「卒対になってしまった……。」
「卒対、もうやめたい」
卒業生の子どもがいる方の中にはまさに今、そんな気持ちになっている人もいるかもしれませんね。
通常のPTAでも大変なのに、卒対って忙しそうって聞くし、正直よくわからない。。と気が重くなっている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、まだ卒業生ではなくとも、これからやってくる「卒対」という言葉におびえているママさんもいることでしょう。
でも、ちょっとまって!
実は卒対の中には、就活にも役立つお仕事エッセンスがぎゅっと凝縮されているのです。
今後の就活に活かす手立てがあるのです…!
今回は、敬遠されがちな卒対のメリットをご紹介します。
卒対って何? いつまであるの?
卒対、卒対と言われますが正しくは「卒業対策委員会」の略。
小学校で初めて耳にする人が多いようですが、幼稚園・保育園にも卒対はあり、卒園委員とか謝恩会実行委員など違う名称で呼ばれることもあります。
卒対はその後中学、高校卒業まで続きます。
先輩ママさんの意見では「小学校の卒対がいちばん大変だった、思い出深い」という声が多くあります。
小学校の卒対は保育園や幼稚園と比べて、
・生徒数が多いこと
・中学、高校と違って6年間という長い学校生活であること
・地元の学区に住んでいる人がほとんどのため、生徒や保護者たちの親密度が高い
ということが理由のようです。
中学、高校になると学区をこえて私立や遠方の学校に通う子どもも多くなるので、卒対の内容もだいぶ違いが出てきます。
卒対の決め方、なんで引き受けることになったの?
ところで卒対をやったことのある人は、どんな経緯で引き受けることになったのでしょうか?
【卒対に決まったきっかけは?】
・春のPTA役員決めのときに決まった
・PTA役員決めの時に仲良しママと一緒に引き受けることにした
・昨年の委員から、向いているからと推薦を受けた
・卒業の記念になればと自分で立候補
ダントツで、年度初めのPTA役員決めの際に一緒に決めたところが多かったようです。
なかには、「PTA本部経験者だから先生とのやりとりに慣れているだろう」とか、「広報部経験者だから卒業アルバム制作に向いているだろう」と打診を受けて引き受ける方もいます。
もちろん自分から進んで立候補する人も。
また、小学校の中には中学受験をする家庭に配慮をする場合もあるようですが、それをやってしまうと各家庭にそれぞれの事情があるためキリがなくなり、もめる要因に……。
そういうことをふまえると、やっぱり春のPTA決めのときに一斉に決めてしまうほうが、もめごとも少なくて済むということなのかもしれませんね。
【卒対の人数は?】
保育園、幼稚園・・・学年あたり4~8人前後
小・中・高校・・・学年あたり8~12人前後
保育園や幼稚園は学年全体で1クラスしかないところやクラスが少ないことが多いので、学年で何人、とざっくりしている場合が多いです。
そのため仲のいいママさんが連れ立って立候補するケースがよく見られます。
小学校以上になるとクラスから何人選出と決められており、たいてい1クラスから2人以上。
クラスから4人×3クラスで12人とか、人数が多い学校ならクラスから2人×8クラスで16人などです。
クラスから1人だけ、ということはほとんどありません。
後述しますがいくつかの係に分かれるので、それなりに人数が必要なのです。
卒対の仕事を引き受けると、一体何をすることになるの?
さて、もし卒対になってしまったら、一体何をすることになるのでしょうか?
さっそく卒対のお仕事内容を見ていきましょう。
卒対の大きな役割は以下のとおりです。
・卒業アルバムの作成
・卒業記念品の選定、手配
・謝恩会などの開催
それではひとつひとつ見ていきましょう!
•卒業アルバムの作成
卒業アルバム係がやることは、下記。
・入稿、印刷、納品までのスケジュール決め
・全体のレイアウト・装丁決定
・生徒による文集・特集ページ、校長挨拶などの原稿手配、とりまとめ
・個人写真、集合写真などの手配、その他写真の選定
・印刷屋の決定、発注
・各家庭への配布
卒業アルバムの作成は、卒対の重要な仕事です。
写真や原稿の準備が始まるのが9月ごろ、最終的に各家庭に配布するのが3月の卒業式もしくは卒業式の後になるので、実質半年間の長丁場。
前年度からの引継ぎや学校の協力などがあればスムーズに進みますが、すべてをいちからはじめようとすると、装丁を決めたり、印刷屋から見積をとったりとけっこうな重労働になります。
いかに前年度までの引継ぎをうまく生かすかがポイント!
