阿蘇では約27万年前から噴火が繰り返され、巨大カルデラという独特の地形ができました。その噴火に伴い、水を通しやすい堆積層が形成されました。雨水はこの堆積層でろ過され、湧き水となります。このメカニズムで、熊本には美しすぎる湧水地が数多く存在するのです。本記事では特におすすめの6スポットをご紹介していきます！
阿蘇では約27万年前から噴火が繰り返され、巨大カルデラという独特の地形ができました。その噴火に伴い、水を通しやすい堆積層が形成されました。雨水はこの堆積層でろ過され、湧き水となります。このメカニズムで、熊本には美しすぎる湧水地が数多く存在するのです。本記事では特におすすめの6スポットをご紹介していきます！
【1】池山水源
- 写真：Sosyu Kikuchi阿蘇郡産山村 池山水源
池山水源とは、九重火山（くじゅうかざん）に降った雨が、山麓（さんろく）に湧き出した湧泉です。山麓とは、山のふもとや山すそを指します。標高は780メートルとされています。くねくねした山道の途中にあり、まるで秘密基地のような場所に存在しています。
- 写真：Sosyu Kikuchi水温は年中13.5度、毎分30トンの湧水
水温は年間をとおして13.5度で、毎分30トンもの豊富な湧水が湧き出ています。池山水源の水は玉来川（たまらいがわ）を経由し、大野川に流れます。その後大分県の別府湾へと注ぎ込みます。
- 写真：Sosyu Kikuchi昭和の名水百選
当時の環境庁により、昭和の名水百選に選ばれています。その他、熊本名水百選、熊本緑の百選にも認定されています。水神様をまつり、毎年8月5日が祭日と定められ、地域ではお祭りが続けられているそうです。緑が深く、川の流れと鳥の声だけが聞こえる、まさに秘境です。
- 写真：Sosyu Kikuchiジブリ映画『もののけ姫』に出てきそうな森
池山水源には魅力的なエピソードがあります。昭和51年（2019年現在から43年前）、たまたま池を清掃中、池の底から一体の水神様が掘り出されたそうです。これは、約200年前この地区を襲った大水害の際に流失し、姿を消したものだと思われているそうです。
- 写真：Sosyu Kikuchi飛び石のような楽しい仕掛けも
- 写真：Sosyu Kikuchi湧水から先は川になっていく
一度無くなったと思われた水神様のあと、新しく水神を建立し、祭祀としていたそうです。しかし、かつての水神様が再度掘り出されたことにより、「二体の神」が池山水源を守るようになったのだとか。こんこんと静かに湧き出る水に、感動すること間違いなしのスポットです。
●エリア…阿蘇郡産山村
●現地までの山道難易度…高
●散策時間目安…約30分
●入場料…無料
●水汲場…あり
●駐車場…あり
●売店…あり
●一言…「リアルもののけ姫の世界」
【2】白川水源
- 写真：Sosyu Kikuchi阿蘇郡南阿蘇村 白川水源
白川水源は、南阿蘇村の町中に位置する湧水スポットです。アクセスもよく、南阿蘇村観光の中心地にありますので、ぜひ立ち寄っておくことをおすすめします。
- 写真：Sosyu Kikuchi毎分約60トンの湧水
「阿蘇五岳」の南山麓にあり、毎分約60トンもの湧水量を誇ります。ちなみに「阿蘇五岳」とは、根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳の総称で、阿蘇の巨大カルデラを取り巻く山々を指します。中岳は五岳のなかで、現在も唯一噴火活動を続ける山です。
- 写真：Sosyu Kikuchi年間を通し水は約14度に保たれる
水温は年間をとおし、約14度と一定です。これにより夏はより冷たく、冬はあたたかく感じることができるのです。水源地を見ると、その透明感に圧倒されてしまいます。勢いよく湧いているため、地底の砂がゆらゆらしています。
