居住用マンションのエントランスで、さまざまなサポートをしてくれるマンションコンシェルジュ。
都市部や100戸以上の大規模マンションなどには、コンシェルジュサービスがついているところが増えてきています。
それもあってか、パート探しをしていると、コンシェルジュの求人をよく見かけるようになりました。
ところで、どうしてパート主婦が多く募集されているのでしょうか?
また、マンションコンシェルジュと、企業受付のお仕事とは何か違うのでしょうか。
今回は主婦も多く活躍するマンション・コンシェルジュのお仕事について、ご紹介します!
コンシェルジュのお仕事とは?
マンションのエントランスに入った正面、まるでホテルのフロントのような場所に配置されていることが多い、コンシェルジュ。
企業でいえば受付、まさに”マンションの顔”となる場所でのお仕事です。
といってもオフィスとは違い、コンシェルジュが対応するのは、そこに住んでいる居住者の方々です。
コンシェルジュの職場の多くは世帯向け、個人向けの住宅用マンションでのお仕事になります。
ビジネスユースメインに使われているマンションの場合は、来客対応や、共有会議室の予約などもありますが、そういったマンションは多くはありません。
具体的にお仕事をチェック!意外とやることが幅広い!?
コンシェルジュのお仕事は具体的にどんなことをするのでしょうか?
パート募集求人が多い「一般的な家族向けマンションにおけるコンシェルジュ」のお仕事内容について見てみましょう!
住居向けマンションのコンシェルジュのお仕事をひとつずつ、詳細に見ていきましょう。
宅配便の手配
住人から宅急便の発送を依頼されたら、サイズを測り、お会計をして荷物を預かります。
マンションが契約している宅配業者が集荷に来たら、預かった荷物を発送します。
マンション留めの荷物を預かることもあります。
クリーニングの手配
クリーニングの代理窓口業務です。
住人からクリーニングを依頼されたら、衣類を預かり、伝票を作成し、出入りのクリーニング業者に衣類を引き渡します。
クリーニングがあがってきたら、住人に知らせて引き取りをお願いし、会計をします。
ポイントカードの管理をすることもあります。
タクシーの手配
住民にタクシー・ハイヤーの手配を頼まれたら、契約している会社に配車を連絡します。
マンションによってタクシーを止めてよい場所が決まっているので、気を付けておくようにしましょう。
修理、修繕の手配
住民の方から、電気系統や水回りなどのトラブルの連絡があったら、速やかに管理会社・不動産会社などに連絡して対応してもらいます。
コンシェルジュが直接修繕するようなものはまずありませんが、緊急時の連絡先などがマニュアルで決められていますので、それに沿って住民のサポートをします。
大型ごみ券、ごみ袋などの販売
地方自治体で定められている大型ごみ処理券、ごみ袋や切手などをコンシェルジュが代理で販売しているマンションは多いようです。足りなくなったら買いに行くこともあります。
来客用駐車場の管理や手配
ゲスト用の駐車場スペースの予約や管理、会計をおこないます。
お盆やお正月は帰省客などで立て込むこともあるので、注意が必要です。
パーティールーム・ゲストルームなど共有設備の予約受付
ゲストルームがあるマンションは、予約管理や会計などをおこないます。
特にクリスマスなどの繁忙期は、部屋の使用希望が重なり抽選になることもあり、抽選会の運営もコンシェルジュのお仕事となる場合が多いようです。
訪問客の対応
マンションへの訪問者対応や、不在の住人宅への訪問者対応などをおこないます。
営業の業者はお断りし、生協や宅配便など必要な訪問者は中に入れる、などの判断をします。
そのほか、付随する事務作業
駐車場やゲストルームなどの貸し出し管理表や、申込用紙などの作成、ファイリングなどをおこないます。
そのほか、住人へのお知らせの作成や、ポストへの投函、外部からのメール対応や、電話対応を行います。
窓口で預かった現金の管理も必要です。
これらを見るとおわかりのとおり、コンシェルジュの仕事は単なる受付業務だけではありません。
オフィスで言えば総務・庶務のようなオールラウンダーといった傾向があるお仕事です。
会計から来客対応、電話対応や表作成などPCを使った業務もあるので、一般事務で培ったビジネススキルがとても役立ちます。
ホテルの受付や、企業受付の経験がある方にはもちろんですが、事務職・営業職を経験して、結婚・出産・育児などにより仕事から離れていたママさんの復職には、コンシェルジュのお仕事はおすすめです。
コンシェルジュの勤務時間帯、雇用形態は?
