品は、「近江町市場」内の食料品店「世界の食品ダイヤモンド」でも購入できます。
糠いわし2尾入り300円、さば糠漬け400円、糠ふぐの子800円など
賞味期限:90日
石川県金沢市金石北2-1-33
JR金沢駅から車で約15分
営業時間:9:00~17:00
定休日:日曜、祝日
076-267-0031
駐車場:無料(2台)
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記事公開:2019/08/22
提供・星野リゾート みちくさガイド
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