新世界にそびえ立つ通天閣は、浪速(なにわ)文化が詰まった大阪のシンボル。高さ108mのタワーは、大阪の心とまで表現され、地元の人だけでなくさまざまな人に深く愛され続けています。塔内には光の展望台や特別屋外展望台「天望パラダイス」など、趣きの異なる展望スポットがいくつもあり、黄金の展望台には幸運の神様として鎮座するアメリカ発のビリケンさんも。ビリケンさんの足の裏をさすりながら願を掛けて街を眺めるのもオツなものです。他にもまだまだ楽しみが詰まった通天閣、その魅力をたっぷりご紹介します。

通天閣とは?

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

大阪を象徴する建造物というべき通天閣は、茶臼山横の「新世界」中心部に建っています。現在の建物は2代目にあたり、高さは108m、東京タワーや名古屋テレビ塔を手がけた内藤多仲の設計によるもの。昔ながらの大阪らしさが残る新世界に建っていることもあってまさに浪速文化の誇りとでも呼ぶべき存在で、その町を形成する店や人々とともに変わらぬ大阪を表現しています。2007年5月には国の登録有形文化財となり、公式キャラクター・ビリケンさんとともに大阪の観光名所としてさらに知名度が上がりました。

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

初代通天閣ができたのは、1912(明治45)年。その9年前に今の新世界辺りで第5回内国勧業博覧会が開かれ、跡地利用にルナパークができました。ルナパークとは、現在でいう遊園地に近い施設。そのルナパークに併設されて造られたのが通天閣でした。

形はパリの凱旋門のエッフェル塔の上半分を乗せたような感じで、建設当時の高さは75m、当時としては東洋一の高さを誇っていたそう。ルナパーク内の建物と通天閣はロープウェイで結ばれており、大にぎわいのスポットでした。初代通天閣は、1943(昭和18)年まで存在していましたが、その足元にあった映画館・大橋座で火事が発生し、脚部が加熱によって強度不足になったのと、鉄材を軍需資材として供給する名目で解体されました。

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

1953(昭和28)年ごろ、寂しくなった新世界を復興しようと、地元の有志によって通天閣再建計画が持ち上がり二代目通天閣が建設されました。初代通天閣があったところはすでに民家が建ち並んでいたため、その位置から近い公園に再建されたのです。建築費は地元の人々が出資し、東京タワーや名古屋テレビ塔などを手がけた内藤多仲の設計。エッフェル塔にも似た大阪のシンボルタワーとして1956(昭和31)年に完成しました。

通天閣の高さが伸びた⁉

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

二代目通天閣は、元々103mの鉄骨鉄筋コンクリート造りの塔でしたが、現在は108mの高さに伸びています。これは二代目通天閣が開業60年を迎えたことを記念して避雷針を長いものに交換し、地上108mまで延伸させたためです。通天閣観光株式会社の現会長・西上雅章氏(当時は社長)がかねてより煩悩の数(108つ)と合わせたいと言っていたことに起因します。従来から避雷針はありましたが、開業60周年に5mだけアップしたのです。

通天閣を徹底レポート!

通天閣は高さ108mです。展望台は光の展望台、黄金の展望台、屋外にある「天望パラダイス」の3つ。少しずつ高さは違いますが、それぞれ趣が異なるために単に景色を望むだけではなく、フロアごとのテーマもふまえながら楽しめます。また3階のトップフロアや2階のアンダーフロアでは、大阪の歴史を表した展示もあり、約100年前のルナパークや昔の大阪を知るいい機会に。ひと通り見学したあとは、3階のショップや地下1階の通天閣わくわくランドへ。大阪らしいお土産を求めるのもここでの楽しみのひとつです。

まずはチケットカウンターへ

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

展望台入口に入る前に通天閣の真下に行ってみましょう。真下から見上げると、大天井画が見えます。これは初代の橋脚部にあった絵をもとに再度描いたもの。2015年に免震改修工事をした際に、かつての雰囲気を醸し出そうと描きました。天井画には花々などが描かれていて約100年前の通天閣がしのばれます。

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

展望台入口は通天閣の脚元部分に2ヵ所あります。王将の記念碑がある横と、その対面にあり、そこから階段でまずは地下まで降ります。チキンラーメンひよこちゃんショップを左に曲がり、そのまま突き当りまで進むとチケット売場に到着です。

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

チケット売場は対面式で、受付の人に必要な枚数を伝えてチケットを購入。入場口でそのチケットを確認してもらったら、円形エレベーターに乗って2階まで上がります。

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

2階は、昭和30年代の大阪の町の雰囲気を再現したアンダーフロア。模擬で串かつ屋があったり、パチンコ屋があったりと下町情緒たっぷりです。
壁には大村崑のオロナミンCの看板や美空ひばりの金鳥の看板などが貼ってあり、古き良き時代の大阪が蘇ってきそうです。こういった模擬の町を造ったのは、混雑時を想定してのこと。展望台へのエレベーターまで並んでもらうのに飽きさせないようにと工夫したそうです。

通天閣は大阪のシンボル!大阪の町を望み、浪速の文化にふれる
(画像=『あそびのノート』より引用)

アンダーフロアには、キン肉マンプロジェクトアーカイブコーナーや展望塔免震化工事の資料を展示したコーナーもあります。前者はキン肉マンが通天閣100周年のキャラクターに選ばれた縁で作られ、複製画なども展示。ひと通り展示コーナーを見たら、展望エレベーターへ乗り換えして4階の光の展望へと向かいしょう。