赤ちゃんが生後5、6ヶ月になり、下の前歯が生え始める頃に離乳食が始まります。初めて子育てをするパパママは、初めての離乳食でどのような物を食べさせればいいのか不安でしょう。離乳食の基本的な内容を、離乳初期、中期、後期、完了期に分けて紹介します。

監修者紹介

【管理栄養士監修】赤ちゃんの離乳食はいつからどう進める?  離乳初期~完了期までそれぞれ紹介!
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

管理栄養士 志田修平(いちじく王子) 調理師、管理栄養士、柔道整復師。管理栄養士として4年間勤務し、病院や学校給食などの調理・献立作成、栄養指導を担当。その後、フリーランスとして身体に優しいケータリングやキッチンカー運営の活動を得て、 地元活性の想いから、実家山形のいちじくを使ったいちじく料理専門店を西麻布にオープン。

子供食堂やママ起業家コミュニティとの連携を中心とした活動も行う。11月に第一子の誕生予定。出張作り置きサービス「シェアダイン」でも活躍中。

離乳食はなぜ赤ちゃんに必要?

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ご飯に慣れる、足りない栄養素を補うため

母乳やミルクしか飲んだことがない赤ちゃんが、大人と同じように食事をとるためには、「噛む」、「飲み込む」動作の練習が必要です。離乳食を通して、食べ方を覚えたり、食材の味や食感に慣れたりできます。離乳食のトレーニングを進めながら食べられる食材を増やしていくことで、赤ちゃんの消化器官や味覚が発達し、赤ちゃんは食事を楽しめるようになります。 どのくらいのママが完全母乳育児で赤ちゃんを育てている? 粉ミルクでの育児にデメリットはあるの?

離乳食の4つのステップとは?

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赤ちゃんが大人と同じ食事をとれるようになるためには、離乳食で徐々に慣れることが必要です。離乳食は生後5ヶ月~生後18ヶ月頃までの赤ちゃんの成長に合わせ、食事の方法や食べられる食材が変わります。離乳食のトレーニングを進める際は、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ食事内容をステップアップさせていきましょう。

離乳食は初期、中期、後期、完了期に分けられる

赤ちゃんの離乳食のトレーニングは生後5、6ヶ月頃から初期、中期、後期、完了期と4つのステップで進めます。赤ちゃんはこの4つのステップを通じて、これまでの「飲む」食事から「食べる」食事に慣れていきます。離乳食のトレーニングを始めると、今まで母乳やミルクしか飲んでいなかった赤ちゃんが、母乳やミルク以外の味を初めて経験します。離乳食の時期に慣れ親しんだ味が将来の子供が好きな味につながるため、0歳~1歳の味覚が発達する時期に、できるだけいろいろな食材の味に慣れさせましょう。

昔は生後3、4ヶ月頃に味ならし期があった

離乳食は生後5ヶ月頃からとされていますが、昔は生後3、4ヶ月頃に「味ならし期」がありました。味ならし期では母乳以外の味に慣れさせるため果汁やスープをあげるよう言われていましたが、今では味ならし期は必要ないという考えが主流です。実際、2歳の筆者の息子が離乳食を始めた時も、味ならしはしませんでした。

味ならし期は本当に不要なのでしょうか? 厚生労働省は「足りない栄養素を補うことや、噛む力を発達させる目的から、生後5、6ヶ月頃から離乳食をスタートさせる」ことを推奨しており、この点からも味ならし期は不要だと考えていいでしょう。

離乳初期(生後5、6ヶ月頃が目安)

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赤ちゃんの離乳食トレーニングは生後5、6ヶ月頃からスタートするのが一般的です。「うちの子の離乳食はそんな早い時期に始めて大丈夫?」と心配になるパパママもいるでしょう。生後5、6ヶ月頃というのはあくまで目安で、大人が赤ちゃんを支えてお座りできるようになれば、離乳食を始める準備が整ったと考えてください。また、大人がご飯を食べている様子を見て、口をパクパクさせたり、食べたそうな仕草が見えたりしたら、離乳食をスタートさせていいでしょう。心配であれば、離乳食を始めるタイミングについてかかりつけの医師に相談してください。

離乳初期はとろとろになるまで煮込む&すり潰してから食べさせる

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離乳食を始めたばかりの時期は、赤ちゃんはまだ「食べる」行為ができません。離乳初期は以前はゴックン期とも言い、食べ物を「舐める」、「飲む」しかできないのです。そのため、離乳初期は赤ちゃんが飲み込みやすいように、とろとろのポタージュ状にすり潰してからあげてください。離乳食の固さはヨーグルトをイメージするといいでしょう。

離乳初期に役立つ調理器具セット

赤ちゃんが食べやすいよう食材を滑らかにする時、裏ごし器やブレンダーですり潰す方法があります。離乳食用の調理器具セットはいろいろな種類の商品が販売されており、裏ごし器やすり鉢、食材を潰しやすいスプーンなどがついています。離乳食を作り置きをする場合は、一度に大量の食材を調理できるブレンダーを使うと、時間短縮になるのでおすすめですよ。

