関東圏・新潟などで22店舗のチェーン展開をする巨大魚屋・角上魚類。いずれの店も郊外やロードサイドにあるため、地域外の人はまったく知らないものの、各地では入店待ちの車で交通渋滞を巻き起こすほどの人気を誇っており、現在の年商は400億円に迫ります。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
角上魚類川口店・中村千明さん。趣味の釣りや魚好きが高じて角上魚類のスタッフになったそうです
どうしてそこまで角上魚類が人気なのかと言うと、関東圏のスーパーはもちろん、他の魚屋ではまず目にしない豊富な魚種の品揃えと、価格の安さにあります。 しかし魚と言うと、知識がないとなかなか手を出せず、ハードルが高く感じることも。そこで今回はこういった魚に関する素朴な疑問や、意外と知らなかったトリビアを角上魚類川口店・中村千明さんに聞きました。 ※内容に一部誤りがありましたので、11/7(日)22時修正いたしました。
「初カツオ」「戻りカツオ」は何が違う?
「初カツオ」「戻りカツオ」では味がまるで違うそうです
――「魚を食べたい」と思っても種類がたくさんあって、ある程度知識がないと手が出せないようにも思います。 中村千明さん(以下、中村):そういった声は確かにお店でもお客さんからよく聞きます。確かに「知っていそうで、実は知らなかった」話は魚にはよくあり、こういった点も魚の魅力でもあると私は思っています。 ――今の時期はサンマが旬ですが、魚売り場で「戻りカツオ」というのもよく目にします。この「戻り」とか「初」とかの意味がわかりません。どういうことでしょうか? 中村:初カツオとは、カツオが餌を求めて南方から北上する際に獲れるものです。脂が少なくさっぱりとした味わいが特徴で、古くから縁起物として親しまれてきました。 対して戻りカツオは餌をたっぷりと食べて身が太り、北上したカツオが南方へ戻る際に獲れるため、この名になっています。とろけるような脂の旨味があるのが特徴で、初カツオとはまったく違った味わいを楽しむことができます。
サケとシャケの違いって?サーモンはサケではない?
一口に「サーモン」と言っても種類はさまざま?
――「サケ」「シャケ」と呼び名が変わることがありますが、これはどういう区別なのでしょうか。 中村:一般的にサケは料理するための加熱をする前のものを指します。また、加熱調理後のものをシャケと呼ぶのが一般的です。 ――あと、店頭でよく見かける「トラウトサーモン」、これは普通のサケとは違うんですか? 中村:そもそもサーモンとは、ほとんどが養殖されたもので、いわゆる日本のサケとは別物です。サケが生で食べられないことが大半である一方、サーモンは生食できるのが特徴です。 また、サーモンの中でもトラウトサーモン、アトランティックサーモンなどで魚種が異なります。以下にこれらの違いを挙げますね。 ★トラウトサーモン……ニジマスを海上養殖するにあたって、身質、体格などを交配などを行い品種改良して作られた魚。「トラウト」とは「マス」を意味する言葉で、希少で刺身などでも人気があります。淡水でも育つ魚です。 ★アトランティックサーモン……大西洋サケ(海水魚)。いわゆる「サーモン」と言えばこれ。ご当地(トラウトサーモンよりもこちらのほうが生産量が多いため入手しやすいです。生食で人気の魚種です。 ★サケ……サケ(海水魚)。食べている餌の都合で生で食べられないため、加熱して食べるのが一般的です。サケの種類も様々で日本全体で獲れ、今が旬の「秋サケ」、そして「銀サケ」などがあります。