オーストラリアが春を迎える10月中旬から街を淡い紫色に染める花「ジャカランダ」は、地元民にとっては「桜のような存在」です。シドニーに数ある美しいジャカランダが見られるエリアの中でも、特に有名な「キリビリ」のおすすめスポットと、一緒にブランチが楽しめる素敵なカフェをご紹介します。
オーストラリアの桜「ジャカランダ（Jacaranda）」
日本ではあまり耳慣れない花「ジャカランダ（Jacaranda）」は、ブラジル原産のノウゼンカズラ科キリモドキ属の高木です。主に温暖な気候の地域で見られ、オーストラリアでも春から初夏にかけて紫色の美しいベルのような形の花を咲かせます。
南半球にあるオーストラリアでは春を迎える10月中旬にこの花が咲き始め、それ見て地元民達が「春」を感じる、まさに「春を知らせる桜のような存在」です。中でもシドニーは、シティ周辺に美しいジャカランダが見られるスポットが数多く存在する「ジャカランダの首都」とも言われる場所でもあります。
同じNSW州内には、街を上げてジャカランダ・フェスティバルが行われるGrafton（グラフトン）という地域もあるほど。毎年早ければ10月中旬辺りから11月いっぱい頃まで、公園だけでなく通りの並木や民家の軒先など、街中でジャカランダの花を見ることができます。
シドニー有数のジャカランダスポット「キリビリ（Kirribilli）」
そんな春先の時期にシドニーに訪れたなら、ジャカランダを見ないわけにはいきません！美しいジャカランダスポットが点在するシドニーの中でも、特に有名なのがシドニーCBD（中央ビジネス地域）からハーバーブリッジを渡った対岸にある閑静な住宅街「キリビリ（Kirribilli）」エリアです。
シティから海を隔てて対岸にあるせいか、都会の喧騒から離れたゆったりした空気感が漂います。海岸線沿いには住宅や公園が並び、首相の二次官邸「Kirribilli House（キリビリ・ハウス）」やオーストラリア総督のシドニーの公邸「Admiralty House（アドミラルティ・ハウス）」があるのもこのエリアです。
今回はそんなキリビリ周辺にあるジャカランダスポットと、海の眺めも一緒に楽しめる近場のおすすめカフェもご紹介します。
【1】一番人気の「マクドゥーガル・ストリート」
「シドニー」「ジャカランダ」で検索すると、間違いなく上位にヒットするスポットがこの「McDougall Street（マクドゥーガル・ストリート）」。シドニーがジャカランダのメッカと言われるなら、間違いなくシドニーのジャカランダのメッカはここ、マクドゥーガル・ストリートでしょう。
「ミルソンズ・ポイント（Milsons Point）」駅から徒歩5分の閑静な住宅街にある通りには、春になると両脇のジャカランダ並木が一斉に花を咲かせます。わずか250mほどとそこまで大きな通りではありませんが、連なる木々が紫色に彩られる様子は、ただただ見事。「ジャカランダトンネル」と言われ親しまれる、まさに紫色のトンネルが広がっています。
人気スポットなだけに春になるとインスタグラマーや観光客など、美しいジャカランダをファインダーに収めようと地元だけでなく、シドニー中、オーストラリア中から人が集まります。ポートレイト写真を撮影するなら、平日の朝がオススメ。また頻繁に車が通る道でもあるので、撮影の際は車に気をつけましょうね。
マリーナのある海沿いの公園「ミルソン・パーク」
「ミルソンズ・パーク（Milson Park）」はマクドゥーガル・ストリートのすぐ脇にある公園。南東端にはヨットが停泊するキリビリ・マリーナ（Kirribilli Marina）もあり、週末になるとボートセイリングする人達が集まります。
並木の脇にはベンチや芝生のエリアが広がっているので、ジャカランダを眺めながらシートを敷いてピクニックもいいですね。公園の中央に並ぶ背の高いパームツリーとジャカランダの対比も面白いです。
近場のおすすめカフェ「フライング・ベアー」
ミルソンズ・パークの脇、キリビリ・マリーナの海の上にあるカフェが「Flying Bear（フライング・ベアー）」です。シドニー最古のヨットクラブがあった場所がカフェとレストランになっていて、1階は今でもヨットの艇庫として使われています。
ここに訪れたら是非味わって欲しいのが、海に向かって迫り出したデッキテラスの開放感。ただ週末やジャカランダのシーズン中はかなり混み合うので、席を確保するのが大変かもしれません。因みにシドニーは春先でも刺すような日差しの強さなので、シェードの無い席にはくれぐれもご注意を。
ハム＆チーズのクロワッサンやベーコン＆エッグロールの焼ける匂いが厨房から漂って来ます。ガラスケースに並べられているケーキやペイストリーも美味しそうです。
お花見の休憩に訪れるのもいいですし、店内が混んでいたらここでペイストリーやサンドイッチ、コーヒーをテイクアウェイして、ミルソンズ・パークの木陰に座って並木のジャカランダを眺めながらブランチもおすすめです。
