近年、日常に浸透してきた「サスティナブル」という言葉。自分自身の健康にも、地球環境にも優しいものを選んで、生活に取り入れていきたい。そう考えて、行動している方も多いのではないでしょうか。
そんな皆さんにご紹介したいのが、今回レポートする『GOOD NATURE HOTEL KYOTO』。心や体の心地よさを徹底的に追求しつつ、サスティナブルな宿泊体験ができるという、ユニークなホテルです。
コンセプトは「人にも、自然にも、いいものを」。
お部屋のすみずみまで工夫が散りばめられたホテルの魅力を、たっぷりと紹介していきます。
京都の繁華街に建つ、“GOOD NATURE”な暮らしの発信基地
京都河原町駅から、徒歩2分。市内でも有数の繁華街に、2019年12月にオープンした『GOOD NATURE HOTEL KYOTO』。その建物自体の名前は、『GOOD NATURE STATION』といいます。
1階から3階に並ぶのは、有機野菜を使ったマーケットやレストラン。そして、4階から9階が、ホテルのフロアになっています。健康的でいいものを、楽しみながら生活に取り入れてほしい。そんな”GOOD NATURE”という新しいライフスタイルを、建物全体で表現し、発信しています。
ホテルへの入館は、1階の専用の入口から。
エントランスに入ると、特別に調合されたオリジナルアロマの心地よく上品な香りが、ふわっと漂います。静かな光の道をくぐりぬけて、奥のエレベーター乗り場へ。
ロビーのある4階へと向かいます。
自然と緑を近くに感じる、開放的なロビーラウンジ
エレベーターの扉が開くと、大きなシェフレラの木がお出迎え。
京都の純和風の雰囲気を持ちつつも、洋風のエッセンスも取り入れられた、モダンな空間が広がります。
ホテル全体のデザインコンセプトとなっているのは、3つの「ゆう」。
京都の長い歴史や、ゆったり流れる時間を感じられる「悠」。随所に光る遊び心を意味する「遊」。そして、人と人、人やモノとを結び付けられるようにと願いを込めた「結」。それぞれの「ゆう」が、館内のあちこちに息づいています。
また、年月が経ったとき、経年変化が起こるようにと、ひとつひとつの素材を丁寧に選んでいったそうですよ。
ラウンジのデザインモチーフになっているのは、京都の貴船川や奥座敷。天井にまっすぐ並んだ木々や、壁に用いられた1,100枚もの銅板からは、悠々と流れる川の流れを連想させられますね。
そして圧巻なのが、空まで続く吹き抜けが印象的な中庭。壁面に茂っているのは、日本固有種の植物であるテイカカズラ。初夏には白い花が咲いたり、秋には美しく紅葉したりするなど、四季それぞれの姿を楽しめるそう。流れる雲を見つめながら、ウッドチェアに腰掛けていると、ついさっきまで賑やかな街中にいたことを忘れてしまうほど、静かなひとときを過ごすことができます。
ホテル運営のノウハウが活かされた、快適な客室空間
ゆっくりリラックスし、一段落したところで、いよいよお待ちかねの客室へ。
木製のカードキーをかざして、オートロックのドアを解錠します。
全141室ある中で、今回宿泊したのは、スーペリアツインタイプの客室。最もスタンダードなタイプでありながら、約30㎡の広々としたお部屋です。荷物をおろして、早速ぐるりと探検してみましょう。
ふかふかのベッドは、アメリカの有名メーカー、Serta(サータ)社製。
実はこの『GOOD NATURE HOTEL KYOTO』を運営している株式会社ビオスタイルは、京阪ホールディングスのグループ企業。国内さまざまな地域でのホテル運営で培ってきたノウハウが、お部屋にふんだんに盛り込まれているため、その快適さは折り紙つきです。
ソファは、内装に合わせて色や形が考え抜かれたオーダーメイド。大きな座面は、床に座ってくつろぐという日本的なスタイルを、ホテルでも実現するための工夫なのだそうです。
壁際に備えられているのは、「濡れ縁」と呼ばれるスペース。まるで縁側のようですね。腰掛けるだけでなく、荷物置きにするなど、さまざまな使い方ができそうです。
備品も、イケウチオーガニックのコットンヌーボータオルや、バルミューダの電気ケトル、BOSEのBluetoothスピーカーなど、こだわりのものが揃います。
客室の中でも見つかる、“GOOD NATURE”
ここまででも十分すぎる空間ですが、それだけでは終わらないのが『GOOD NATURE HOTEL KYOTO』。
お部屋の中で見つけた、このホテルならではの“GOOD NATURE”なポイントを、いくつか紹介していきます。
まずは、客室用のサンダル。静岡のひのきを使って、一足一足、職人が手作りしたもの。足に優しい、心地よい履き心地が特徴です。
また、お部屋の床材は、あえて木目がしっかりしているものを選んでいるそう。木の感触が気持ちいいので、裸足で過ごす方も多いそうですよ。
ウェルカムスイーツとして用意されているのは、オリジナルスイーツブランド“RAU”のチョコレート。コスタリカからフェアトレード価格で仕入れられた、無農薬栽培のカカオが使用されています。
飲み物も、奈良県の有機茶葉を使った和紅茶や、カカオ入りの煎茶、バードフレンドリー認証コーヒーなど、体にも環境にも優しいラインナップです。
