会社員や公務員などが加入している厚生年金では、年金保険料を支払っている期間の収入が、将来もらえる年金額に影響します。老後に夫婦合わせて月30万円の年金を受け取るためには、いくらくらいの年収が必要なのでしょうか。
老後の年金はいくらもらえる?
年金制度は複雑です。老後に受け取れる「老齢年金」の金額は、年収だけでなく、職業・家族構成・生年月日などさまざまな要素の組み合わせで決まります。
厚生労働省では、夫婦2人分の老齢年金(厚生年金+国民年金)の標準的な受け取り額を「月額およそ22万円」としています。(※2021年度の数字。出典:日本年金機構)
これは、40年間にわたって平均的な収入(530万円程度)で雇用されて働いた夫と専業主婦の世帯を想定して計算したものです。
ちなみに、厚生年金に加入した期間がない自営業者やフリーランスなどは、年収にかかわらず、保険料を支払った期間が40年あれば満額の「月額およそ6.5万円」を受け取れます。
夫婦で月30万円の年金をもらうのに必要な年収
夫婦ともに自営業で国民年金だけに加入してきた場合、満額でも6.5万円×2人=13万円ほどです。いくら2人の年収が高くても月30万円にはなりません。
月30万円に届くのは、夫婦どちらか、もしくは両方が厚生年金に加入している家庭になるでしょう。厚生労働省の発表によれば、会社員として厚生年金に加入していた人が受け取っている老齢年金(厚生年金+国民年金)の平均受給額は1人あたり「月額およそ14.6万円」でした。(※2019年度 出典:厚生労働省)
ざっくり言うと、夫婦共働きで2人がそれぞれ年収450万円ほどあるなら、あわせて月30万円も可能でしょう。一方、1人分だけで月30万円以上を受け取っているのは、元会社員の厚生年金受給権者の中でもわずか0.1%ほどだけでかなり狭き門です。
月30万円の年金を受け取るには
月30万円の年金を受け取るためには、夫婦ともに会社員や公務員として共働きをするのが近道です。繰り下げやiDeCoなど年金を増やすための制度も数多くありますので、検討してみるのもいいでしょう。
将来自分がいくら受け取れそうかは、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できますよ。目安額だけでも知っておけば、将来設計を考えるときに役立つでしょう。
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。
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