アルプスといえば登山者の間で憧れの山。通常日本でいうアルプスとは、本家ヨーロッパの山脈ではなく、飛騨・木曽・赤石山脈の日本アルプスを指します。この日本アルプスから派生して、山々が連なったエリアを親しみを込めて「〇〇アルプス」と呼ぶところが、全国には沢山あるんです。本記事ではご当地アルプスの一つ「湘南アルプス」をご紹介します。海のイメージの強い湘南と山の意外な組み合わせではありますが、湘南ならではの絶景が楽しめて、とってもお勧めなんです。しかも「アルプスに登ったんだよ!」と自慢もできちゃいますよ!

ご当地アルプス

全国には、「〇〇アルプス」と付く山々が50近くもあるんです。都道府県の総数に近い数ですから、どこにでもあるといった感じですね。いつもの景色の一部として見えている山々が、知らないだけで実はアルプスかもしれません。

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(画像=PIXTA、トリップノートより引用)

有名な山も別名で「〇〇アルプス」の名が付いていたりします。例えば「洋上(ようじょう)アルプス」。名前から察するに海の上にあるのかな?と想像できますが、どこかお分かりですか?正解は、鹿児島県の世界遺産「屋久島」。

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(画像=PIXTA、トリップノートより引用)

観光地自体がアルプスに囲まれていたりもします。「鎌倉アルプス」はそのものズバリ、神奈川県の古都・鎌倉を囲む山々です。

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(画像=PIXTA、トリップノートより引用)

ではこれは分かりますか?「湘南アルプス」。湘南といえば東洋のマイアミビーチと言われ、海に面した観光資源が豊富な、あの神奈川県の「湘南」です。どちらかと言えば海のイメージが強い湘南。

湘南×山!?と意外な組み合わせではありますが、海沿いに面した山から見る潮風を感じられる景色は、とーっても素敵なんです!

湘南アルプスとは

「湘南アルプス」とは、JR東海道線の「大磯駅」の北側に連なる170m前後の小さな山々です。

「大磯」も「大磯ロングビーチ」があり、やっぱり山というよりかは、水着でのアクティビティを連想させる土地ですよね。

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(画像=PIXTA、トリップノートより引用)

駅を挟んで海と反対側に、いくつかの山々が連なっています。登山の仕方のひとつに「縦走(じゅうそう)」というスタイルがあります。一つの山の頂上に登った後、下山せずに次の山に登ることを指します。アルプスを歩く場合、この縦走スタイルでの登山となります。

山から山へと移動するので、とっても難易度の高いイメージですが、湘南アルプスのすごい所は、ある山の頂上から次の頂上までがとっても近いんです。場所によっては、なんと10分くらいの距離で行けちゃうところも!一つの山を登頂したと思ったら、すぐ横に次の山の頂上があるんです。この近さは結構びっくりするかも。

湘南アルプスにはいくつかのハイキングコースがありますが、大磯町観光協会が公開している大磯イラストマップを参考に、「高麗山」から、潮風香る景色を臨む「湘南平」を目指す高麗山ハイキングコースをご紹介します。

大磯駅

それでは大磯駅からスタートします。駅前は観光地というよりも、落ち着いた住宅街という感じで静かですが、近くに観光案内所があります。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 大磯駅、トリップノートより引用)

観光案内所では、ハイキングコースのマップ入手や、現在の路面状況の確認、スタッフお勧めのコースなどを聞くことができます。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 観光案内所、トリップノートより引用)

高麗山ハイキングコースに行く方面にあるので、利用してみましょう。

高来神社へ

観光案内所から「高来(たかく)神社」方面へ歩きます。視界の左側には、これから登る「高麗山(こまやま)」がしっかり見えます。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 高麗山、トリップノートより引用)

住宅の奥にある裏山として、静かに鎮座している感じですね。写真からでも高麗山の小ぶりさが伝わってきます。標高167.3m。とっても小さな山です。

しばらく歩くと「高来神社」が。高麗山をバックにすらっとした鳥居が印象的な神社です。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 高来神社、トリップノートより引用)

高来神社は、古くは大名が参勤交代の途中で、わざわざ立ち寄って参拝した神社です。徳川家康を神格化した東照宮が祀られていたため、ぜったい参拝しないといけなかったんですよ。

鳥居をくぐると、すぐ左側には「関東ふれあいの道・高麗山0.7km」の案内板が。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 案内板、トリップノートより引用)

「え~!?神社の中にあるの?」と意外な感じですが、写真のとおり案内板は参道そのものを指しています。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 案内板と参道、トリップノートより引用)

知らないとハイキングコースの入り口を見つけられず、ウロウロしてしまいそうですが、神社の境内にハイキングコースの入り口があるんです。

ずんずん歩くとお社が見えてきます。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto お社、トリップノートより引用)

このお社の右奥にハイキングコースがあります。写真でも建物の右奥に階段が見えるのがおわかりですか?

階段を登ると、「高麗山県民の森案内図」が建てられています。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 高麗山県民の森案内図、トリップノートより引用)
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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 高麗山県民の森案内図アップ、トリップノートより引用)

現在地と書かれたポイントの右側を行くと、傾斜の緩やかな「女坂」。左側を行くと急坂の「男坂」です。

「男坂」は高来神社の神事である「山神輿」で登る坂。神輿界のロッククライミングと言われるほど、神輿を担ぐ人々には非常にハードな神事で、神輿に命綱をつけて、急坂を大勢で引っ張り上げます。斜度60度近くの急坂もあり、もはや壁レベルのため、ハイキングでは「女坂」が正式ルートとなっています。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 案内図に掲載されている山神輿の様子、トリップノートより引用)

女坂

こちらが女坂の様子。適度に整備された歩きやすそうな登山道です。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 女坂、トリップノートより引用)

少し登ると分岐が現れます。まずは「大堂(女坂)」を目指しましょう。このあともいくつか分岐が現れますが、必ず案内板があるので「大堂」、「高麗山」または「湘南平」と書かれた方面に進みましょう。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 分岐、トリップノートより引用)

しばらく道なりに歩いていきます。階段も作られていて、しっかり整備されたコースです。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 階段、トリップノートより引用)

時折、ゴツゴツした岩が広範囲にわたって露出している道もあります。持っていればトレッキングシューズで歩くほうが、体への負担も少なく安全です。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 岩の露出した道、トリップノートより引用)

高麗山頂上

山道らしからぬ、石を積み上げて作った頑丈そうな階段を登っていくと、すっきりとした広場に出ます。周りは適度に緑が茂り、葉の隙間から空の色が見え隠れします。

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 石の階段、トリップノートより引用)
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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 広場、トリップノートより引用)

この広場のはじっこに「高麗山 標高167.3m」と書かれた案内板が建っています。神社の入り口からここまでおよそ30分ほど。あっという間に登頂です!

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(画像=えいぶゆう/TossyPhoto 高麗山の案内板、トリップノートより引用)

写真を撮りながら、相当ゆっくり歩いてきたにもかかわらず、あっという間についてしまった感じです。ちょっと拍子抜けするほど。