有名な紅葉スポットは、渋滞と混雑が必至ですね。そこで人気上昇中ではありますが、まだまだ穴場的な存在の福島県南会津の紅葉スポットをご案内します。静かな散策を楽しめる「観音沼森林公園」のご紹介です。
観音沼(かんのんぬま)森林公園とは
福島県南会津下郷町(みなみあいづしもごうまち)にある観音沼森林公園は、裏那須とも呼ばれる場所で、福島県白河ICから約1時間、栃木県の那須高原から約90分の位置にあります。1万7千年前に会津旭岳の大噴火により出現した観音山の麓の沼と、周辺一帯の約8ヘクタールが整備された森林公園です。
観音沼の周囲には、春にはシャクナゲや水芭蕉、GWの時期には、しだれ桜や水バショウ、初夏から夏には藤や紫陽花、山百合などが咲きそろい、季節を問わず楽しめます。雪景色から新緑まで、四季折々に楽しめる公園ですが、一番人気は、やはり紅葉の季節。水面に映る山々や紅葉が美しくて、ため息が出てしまいます。
観音沼森林公園の楽しみ方
コースは全9コース
舗装はされていませんが、公園内は散策路が整備されています。遊歩道は全9コースあり、全て歩けば3.2kmになります。見晴らし台や展望台に上っていくコースなどもあり、それぞれに、かたらいの小径、ぬくもりの小径、しあわせの小径、など素敵な名前が付けられています。
中でも高低差が少なく、歩きやすいのは、観音沼の周囲をぐるりと周るコースで、約1.2km。じっくり堪能しても1時間ほどで一周することができます。公園内の詳しい案内マップはこちらをご覧ください。
自然を満喫
公園一帯は、野鳥の宝庫といわれており、四季を通じて鳥のさえずりが楽しめます。散策路には、あずまやや、ベンチなど数か所の休憩スポットも設けられているので、お天気の良い日ならお弁当を持っていくのもよいでしょう。
落ち葉をふみしめて歩いたり、みずみずしい苔の絨毯を観賞したり、沼のほとりに下りてみたりと、大自然に抱かれて、のんびりと散策ができるのも、まだ知名度が低い観音沼森林公園ならではの楽しみ方だと思います。
また、沼をみるポイントによって、対岸の景色が変化するのも魅力の一つです。沼にはいくつかの浮島や立ち枯れた樹木などもあり、様々な景色が楽しめます。時間や陽差しの加減によっても表情がどんどん変わるので、何周でもぐるぐるしていたいような気分になります。
ひっそりと建つ嶽観音堂
観音沼の畔には、坂上田村麻呂(さかのうえの たむらまろ)が建立した嶽(だけ)観音堂があり、御本尊の聖観音菩薩は空海の作と伝えられています。
観音沼森林公園の名前は、このお堂が由来とされていて、2016年(平成28年)には、会津三十三観音の一つとして日本遺産に登録されています。素朴ですが、彫刻が素晴らしいお堂で、ひっそりと建つ姿が荘厳な雰囲気を漂わせています。