デモの多いパワフルな国、韓国
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ソウルの中心部、市庁・光化門(カンファムン)では、しばしば何かのデモに出くわします。
韓米FTA(自由貿易協定)反対デモ(2006)、米国産牛肉輸入反対デモ(2008)、労組デモ(2008)、タクシー組合ストライキ(2012)、大統領退陣要求デモ(2016)、が記憶に新しいところです。
日本と違って、若者や労働者を中心に多くの参加者を集めています。政治的なメッセージを直接表現するデモが健在の、パワフルな国、韓国。そんな韓国のデモ現場を見てみましょう。
若者や家族連れも参加する韓国のデモ
韓国のデモの特徴は、大学生や高校生などの若者の参加率が高いこと。もちろん日本と同じく、政治に無関心な若者も多く、選挙の投票率も低いですが、平和・人権・統一・歴史・環境・報道・民族問題などに取り組む学生団体が各大学で活発に活動していて、デモへの参加者も多いのです。地下鉄に乗っていると、車内で学生の演説と署名活動が始まることもあります。女子学生が必死に何かを訴えている姿を見ると、心を動かされます。
米軍基地反対集会に来ていた大学生たち
イラク戦争反対デモに参加する大学生たち
民主化闘争を闘いきってきた歴史
韓国デモ文化を語る上で、避けて通れないのが民主化運動の歴史です。記念碑的事件である「4.19革命」、最近映画の題材にもなった「5.18光州民主化運動」など、韓国の民主化運動の多くは、若者が中心となってきました。今日の自由は、先輩たちの闘いによって成し遂げられたというプライドが、今の学生にも引き継がれているのかもしれません。
かつてのように火炎瓶、焚身(焼身自殺)といった過激な行為はあまり見られなくなりましたが、国旗や政治家の人形を焼いたりする行為は今でも見られます。また、抗議の意思表示として、断食デモや剃髪デモ(髪の毛を剃ること)を行うこともあります。
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