コンシェルジュのお仕事は主婦のパート先にピッタリ!といいましたが、その理由は仕事内容だけでなく、雇用形態にもあります。
たいていの場合、コンシェルジュは管理会社や派遣会社に所属して、そこから各マンションに派遣されることになります。
そのため派遣社員やパート社員の採用が多く、シフト制で主婦が働きやすい時間帯も選びやすくなっています。
また、ひとつのマンションにコンシェルジュは常時1~2名、全員で2~4名程度の交代制のことが多いようです。
派遣会社や管理会社が抱えているマンション数が多ければ、それだけ条件の合った職場も探しやすくなり、10時~16時くらいで働きたい主婦にとっては最高の時間帯で働くことも可能です。
研修についても、在籍している派遣会社や管理会社で実施していることが多いですし、未経験でも安心!なのです。
あるコンシェルジュの一日~10時から17時勤務のスタッフさんの場合~
それでは、日中に勤務しているコンシェルジュの、基本的な一日の様子を見てみましょう。
10時:出勤
窓口はだいたい朝7~8時ごろからオープンすることが多いようです。
主婦パートの場合は10時ごろに出勤する求人も多くあります。
到着したら制服に着替えて、前日の引継ぎを確認して、ほっとひといき。
11時~13時:午前中のお仕事
宅急便やクリーニング、来客・電話・メール対応などをおこないます。
時間があればマンションの共用部のチェックをしたり、修理箇所などがあれば管理会社や警備の方と情報共有をすることも。
夕方は忙しくなりがちなので、午前中に事務作業を進めることもあります。
13時~14時:休憩
お昼休憩をとります。
職場にもよりますが、休憩スペースや、コンシェルジュルームが併設されていることがほとんどです。
14時~16時:午後のお仕事
学校から帰るお子さんやママさんがぽつぽつ帰宅し始め、マンションがにぎやかになるころです。
この時間帯は、住人の方々から宅急便の手配やゲストルームの予約などの依頼がたてこむので、しっかり窓口業務をこなします。
午前中の事務仕事をいかにしっかりやっておいたかが、この時間帯を切り抜けるポイントになります。
17時:業務終了
夜番の方か、管理の方に業務を引き継ぎ、お仕事終了です。
24時間対応をしているコンシェルジュもあります。
パートの時間帯だと、コンシェルジュのお仕事は、住人が帰宅する夕方ごろが忙しさのピークになります。
管理・警備の方々と協力して働くことが多く、マンションの設備や住民の様子など、情報を共有しながらマンションの安全に努めることも大事です。
なるほど!意外なメリット・デメリット
では、マンションコンシェルジュを仕事にするメリット・デメリットはどんなところにあるでしょうか?
