赤い服をまとった天使!?「動く観光案内所」のガイドって?
人気ショッピングスポット・明洞(ミョンドン)や東大門(トンデムン)、お洒落な街・カロスキルなど、ソウルの主要観光地で赤いユニフォームを着た人たちを見かけたことはありませんか?地図を片手にニコニコと親切に道案内をしてくれる彼らの正体は、ソウル特別市観光協会所属「動く観光案内所」のガイドスタッフ。お店や宿泊施設が見つからなかったり迷子、落し物で困った時などに助けてくれる、まさに旅行者の強い味方!職員とボランティアで構成されており、ボランティアの場合は週1回、3ヶ月以上活動できれば誰でも応募可能です。
職員(左)とボランティアではユニフォームに違いあり
このようなサービスが始まったきっかけは、2008年韓国観光公社が外国人観光客を対象に行なったアンケート調査で「コミュニケーションに不便を感じる」という結果が出たことから。これまでの一般的な「観光案内所」の限界を超え、「中から外へ」という発想の下、2009年1月30日に明洞で1つ目の「動く観光案内所」が始動。施行から3ヶ月で2万件近くのサービスを記録し、南大門(ナンデムン)市場や東大門市場、梨泰院(イテウォン)と拡大していき、2015年11月現在10ヶ所のエリアで運営しています。
明洞「動く観光案内所」スタッフの1日は?
9:10 出勤
9:30 1時間ごとに外勤・内勤を繰り返し
12:30 お昼休憩(60分)
13:30 1時間ごとに外勤・内勤を繰り返し
18:30 お疲れ様でした!
今回は日本人観光客に人気の明洞で働く「動く観光案内所」スタッフの1日に密着!明洞の勤務時間はA(9:30~18:30)とB(10:30~19:30)の2交代制で、1週間ごとに代わります。屋外で1時間ガイド、室内で1時間待機を繰り返し案内ガイドとしての実働時間は1日5時間(悪天候の場合など、日により多少変動)。待機の際はただ休憩するのではなく、事務所で観光情報を覚え、旅行者から聞かれた内容をメモしておくなどして次に備えています。
さらに明洞事務所では新人教育を総括して行っており、1ヶ月の研修期間中は観光に関する知識や言語の指導(写真右下)、旅行者とガイド役に分かれ実践さながらのロールプレイングを通してスキルアップを促し、他の事務所へと送り出す重要な役割を担っています。
「NANTA(ナンタ) 明洞劇場」のあるユネスコ会館5階に位置する事務所
日本語ネイティブ・ゆうすけさん(左)による日本語指導
カバンに地図を入れ、いざ出発!
明洞は移り変わりが激しいため、お店の閉店・移転や休業情報などを勤務開始前に必ずチェック!
専用のカバンに各国の地図とパンフレットを補充し、いざ旅行者のいる街中へ
素早くかつ丁寧に場所をご案内
人通りの多い「ウリ銀行 明洞金融センター前」が定位置
案内場所が見える位置にある場合は、手で方角を示しながら説明
基本的に担当言語以外でも日本語・英語・中国語に対応
旅行者の求める情報をすばやくキャッチして伝えます
地図に場所や目印となるスポットを記しながら分かりやすく説明
その日案内した内容や共有すべきことなどをまとめ
屋外での業務後、毎回案内した旅行者や場所などをメモ
メモしておいた内容は、退勤前にパソコンで整理
月に1度、旅行者の立場になってみる!
自分の知らない場所について説明するのはどうもすっきりしないものですが、実際に出向いて自分の目で確かめておけば、正確に自信を持って案内することができます。そのため、業務の一環として月に1度は主要観光地へ繰り出したり、ソウルシティツアーバスに乗ったり、各種公演を観覧したりと旅行者の気分になって観光する時間を設けています。
ソウルシティーツアーバス
NANTA公演
実際に利用した日本人旅行者に突撃インタビュー!
左:えまさん(10代)、右:めいさん(20代)
母と一緒に3回目となる母娘3人ソウル旅中。下調べはあまりしないので、ガイドの方を見かけるとどんどん聞いています!今回はオススメの食堂をいくつか教えてもらいました。本当に頼りになる存在です。
かずひろさん(70代)
「ロワジールホテルソウル明洞」や「世宗(セジョン)ホテル」など明洞エリアに泊まることが多いのでこの辺りは詳しい方なんですが、観光案内所の位置が分からず質問してみました。通りがけに聞けて便利ですね。
中央:ちよみさん、右:じゅんこさん(50代)
お目当てのグルメ店とカフェがあったので、行き方を教えてもらいました。実は以前にも利用したことがあります。地図を指差しながら丁寧に説明してくれて、とても分かりやすかったです!
素晴らしい旅行の手助けができる、やりがいのある仕事!
(左から)ユヌさん、ミンジンさん、ゆうすけさん
今回の撮影にご協力いただいたのは、日本語担当のゆうすけさんとミンジンさん、そして中国語担当のユヌさん。「動く観光案内所」のガイドは雨の日も風の日も天候に関わりなく街中で案内し、最新の観光情報を把握するため努力し続けるなど決して簡単ではない仕事ですが、3人とも「みなさんからありがとうと言われると、とてもやりがいを感じます」と語る姿が印象的でした。
それぞれ担当以外の言語でもある程度対応でき、ユヌさんは日本語での道案内もばっちり。今まで接した日本人観光客については「道1つ聞くのにも本当に丁寧でいつも感心してしまいます」とコメント。 恥ずかしくて聞きづらかったり、有料かと思い避けてしまいがちですが、「動く観光案内所」スタッフを見かけたら勇気を出してどんどん利用してみましょう!
提供・韓国旅行コネスト
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