- 写真：Sosyu Kikuchi白川水源は吉見神社と同じ敷地にある
湧水地と同じ敷地には、白川吉見神社があります。阿蘇神社の末社で、古来より白川水源の守護神として崇められています。また、地域の特産品が購入できる、南阿蘇村物産館も併設されており、ショッピングを楽しむこともできます。
●エリア…阿蘇郡南阿蘇村
●現地までの山道難易度…低
●散策時間目安…約20分
●入場料…100円
●水汲場…あり
●駐車場…あり
●売店…あり
●一言…「見ているだけで目が良くなりそう」
【3】菊池渓谷
- 写真：Sosyu Kikuchi菊池市 菊池水源
かつては「菊池水源」とも呼ばれていましたが、昭和37年に「菊池渓谷」へと名称変更をしました。菊池渓谷は、「菊池川源流地帯」を指しています。
- 写真：Sosyu Kikuchi気持ちがよいハイキングコース
標高500～800メートルの山に位置しており、気持ちの良いハイキングを堪能することができます。遊歩道も整備されており、歩きやすい道のりのため、気軽に訪問することができます。とはいえ、スニーカー着用など、基本的な装備はきちんとするようにしましょう。
- 写真：Sosyu Kikuchi豪快な「淵」が楽しい
菊池渓谷の見どころは多く、滝が三つ、淵（水が留まっている場所）、瀬（川が浅くなっている場所）、河原など盛りだくさんです。日本の滝百選に選定されており、滑り台のような珍しい形をしている「四十三万滝」もコース内で見学することができます。
- 写真：Sosyu Kikuchiベストシーズンは夏と秋
- 写真：Sosyu Kikuchi近くに飲食店はないのでご注意を
終始美しい菊池川の隣を歩くことが出来て、リフレッシュにぴったりなネイチャースポットです。おすすめシーズンは緑が映える夏、そして紅葉が美しい秋です。
- 写真：Sosyu Kikuchi菊池市ではカヤック体験もできる
菊池渓谷について、より詳しくリサーチされたい方は、下記の記事をご参照下さい。同市内ではエメラルドブルーの湖でカヤック体験をすることも可能ですよ！
●エリア…菊池市
●現地までの山道難易度…中
●散策時間目安…約1時間
●入場料…100円
●水汲場…なし
●駐車場…あり
●売店…あり（12/1～3/31までは自動販売機のみ）
●一言…「ダイナミック過ぎて自分が小人のようだ」
【4】明神池名水公園
- 写真：Sosyu Kikuchi阿蘇郡南阿蘇村 明神池名水公園
公園内にある湧水地は、平成の名水百選「南阿蘇村湧水群」のひとつとして知られています。
- 写真：Sosyu Kikuchi明神池には河童伝説があるらしい
こちらの湧水地は、かつては湖でしたが、昭和28年の大水害で土壌が堆積し、湿原地状態になったとされています。しかしその後、平成2年に改修し、再び湖が形成されたのだとか。
- 写真：Sosyu Kikuchi毎分約2トンが湧き出ており、「安産」に効くとされる
鯉が泳いでいますが水が透明すぎるので、まるで浮かんでいるように見えます。近年岐阜県関市で「モネの池」と呼ばれる池が話題を呼んでいますが、ここでも似たような景色を堪能することができます。
- 写真：Sosyu Kikuchi産神をおまつりした群塚神社
また、こちらの水は飲むと安産に効果があるとされ、別名「誕生水」とも呼ばれています。湧水地の近くには、群塚神社という産神をまつった神社もあります。湧水量は毎分約2トンです。筆者も水を頂きましたが、滑らかで、コクがあるようなお味でした。
●エリア…阿蘇郡南阿蘇村
●現地までの山道難易度…低
●散策時間目安…約15分
●入場料…無料
●水汲場…あり
●駐車場…あり
●売店…なし
●一言…「忘れられない水の味」