体験談をあつめました。
メリット
・さまざまなタイプの居住者と接するため、人あたりが良くなったと周りから言われるようになった。また、どんな人でも対応できる、という自信がついた。
・居住者の方と付き合いが長くなり、お中元やお歳暮のおすそわけをもらうことも。旅行帰りにはクリーニング依頼とあわせて、お土産をもらうこともあります。
・研修がしっかりしているので、宅急便やクリーニングなどの手配で戸惑うことがほぼない。覚えたことが自分の生活にも役立つし、接客についてはマナーも学べる。
・家と違った自分になれる。家ではついつい気を焼いて、家族からは「うるさい」「ほっといて」なんていわれることもありますが、コンシェルジュの仕事は、気がついたことに「ありがとう」と言ってもらえる。気をまわせる自分にはぴったり。
・居住者の方のお子さんが卒業するとき、エントランスで写真を撮られていたので撮影を申し出たら、一緒に撮りましょう!と映らせてもらうことに。あの小さかった子が大きくなったと感慨深くなりました。
デメリット
・ゲスト専用駐車場に、関係者外の方が車を止めてしまうことも。注意しても無視をされたり、逆切れしてくる人もいます。
・忙しい時間帯は、どれから手を付けよう!と慌てることがあります。メモをきちんととったり、業務の整理をつけられないと、こなせないことも。
・身だしなみは重要!信頼に関わるので、暑い日はこまめに髪をまとめなおしたり、お化粧直しをすることもあります。
・仕事終わりのギリギリの時間に宅急便の手配を頼まれることがあります。残業が絶対ムリ!という状況だと、厳しいかも。
トラブルがあった場合には、上司や管理会社に相談をして乗り切っている方が多いようです。
コンシェルジュの仕事で気を付けることは?向いている人
では、マンションコンシェルジュのお仕事はどんな人に向いているのでしょうか?
コンシェルジュのお仕事は住民相手がメインなので、ふつうの会社受付と違うこともあります。
お仕事をする上で気をつけたいことを、実際に仕事をしていた方の体験談を交えてまとめてみました。
・住民のプライベートを絶対に口外しない
業務上、住民のプライバシーに接する機会も出てきます。
家族構成やお勤め先、ペットの有無などを自然と知ることもあるでしょう。
それ自体は悪いことではありません。むしろ双方のプラスになることも多いのですが、それを他人に話すのは絶対にNG。
自宅最寄りの職場を希望しても、生活範囲が近すぎるということで、隣市のマンションに配属になったという方はけっこういるようです。
・著名人が住んでいることもある
配属先のマンションに、芸能人やコメンテーター、作家など著名人が住んでいる場合もあります。
その場合でも絶対に騒いだり、規定以上の特別扱いはしないこと。
誰が来ても冷静に業務に接することができる、真摯な姿勢が求められます。
また、情報漏洩には特に気を使います。
実際に働いていた人によると、配属のときに著名人がいることについて説明を受けるようです。
・千差万別、多様なパターンの来客対応
オフィスの受付と違い、マンションにはいろいろな人が来ます。
例えばセールスの人がアポイントなしにマンションに入ろうとしたり、住民にあまり歓迎されないような来客もあるようです。
そういう来客には毅然とした態度で「NO」と言える胆力が必要とされます。
また、外国のお客様が多い立地では、簡単な英会話ができると◎。
マンションを間違えて、交番のように道を尋ねられたという経験をした人もいるようです。
・距離感や言葉遣いなどで戸惑うことがある
マンションにはご老人や子ども、赤ちゃん連れなどさまざまな家族形態があります。
そのため、接する人の年代も多種多様。
「お子さんが小学校に通う時に『いってらっしゃいませ』と声をかけるべき?それとも『いってらっしゃい』と声をかけるべき? あれ? 敬語はどうしたらいいの?」
「住民の方が大型ごみの出し方で困ってるみたい……でも声を掛けられるまで、知らんふりをするべき? 距離感はどうしたらいいのだろう。」
コンシェルジュの仕事を始めると、最初はこんなふうに戸惑ってしまうことが多いのだとか。
住人の雰囲気や、同僚や管理人などの様子を見ているうちに、だんだん周囲と歩調を合わせられるようになるようです。
まとめ
コンシェルジュのお仕事は多種多様!ビジネススキルや、コミュニケーション能力、臨機応変に物事に対応できる柔軟性が求められます。
住民のプライベートにかかわる仕事なだけに、主婦のコミュニケーション能力や、家庭で培った段取り力が活かせます。
とあるマンションでコンシェルジュをしていた女性のお話ですが「家庭の都合でそのマンションを去るとき、住人の子どもたちからお花をもらった」というエピソードもありました。
コンシェルジュは住民の生活に寄り添いながらサポートするため、難しいお仕事ですが、とてもやりがいのあるお仕事です。
興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
提供・しゅふJOBナビ
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