全国でも1、2を争う晴天率から「晴れの国おかやま」と呼ばれている岡山県。言わずと知れた桃太郎伝説発祥の地であり、国宝級の神社・仏閣・名城・史跡が数多く現存している県でもあります。今回は筆者が訪れたなかから、特に“行って良かった”と感じた歴史スポットをご紹介します!

1. 岡山のランドマーク「岡山城」(岡山市)

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(画像=トリップノートより引用)

日本の100名城にも数えられている国指定の史跡、岡山城。漆黒の姿から別名「烏城(うじょう)」とも呼ばれています。父・宇喜多直家が金光氏から奪った城を子・秀家が引き継いだ城で、その後は小早川氏、池田氏が主な城主となっています。

残念ながら空襲で焼失してしまった天守は昭和41年に鉄筋コンクリート造で再建されたものになりますが、月見櫓と西之丸西手櫓は現存しており、国の重要文化財に指定されています。岡山城の黒と、別名白鷺城(はくろじょう)と呼ばれる兵庫県姫路城の白は対比されることが多くあります。

城内は見て、触れて、体験ができるアミューズメント施設になっているので、歴史にあまり興味がない人でも楽しめます。岡山市街が一望できる見晴らしの良い6階、宇喜多・小早川時代の歴史を復元甲冑などとともに展示紹介している3階、さらには江戸時代のお姫様やお殿様気分が味わえる着付け体験のある2階フロアも楽しめます。

着付け体験は開始時間が決まっていますが無料なので、ぜひ体験してみてください!大名駕籠(かご)に乗って記念撮影をすることもできます。その他、1階にはお土産コーナーや食事処、備前焼の体験などがあります。

体験料金や着付け体験の時間などはこちらを参照してください。

筆者はお姫様体験も備前焼体験も挑戦しました。釉薬を使わない備前焼は派手さはないけれど使うほどに愛着が湧き、滋味溢れる素朴な味わいが岡山県のお人柄を表しているようで楽しめました。時間が許すならぜひチャレンジしてみてくださいね。

2. 言わずと知れた日本三名園の一つ「岡山後楽園」(岡山市)

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(画像=トリップノートより引用)

江戸時代初期の岡山藩主、池田綱政によって造営された大名庭園で、現代では国の特別名勝に指定されています。

時の藩主・綱政は藩主の居間として建てられた延養亭(えんようてい)からの眺望にこだわって造園しましたが、子・継政の代になると能を好んだことから能舞台周辺の建物を充実させ、園内の中央には唯心山(ゆいしんざん)を、その麓には池や水路を巡らせるなど、庭園に回遊性を持たせるようになりました。時代ごとに藩主の趣向が反映されて今の姿になったと言えます。

昭和初期の水害や戦災など幾多の困難にも遭いましたが、その度に復旧し江戸時代の姿を大きく変えることなく今に伝えてくれています。今日では金沢の兼六園、水戸の偕楽園と並ぶ日本三名園として全国から観光客が訪れています。

春の桜やツツジ、夏のハスや花菖蒲、秋の萩に冬の寒椿など、一年を通して四季折々の花が楽しめるのも魅力です。様々なイベントも行われているので、訪れる度に新しい庭園の魅力に触れられることでしょう。

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(画像=トリップノートより引用)
  • お抹茶(あん入りきびだんご2個付き)500円、お土産用元祖あん入りきびだんご1箱800円

園内には土産物店や茶店、食事処などもあります。元祖後楽園名物のあん入りきびだんごがお抹茶と一緒に味わえる福田茶屋もそのひとつ。藤棚の下で味わうきびだんごは、江戸時代の城下町気分が味わえます。

余談ですが写真のきびだんごは撮影用にお店の方がわざわざ大盛りにしてくれたものです。筆者が住む北海道のきびだんごとは見た目も味もまったく異なる本場のきびだんごに盛り上がっていたところ、気をよくしたお店の方がずいぶん大盛りにしてくださいました。実際はお抹茶1杯に2個のきびだんごですので、ご注意ください!

3. 桃太郎伝説のモデルが祀られている「吉備津神社」(岡山市)

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(画像=photo-ac.com、トリップノートより引用)

荘厳な雰囲気が漂う本殿・拝殿は京都の八坂神社に次ぐ大きさで、広さは出雲大社の2倍もあるそうです。全国で唯一の様式であるため「吉備津造り」と称されることも。約600年前の勇壮な姿をそのまま現代に伝えており、国宝に指定されています。

ここに祀られている大和朝廷から派遣された四道将軍の一人「吉備津彦命」は桃太郎伝説のモデルとも言われています『キビツ彦の温羅(うら)退治』という題名で伝説が絵本になって紹介されていますので、ぜひご覧になってみてください。

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(画像=トリップノートより引用)

伝説の中で登場した首を埋めたというお釜殿へは、総延長約400mの長大な回廊を渡って行きます。ここでは現在も鳴釜神事という特殊神事が行われています。これは釜の鳴る音で願いが叶うかを占う神事で、今でも願いのある人が祈祷をしてもらいに遠くから訪れているそうです。神事を希望される方は金曜日以外の午後2時までに受付を済ませてください。

4. 県内唯一の五重塔が見られる「備中国分寺」(総社市)

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(画像=トリップノートより引用)

聖武天皇の発願によって諸国に創建された国分寺の一つ。国分寺の建物は南北朝時代に焼失してしまったと伝えられていますが、江戸時代中期以降に再建されました。創建当時(741年)の礎石も多く残されており、当時のことを偲ぶことができる国指定史跡です。

境内でひときわ存在感を放っている高さおよそ34mの五重塔は、県内でもここにしかない唯一のもので、周りに広がっている田園風景と相まって吉備路を代表するのどかな景観となっています。国の重要文化財にも指定されています。