話題のスポット角川武蔵野ミュージアム。この秋、パリで人気を博した展覧会が凱旋!「浮世絵劇場 from Paris」がこの角川武蔵野ミュージアムで開催されます。

2018年、パリに「アトリエ・デ・リュミエール」ができてからデジタルアートの盛り上がりが目覚ましいフランスで、200万人も動員した展覧会「Dreamed Japan “Images of the Floating World”」が日本上陸したのが本展です。

手掛けるのはアーティスト集団、ダニーローズ・スタジオ。テクノロジーと掛け合わせて表現された浮世絵の世界を360度体験できる映像空間です。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

一足先に「浮世絵劇場 from Paris」の世界を体験してきましたので、その模様をお届けします!

体験型浮世絵の幻想世界にトリップ

会場に足を踏み入れると、360度スクリーンが取り囲む空間が広がっています。全十二幕、30分間の演出は、日本らしいたくさんの浮世絵風景画から始まります。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

屏風のように折り重なり、次々と新しい景色を作り出すのは、日本の風景や暮らしを描いた浮世絵の数々。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

伸びやかな音楽と共に映し出される日本の美しい情景を目にすると、この作品たちが描かれた時節の、人々の自然に対する思いまで伝播してくるよう…。フランスらしいアーティスティックな演出も多く、浮世絵の新たな一面を魅せてくれます。

現れては消えを繰り返す幻想的な演出を、ただただ静かに見入ってしまいました。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

幕は変わり、スクリーンを埋め尽くしたのは桜が描かれた扇。夜桜でしょうか。濃紺の背景と乳白色の花弁のコントラストに惹き込まれてしまいます。ああ、こんな着物があったら素敵だろうな、なんてうっとりしていたのも束の間、さらに幻想的な世界に包み込まれていきます。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)
パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

あっという間に桜は満ちていき、辺りはマゼンダピンク一色の世界に。花吹雪が身体全体を駆け巡り、心地よい風がほんとうに吹いているような気がするほど。冬を飛び越え迎えた春は、今まで巡ってきたどんな春よりも幻想的でした。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

大迫力だったのは、第四幕の「海」。モチーフとなる葛飾北斎の「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」の絵が臨場感たっぷりに波打ち、荒れ狂う海に覆われてしまうよう。

この名画が描かれた19世紀は、海を渡るのはまだまだ危険が伴う時代です。そんな人々の畏怖の念まで映し出されているようで、鼓動が早まってしまう圧巻のシーンでした。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

打って変わって第七幕は妖艶な雰囲気に。閉ざされた障子の向こうには人影が。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

障子から姿を見せた女性たちは、艶やかな着物を纏いたおやかに佇んでいます。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

すると突然、彼女たちがこちらに視線を送ってくるのです…!私たちが絵画の中にいざなわれたのか、はたまた過去にタイムスリップしたのか。いずれにしても、女性たちの談笑するささめきが聞こえてくるような魅惑的な空間へと、束の間のトリップを味わったのでした。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)
パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

その他にも海上を駆ける鶴や大輪の花々が彩るシーンなど、見どころはたくさん。飽きる暇もなく次々とスクリーンを飾る浮世絵とテクノロジーを駆使した演出に、心を奪われてしまうはずです。1本の映画を見終えたような、そんな充実感に満たされる体験が待っていますよ。

今もなお、魅了し続け、描かれ続ける「浮世絵」

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

「第2部」と呼ばれるエリアでは、浮世絵劇場を彩った浮世絵が紹介されていました。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

宙に展示されたたくさんの浮世絵。さっきまで、テクノロジーを駆使した映像美として触れていた作品が、本来の姿を取り戻しています。かつての日本を覗いているかのような厳かな気持ちにさせてくれました。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

また、浮世絵にまつわる書籍も展示され、自由に手に取ることができます。浮世絵の知識をつけたら、本展のさらなる魅力を発見できるかもしれません。

浮世絵と言うと、過去の芸術作品というイメージがありますが、実は今現在も「浮世絵師」が存在し、浮世絵が描き続けられているのです!この後室には、そんな今も活躍する浮世絵師たちによる作品も展示されています。世界的アーティストがモチーフにされるなど、今の私たちと”繋がり”を感じる作品には、かつての浮世絵とは違った魅力があり、楽しく鑑賞できるでしょう。

この後室で浮世絵の新しい解釈や表現にも触れてみてくださいね。

パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

日本の絵画史のみならず、ヨーロッパの印象派にも影響を与えた「浮世絵」。特にフランスでは浮世絵の蒐集家も多いそうで、人気なのだとか。日本発祥の妙技、それを最新技術と共に新たなアートとして体験できるのが「浮世絵劇場 from Paris」です。

今もなお、人々を惹きつける「浮世絵」が結びつける想像と現実、過去と現在。浮世絵の奥深い世界に溶け込んでみてはいかがでしょうか。

■イベント情報
浮世絵劇場 from Paris
会期:2021年10月30日〜2022年4月10日
会場:角川武蔵野ミュージアム 1階グランドギャラリー
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
電話番号:0570-017-396
開館時間:10:00〜18:00(金土〜21:00) ※最終入場は閉館30分前まで
休館日:第1、3、5火 ※休館日が祝日の場合は翌日休館
料金:
[オンライン]一般 2200円 / 中高生 1800円 / 小学生 1100円 / 未就学児 無料
[当日窓口]一般 2400円 / 中高生 2000円 / 小学生 1300円 / 未就学児 無料

★お知らせ★

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パリが愛した浮世絵を体験!角川武蔵野ミュージアム「浮世絵劇場 from Paris」
(画像=『PARIS mag』より引用)

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