この係では、
・配布完了までのスケジュール管理
・レイアウト、装丁決めなど調整・ディレクション
・原稿手配などメール・電話
・印刷屋の比較・見積・発注
など、制作・編集・営業アシスタントなどの仕事に活かせる内容です。
「卒業アルバム」という制作物に最初から関わることができ、実際に自分も手にとることができるので達成感もひとしおです。
ものづくりが好きな人、印刷・出版業で働いたことのある人などは、楽しくつとめられるお仕事かもしれません。
•卒業記念品の選定、手配
卒業式で配られる、校名や校章入りの記念品を手配します。
卒業記念品を扱っている業者があり、ネットやカタログにたくさん商品があります。
基本的には、選んで→発注する、という楽しいお仕事。
写真立てやキーホルダー、時計や印鑑などが定番ですが、最近はIT関連商品やギフトカードなども喜ばれます。
配付のタイミングは学校と相談して決めますが、前年度までの引継ぎで、謝恩会のとき・卒業式のときなどと、たいてい決まっているものなので確認してみてください。
気をつけたいのは前年度、前前年度と商品がかぶらないことや、時代のニーズに合った商品を選ぶこと。
この係では、
・どの商品が今のニーズに合っているか?前年と被らないか?のリサーチ
・見積、発注
・卒対委員、先生との意見とりまとめ
など、コミュニケーション能力がいかされるお仕事です。
卒対はアルバム係、謝恩会係と二手に分かれることが多いのですが、この仕事は卒対全員で決める方式を取っているところが多いようです。
全員の意見を採用することはできなくても、意見を聞いて調整することが必要なので、聞き上手・まとめ上手な人がいるとスムーズに進められます。
•謝恩会などの開催
卒業式にかかわる保護者と先生方の集まりを手配するお仕事です。
謝恩会といえば卒業式のあとに先生を囲んで親子で飲食をするのが一般的ですが、実際には公立、私立ともに地域性や校風が入り乱れてさまざまなパターンがあります。
例えば
・卒業式の前に体育館で先生を囲む「卒業を祝う会」
・卒業式当日にそのまま近隣ホテルの宴会場に移動して「謝恩会」
・卒業式の夜に先生と親だけで居酒屋で「感謝の会」
などなど。
しかもこれらが複数ミックスされて結局2~3回集まるところもあります。
つまり、この仕事が大変か軽くなるかは、学校次第!
一回の宴会場の手配だけで済むこともあれば、飲食の買い出しや飾りつけまで卒対がおこなうところもあり、それぞれの学校の慣習によります。
謝恩会で、卒業生の保護者がダンスを練習させられた…などの話をよく聞くことがありますが、保護者の出し物はあるところもあり、全くないところもあるわけです。
引継ぎはもちろんありますが、年度によって保護者も先生も違うもの。
今年度の保護者・先生方にとってベストな方法は何かをしっかりリサーチして、変えるべきところは変更する必要があるでしょう。
卒業アルバム作成より短期決戦にはなりますが、出欠をとったりお店を下見したり、座席の配置を考えるなど臨機応変な行動力が必要な役割です。
・宴会場や居酒屋を手配するときのお店選びスキル
・飲食の買い出しがある場合の買うものリスト化・予算管理
・飾りを考えたり作ったりする工作
・保護者や先生の希望を聞くリサーチ
・前年度と変更する場合の提案力
・出欠をとるためのコミュニケーション力、リスト化
・保護者、先生に配布するお知らせの作成
・出し物がある場合の練習スケジュールや練習場所の確保、段取り
・当日会場で気をまわす気配り、スケジュール管理
など、さまざまな力が養われます。
サポートが得意だったり、あれこれつい気づいてしまう…というタイプの方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
卒対をやることのメリットってどんなものがある?
お仕事内容を見ると、「やっぱり大変そう・・・」とため息をついてしまう方もいるかもしれません。
実際には引き継ぎがあるので、大丈夫。ほとんどの作業が前年度までの真似をしていけばトレースで済むはずです。
上のお子さんで経験済、というママさんもけっこういるもの。頼ってしまうとよいでしょう。
さらに、卒対をやったことによって得られるメリットも大きいのです。
実際に卒対を体験した方たちの意見をいくつか見てみましょう。
•日程の調整に慣れたり勉強になった
「謝恩会などの行事について、参加しやすい日程を調整することができた」
「他のママさんたちの特技や仕事を知ることができ、会計など教えてもらえて勉強になった」
卒対をやると、日程調整の面で有利になることも。
また、それぞれの特技を生かして教え合うこともできるようです。
•学校や生徒をよく知ることができる
「先生とよく話ができるようになった」
「写真の選定などを通じて、先生やクラスの子たちをよく知ることができた」
名前だけよく知っている子どもの友達や先生について知ることができ、結果自分の子どもへの理解が深まったという声も。
•なんといっても達成感! 友人ができた
「謝恩会の演出で先生が泣いてしまい、自分たちも感動して大号泣・・・」
「卒対メンバーで打ち上げ、あの達成感はなかなか他では得られないと思った」
「卒対メンバーとは今でも年1で飲み会をしている」
卒対をするとメンバーの一体感が強くなるようです。
数年たっても付き合いがあるというのは羨ましいこと。中学、高校へいっても心強いですね!
