最近「社内ストーカー」という行為が増えているそうです。社内での付きまといや、監視、待ち伏せなど、は珍しい事例ではないようです。今回は近年増える社内ストーカーの実態や、被害にあった時のどうすればいいのかをご紹介します。
1.社内ストーカーとは?
警視庁の調査では、ストーカー被害者の8割以上が女性であり、加害者は過去に付き合っていた男性が最も多いのですが、次に多いのが「職場の関係者」なんです。
出典:警視庁 ストーカー事案の概況
社内ストーカーは、社内やアルバイト先で不必要に近づいてきたり、帰宅時間や行動を監視される行為です。
【社内ストーカー例】
・いつも目が合う、いつも視線を感じる
・シフトを合わせてくる
・業務外の連絡を何回もしてくる
・離席するタイミングを合わせてくる
特に私用携帯を使用して連絡を取り合うという会社では、簡単に連絡先を手に入れることができるため、業務外の連絡が頻繁にきたり、SNSを監視されることが起こりやすい環境で、加害者のほとんどは恋愛感情を持って近づいているため罪の意識は薄いのです。
しかし、職場で波風を立てたくないという思いから、誰にも相談せずに我慢をしている女性は少なくありません。ですが、ストーカーを放っておくのは危険です。なぜならストーカー行為は、放っておくとどんどんエスカレートしていくケースが多いからです。
2.社内ストーカーされたときの対処法
初期の段階では毅然とした態度で接する
視線を感じる、好意を伝えるメールが送られてくる、プレゼントされるなど初期の段階では、毅然とした態度で「迷惑だ」という気持ちを伝えることです。
この時点ではストーカーと判断しにくいことも多いのですが、あやふやな態度をとると自分に気があると思い込んで好意がエスカレートすることがあります。
仕事以外の会話はしない、社内で二人きりにならない、食事などに誘われたらきっぱりと断るなど「あなたには関心がない、迷惑だ」と自分の意志を伝えることで相手が諦めて、ストーカー行為が止まることがあります。
エスカレートしてきたら証拠を集めて会社に報告
相手が諦めず「何度もしつこく電話やメール、SNSなどで連絡が来る」「待ち伏せされる」「つきあってくれとしつこく迫られる」「つきまとわれる」など、ストーカー行為がエスカレートしてきたら、証拠を集めて上司など会社に相談しましょう。
この時点では、こちらからハッキリと迷惑だなどの意思表示をする段階は過ぎました。拒否されたことで逆上し、相手の行為の危険度が増す可能性があるので、できるかぎり関わらないことです。そして上司など第三者を通じて対処してもらいましょう。
第三者に相談する際には、ストーカー被害に遭っている証拠となるものがあると対処して貰いやすくなります。相手からの電話やメール、SNSは記録しておきましょう。つきまといや待ち伏せなどのストーカー行為を受けたら、日付と時間とともにその内容を記録しておきましょう。
しかし頑張って証拠を集めて上司に相談しても、職場によってはまともに対応してもらえないこともあります。このような場合は、その証拠を持って警察や弁護士などの専門家に相談してください。
脅迫などさらにエスカレートして危険を感じたら警察へ
自宅の近くで監視される、脅迫されるなど身の危険を感じるほどエスカレートしているなら、即座に警察に相談しましょう。このときも、集めた証拠やメモを持参してくだささい。
ストーカー行為は、初期から徐々にエスカレートしていく傾向があります。どの段階においても、一人で悩まないことです。何となく視線を感じる…などの初期的な状況では「自意識過剰かな?」と迷うことがあるかも知れません。しかし、少しでも怪しいと感じたら、友人や同僚、家族にそのことを伝えて相談しましょう。
警察に相談すると、どのような自己防衛をすればいいのかなどの具体的なアドバイス、自宅周辺の警備を強化、警告や禁止令の申し出などの対応策をとってくれます。
また警察庁では、ストーカー被害防止のためのポータルサイト「Cafe Mizen」を解説し、ストーカー行為に悩む人に向けてさまざまな情報を発信しています。こちらも、ぜひ参考にしてください。