招霊木と書いて、オガタマノキ。日本神話によると、天照大御神の岩戸隠れの際、天鈿女命がオガタマノキを手に踊りを舞ったことが記されています。特別な木なのですね!花言葉は「畏敬の念」。まさに神様の宿る木なのです。このオガタマノキが境内に多く自生しているのが、愛知県知多半島にある尾張多賀神社です。今回は尾張多賀神社とご神木のオガタマノキを紹介します。
尾張多賀神社境内に鎮座する富士浅間神社と山神社
一の鳥居の前に、小さな太鼓橋がかかっています。
参拝したときに、一の鳥居の手水舎にお水がありませんでした。お正月には、お水がたっぷり出ていますけどね。社殿前の手水舎にはお水が満たされていますから、そちらで禊をしましょう。
こちらの手水舎の特徴は「蟹」。海に近く、カニが普通にそこ此処に表れる土地柄のためか、手水舎でカニ(のモチーフ)がお出迎えしてくれます。小さい蟹が、恐らくはこのあたりの民家の土間にも時には入り込んでいることでしょう。
尾張多賀神社は、滋賀県の多賀大社を勧請したお社であることが石碑に書かれています。
境内には多賀神社、浅間神社、山神社が祀られています。
従来から祀られていた富士浅間神社社殿が1571年に再建され、その後1621年に多賀大社が勧請されたとのことです。多賀大社同様に厄年の方がたくさん参られるようです。
この地域は本厄に”初老祝い”を親戚に配ったり、厄落としの旅行をしたりと、とても盛んだと聞きます。そんな暮らしの背景には、近くに鎮座するお多賀さんの影響が強いのかもしれません。
さて、少しだけ階段を上がると二の鳥居があります。鳥居をくぐってまずご神域に入るご挨拶を。
参道には砂利が敷かれていて、これも「お祓い」の装置です。俗社会から、気枯れを追い払うように、一足一足大地を踏みしめるのです。
耳に聞こえる虫の声、ふき渡る風、樹々のさやめきなど、あらゆる感覚をフルに開いて楽しみながら進みます。
参道はしっかりお掃除をしてくださっていますね。いつもきれいでありがたいです。
手水舎のお水はきれいです。キチンとみそぎをしましょう。
御本殿は三社が横並びになっており、右から多賀神社、富士浅間神社、山神社の順で並んでいます。上の写真右に写っているのが多賀神社。ご祭神はイサナキノミコト。妻イサナミノミコトと共に日本の国土を開いていきました。よく手入れが行き届いたお社です。ご神徳は災難厄除け。日本語の神様でもあるので学業成就にも良さそうです。
写真左が富士浅間神社。ご祭神はコノハナサクヤヒメ。伴侶は天孫ニニギノミコトです。だから、イサナキノミコトが見れば曾孫(ひまご)の嫁、という関係ですね。日本の象徴である富士山を守る女神さまです。三人の子を産み育て、子安の神様として多く尊崇を受けています。火の中で子どもを産み、守られたことから火難除けに良いようです。
写真には写っていませんが、富士浅間神社の左に山神社が並んでいます。ご祭神はオオヤマズミノカミ。コノハナサクヤヒメの御父上の神様です。五穀豊穣、開運厄除けのご神徳があります。