その他の意見としては、卒対に自ら立候補した少数派ママさんによれば、
「上の子の時卒対をやってみてわかったが、やったとやらないでは思い出が段違い!」
との名言もありました。
卒対として親も参加する卒業式は、とても感慨深いものになるようです。
卒対は、会社の仕事の流れとほぼ同じ!
ところで卒対の仕事内容をみているうちに、何か気づいたことはないでしょうか。
「まるで会社みたい・・・」
そう、卒対のお仕事は、会社の仕事にかなり似ています。
卒業アルバムであれば
・見積書の依頼、印刷所への発注
・入稿までのスケジュール調整
・先生方への原稿依頼
など、まるで印刷所や広告代理店、デザイン事務所の仕事をそのままなぞっているようです。
謝恩会であれば、
・開催案内の作成
・出欠の取りまとめ
・座席の配置
・タイムスケジュール作成
・当日の仕切り
など、事務業務から飲食業、イベント企画や司会業などのお仕事のよう。
•一体なぜ?お仕事に似ているなら…就活でアピールできる?
会社の仕事に似ている理由、それは、卒対の仕事はふつうのPTAの仕事に比べ、外部の業者との接点が多くなるからです。
前年度の資料をもとに仕事を進めていくのですが、この作業もまるで入社後の引継ぎのよう。
外部とのやり取りで、久しぶりにビジネス会話をしたというママさんもいます。
そのため、職歴ではないものの、
「卒対でアルバム制作に一から関わった」
「200人規模の謝恩会を開催した」
などのスキルは十分就活の際のアピールポイントになります。
実際に卒対で「司会をした」という経験を買われ、会議の進行役(ファシリテーター)を任されるようになったママさんもいます。
もしこれから就活をしようと思っているママさんは、卒対を経験することでかなりの実践力が身に付くでしょう。
ブランクを埋めるのにも最適。久しぶりに仕事をする緊張感と達成感で、自信もつきます。
つまり卒対は、復職したい、はじめて働き始めるママさんのウォームアップにもピッタリなのです。
•履歴書に書ける?どう書けばいい?
卒対で経験したことや、PTAで身に着けたことを履歴書に書いてアピールしたい!という人もいるのではないでしょうか。
特に、子育てに集中するために仕事から離れていて、ブランク期間が長い場合。
育児などで専業主婦期間のブランクがある場合は、その期間と、専業主婦であったことを明記することがおすすめです。
その際、専業主婦として家事・育児に専念しながらも努力していた卒対、PTAについては記入しておきましょう。
その経験の中で、何を努力したか、課題はあったか・課題に対してどういう工夫をしていたか、などを振り返っておくようにしましょう。
面接のときに詳細を説明することになった場合でもアピールしやすくなります。
たとえば、PTAで会計を担当し、ミスが無いよう正確な計算をこころがけた。
卒対で資料作成係となり、誰でも読みやすく、わかりやすい文章にまとめるよう心掛けた、などです。
また、専業主婦期間の間に何か勉強していたことがあれば、資格をとっていなくても明記すると良いでしょう。
まとめ
なんだかんだと大変そうな卒対。
しかし、実際に卒対経験がある先輩ママさんと話してみると「やらなければよかった」という意見はほとんどなく、苦労はあったが結果的にはとても楽しい思い出になっている様子です。
意外と、主婦にとってはメリットが大きいということがわかります。
就活に向けて何かしなきゃ、と考えている人にとっても、卒対の経験はとてもよいシミュレーションになります。
何よりも、我が子の卒業式の演出に関わることができるのは、親としてとても喜ばしいこと。
卒対は最後の年にしか回って来ません。経験できるのは一握りの人だけ、とても貴重な体験です。
卒対をこれからやる方、やろうとしている方は、ぜひたくさんのものを吸収するつもりで頑張ってください。
きっと、いつかのあなたの役に立ちますよ。
提供・しゅふJOBナビ
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