離乳食用のおすすめ調理器具セット:ピジョン 調理セット 離乳食用

おろし板やジュース絞り、こし網、すり鉢などがセットになっているので、これ一式で基本的な離乳食が作れます。使わない時はまとめて重ねてコンパクトになるので、収納場所を取りません。一部の器具を除き消毒ができるので、赤ちゃんにも安心です。

離乳食用のおすすめ調理器具セット:ブラウン ハンドブレンダー マルチクイック5

ブレンダーとビーカーがセットになっていて、食材を簡単につぶしたり混ぜたりできます。鍋に直接ブレンダーを入れて使えるので、大量に作り置きする時にも便利です。離乳食が終わってからも、スムージーやポタージュを作れるので、何かと重宝するでしょう。

離乳初期はスプーン1さじからスタート

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離乳食を食べ始めたばかりの赤ちゃんは、生まれて初めての食事に驚くことばかりです。まずは、スプーンが口の中に触れる刺激や、食事の雰囲気に慣れることから始めましょう。離乳初期は1日1回スプーン1さじを目安にします。

赤ちゃんの機嫌によって離乳食を食べてくれないこともあるので、赤ちゃんの体調がいい時を見計らって、無理なく離乳食を進めてください。離乳初期は1回の食事の量がとても少ないため、母乳やミルクは赤ちゃんが欲しがるだけあげても問題ありません。

離乳食は人肌くらいに冷ます

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赤ちゃんは35~40度の人肌くらいに温めた離乳食を一番おいしいと感じます。途中で赤ちゃんが離乳食を食べてくれなくなった時は、35~40度を目安に電子レンジなどで加熱してみましょう。まず5~10秒程度レンジで温めてみて、まだ冷たいようなら更に5秒程度追加で加熱します。

リッチェル 適温がわかる やわらか育児スプーン

約40℃以上の熱い物に触れるとスプーンの先端がオレンジ色から黄色に変わるため、赤ちゃんがやけどするのを防げます。先端は柔らかい素材で口当たりがよく、口先がわかりやすいデザインになっています。先端がオレンジ色でも、念のため自身で温度を確認してからあげてください。

離乳初期におすすめの食材は?

赤ちゃんに初めて離乳食をあげる時は、消化のいい10倍がゆから始めましょう。初めの1週間はおかゆのみをあげてください。1週間が過ぎて新しい食材を食べさせたい時は、スプーン1さじを目安に試しましょう。初めての食材を食べさせる時は、アレルギー反応が出ないかよく注意してください。

赤ちゃんの口元が赤い、発疹がある、呼吸が苦しそうなどの症状が出た時は、アレルギー反応である可能性があります。下痢や嘔吐などの症状が出ることもありますが、アレルギー反応には個人差があります。アレルギー反応が出た時にすぐに赤ちゃんを病院に連れて行けるよう、離乳食は午前中にあげるといいでしょう。

離乳初期に赤ちゃんに食べさせていい食材

種類 食材 炭水化物 米(10倍がゆ)、食パン、うどん、そうめん タンパク質 かれい、ひらめ、たら、しらす 野菜・いも類 大根、人参、玉ねぎ、ブロッコリー、なす、トマト、とうもろこし、きゅうり、キャベツ、じゃがいも、さつまいも 果物 バナナ、いちご、りんご、もも、みかん、スイカ、メロン、なし 卵・乳製品 固ゆでした卵黄 野菜は繊維が少なく、すり潰しやすいものがおすすめです。肉や魚など脂質が多い食材は、離乳食を始めたばかりの時期は避けましょう。また、きのこ類は繊維質が多く、まだ歯が生えていない赤ちゃんには食べにくい食材なので、離乳初期の離乳食では食べさせないようにしましょう。

厚生労働省は「授乳・離乳の支援ガイド」を2019年に改訂し、しっかりと火を通した卵黄は離乳初期から赤ちゃんにあげていいと内容を変更しました。卵などアレルギー反応が出る可能性のある食材について、これまで離乳初期は控えるよう指導していましたが、現在は少量の卵黄なら離乳初期の赤ちゃんに与えると卵アレルギー対策になることがわかっています。ただし、離乳初期赤ちゃんに卵黄を食べさせる際は、卵を20分以上茹でてしっかりと熱を通し、卵黄のみをごく少量あげてください。

離乳初期のポイント:食べ物を口に入れて飲み込む動作を意識する

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離乳初期の赤ちゃんは、舌が上下にしか動きません。離乳食をあげる時のポイントは、赤ちゃんの下唇や舌にスプーンをのせ、上唇で離乳食を口の中に入れるのを待つことです。赤ちゃんが口を閉じる仕草をしたら、優しく水平にスプーンを引き抜いてあげましょう。