バスのアメニティは、こちらもオリジナルのコスメブランド“NEMOHAMO”のシリーズ。福岡県にある自社の畑で、有機栽培された植物が使われています。植物の根や葉、茎や花をまるごとエキスにすることで、良質な酵素やビタミンやミネラルが、フレッシュなまま閉じ込められているそう。石油由来の原料を一切使わず、天然成分だけで作られたアメニティです。
お部屋には、ペットボトルもありますが、備え付けのタンブラーを活用することもできます。各階に設置された、いつでも利用できるウォーターサーバーは、温水と冷水に加えて、常温を選べるのもうれしいポイント。便利なだけでなく、ペットボトルのプラスチックも削減でき、一石二鳥ですね。
その他にも、プラスチックが使われた使い捨ての備品は、ほとんど用意されていません。必要なものはフロントで受け取ることもできますが、そこで用意されるのも、竹製の歯ブラシなど。使い捨てるのではなく、持ち帰って何度でも使えるようにという想いが伝わってきますね。
また、お部屋にはショッピングバッグに加えて、食器やワインオープナーも備えられています。これは、健康と環境にいいものが取り揃えられた館内のお店を巡り、お部屋でも料理を楽しんでほしいという願いから。特に、オーガニックな生鮮食品やナチュラルワインが並んだ1階のマーケットは、夜20時までオープンしているので、チェックイン後にもゆっくりと買い物ができます。
今回は夕食を予約していたので、一旦部屋を後にしました。
ほっと一息。『Hyssop』でのディナータイム
夕食をいただいたのは、4階にあるレストラン『Hyssop(ヒソップ)』。浄化の意味を持つハーブの名前から名づけられ、自分を労りつつ、ゆっくりと深呼吸するような時間を過ごしてほしい、という想いが込められているそうです。
コース料理は、ビーガンにも対応。例えば紫芋のスープは、野菜の出汁だけでつくられていました。
その他にも、薬膳を意識しつつ、免疫力を高められる発酵食品や、ボタニカルの料理など、心も体も元気になれるようなメニューがもりだくさん。コース料理だけでなく、アラカルトや、40種類以上のワインも楽しむことができますよ。
夜はガラッと雰囲気の変わった中庭で、暖炉にあたりながら食事を楽しむのも良さそうです。
快適な眠りのための、独自の照明システム
満腹のお腹を抱えて部屋に戻った後は、寝る準備。
ここで役立つのが、備え付けのタブレット。エアコンや部屋の照明を、ベッドサイドから自由に操作することができます。
また、就寝時間と起床時間をセットしておくと、少しずつ部屋の電気を消灯・点灯してくれるというユニークなシステムが!
いつもよりリラックスして睡眠ができ、アラームが鳴るより前に、ぱっちりと目が覚めました。
朝食は『ERUTAN』で、よりどりみどりのビュッフェ
気持ちよく目覚めた後は、朝食会場の1階『ERUTAN(エルタン)』へ。
イタリアで、日本人初となるミシュラン一つ星を獲得したシェフ・徳吉洋二氏が、メニューを監修しているレストランです。
朝食はビュッフェ形式。色とりどりのサラダや、人気のブーランジェリーのパンのほか、和食も楽しむことができます。
その中でも、注目は切りたての生ハム!イタリアのBERKEL(ベルケル)社製の、最高峰のスライサーで切り落とされる生ハムは、後ろが透けて見えてしまうほどの薄さでした。
ちなみに、店名の「ERUTAN」を逆から読むと……?
おいしい朝食はもちろん、フードロスなどの課題にも積極的に取り組んでいる、優しいレストランでした。
宿泊後も続く、“GOOD NATURE”なライフスタイル
たくさんの“GOOD NATURE”を感じた、1泊2日の滞在期間。
繁華街の中でありながら、緑と自然を感じられる心地よい空間。健康的で、おいしい料理。環境に配慮した、数々の取り組み…。そして、スタッフの方々の抜群のホスピタリティ。
「せっかくデトックスできたんだから、生活を見直してみようかな」と、自分自身の意識も少しだけ変化しました。
今回は残念ながら参加できませんでしたが、ヨガや座禅体験など、宿泊者向けのアクティビティも数多く企画されているようです。さらに、植物に囲まれた部屋で過ごし、多肉植物がお土産としてついてくる「ボタニカルルーム」や、管理栄養士がプログラムや食事メニューを監修した「ファスティング&リセットプラン」など、楽しいプランも盛りだくさん。
一歩足を踏み入れたら、きっと新しいライフスタイルのヒントが見つかる『GOOD NATURE HOTEL KYOTO』。楽しくサスティナブルな宿泊体験を、ぜひ味わってみてくださいね!
■施設情報
GOOD NATURE HOTEL KYOTO 4〜9F
住所:京都府京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318番6
TEL:075-352-6730(ホテル予約専用)
※記事の内容は取材当時のものです。最新の情報は、お店のHPやSNSをご覧ください。
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