赤ちゃんは初めは上手く食べ物を口に入れることができず、舌で押し出してしまうこともあるでしょう。その時は、スプーンですくってまた口に戻してあげてください。赤ちゃんの上唇や上顎にスプーンを押し付けてしまうと、食べ物を自分で口に入れる練習になりません。赤ちゃんの口の奥までスプーンを入れたりすると危険なので、絶対にやらないようにしましょう。

離乳中期(生後7、8ヶ月頃が目安)

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生後7、8ヶ月頃を目安に赤ちゃんが離乳食を上手にゴックンと飲み込めるようになったら、離乳中期へ進みましょう。以前はモグモグ期とも呼ばれ、赤ちゃんが舌で食べ物を潰して、モグモグと食べれるように練習する時期です。

離乳中期は舌で潰せる「豆腐」くらいの固さを目安に

離乳中期の食材は、赤ちゃんが舌で潰しやすい固さを目安に調理してください。豆腐くらいの固さをイメージして、少しかたまりが残るように調理しましょう。おかゆは5倍~7倍がゆ、にんじんなどの野菜は、茹でたあとみじん切りにしたり、粗く潰したりしましょう。魚は茹でたあとにほぐすと調理しやすくなります。離乳中期は初期に比べると調理しやすくなる食材もあるため、パパママは少し楽になるでしょう。

離乳中期は離乳食の回数を1日2回に

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離乳中期は赤ちゃんの食事の回数を1日2回に増やし、食事のリズムをつけていきます。離乳食の量は、2回とも同じ量をあげるように心がけてください。赤ちゃんの様子を見て、体調がよくない場合は、無理をせず離乳食を休んでください。

この頃の赤ちゃんは、消化・吸収する力が弱いため、食材が便にそのまま出てくることがあります。便の状態を見て、下痢でなければ離乳食を続けても問題ありません。離乳中期では、赤ちゃんが欲しがれば母乳やミルクをあげても問題ありませんが、離乳食をあげる時間にお腹が空くように、時間や量を考えてあげましょう。

離乳中期は献立の栄養バランスを意識する

離乳中期は食事から栄養をとる割合が多くなるので、栄養バランスの取れた離乳食の献立を考えましょう。例えば、「にんじんとほうれん草のあんかけご飯(おかゆ)+しらす&トマトの和え物」など、炭水化物、ビタミン、タンパク質を揃えた離乳食メニューを心がけてください。

毎回違う離乳食の献立を考えることは、忙しい育児の中で非常に大変です。離乳中期になると、赤ちゃんが食べられる食材が増えるので、大人用の料理から味付け前の食材を使い回すこともできます。離乳食用に食材を冷凍ストックしておくと、温めて混ぜるだけで1品完成させられます。パパママの負担が減るよう、離乳食作りを工夫してください。

離乳中期から赤ちゃんに食べさせていい食材

種類 食材 炭水化物 米(5~7倍がゆ)、コーンフレーク タンパク質 鮭、まぐろ(赤身)、ツナ缶、レバー、鶏肉 野菜・いも類 ピーマン、もやし、里芋、いんげん、きのこ 果物 ぶどう 卵・乳製品 卵(卵黄1〜全卵1/3)、牛乳、ヨーグルト、チーズ 海藻 焼きのり、ひじき

離乳中期のポイント1:赤ちゃんがモグモグできているかチェック

離乳中期の赤ちゃんは、離乳食を口に入れると舌で上あごに押し付けて食べるようになります。赤ちゃんが1人でお座りできるようになったら、安定した姿勢で離乳食を食べられるようにベビーチェアを使うといいでしょう。

また、赤ちゃんが離乳食を丸飲みしていることもあるので、「モグモグしてるかな?」と声を掛けたり、パパママが口を動かす動作を実際に見せたりして、赤ちゃんが口の中で離乳食をモグモグ潰せるように促しましょう。

離乳食におすすめなベビーチェア:Maydolly(メイドリ) 赤ちゃん用多機能 ベビーチェア

生後6ヶ月~6歳まで成長に合わせて使えます。背面にティッシュボックスがあるので、汚れた時にサッとウェットティッシュ取り出せて助かりますね。かわいらしいクマのデザインで、赤ちゃんも喜んでくれそうです。

カトージ プレミアムベビーチェア ナチュラル 7ヶ月~ 22947

前ガードと安全ベルトが付いているので、赤ちゃんをしっかり固定できます。座面とステップの高さを調節すれば、大きくなっても使えます。テーブルを使わない時は後ろに回せるので、ダイニングテーブルにもすっきり収まります。ナチュラルなデザインなので、インテリアにこだわりたいパパママにもおすすめです。

離乳中期のポイント2:赤ちゃんに素材の味を慣れさせる

赤ちゃんの味覚が発達途中のうちは、素材の味を覚えてもらうことが大切です。離乳食の味に飽きさせないために、調味料を使って味付けの幅を広げてもいいでしょう。離乳中期では、味付けは風味づけ程度にとどめてください。