子供の教育費は一人あたり平均1500万円必要になると耳にしたことはありませんか? 本当にそれだけ貯金しておく必要があるのでしょうか? 子供の進学まとまってかかるお金は、事前に準備しておくと安心です。子供の教育費を貯める方法はどんなものがあるのかもご紹介します。
子供の教育費の平均額は? いくらくらいかかるの?
幼稚園、小学校、中学校、高校の教育費を公立・私立別にまとめてみました
公立 私立 幼稚園(3年間) 70万2000円 144万7,000円 小学校(6年間) 193万3,310円 916万9,422円 中学校(3年間) 143万5,662円 398万799円 高校(3年間) 135万2,586円 312万504円 高校までの教育費の合計 542万3,399円 1771万7,901円
※2016年 文部科学省「子供の学習費調査の結果について」より抜粋 子供にかかる教育費については下記リンク先で紹介している記事で詳しく紹介しているので、こちらでは概要だけを紹介しますね。幼稚園、小学校、中学校、高校までにかかる教育費について、公立、私立別に平均金額を表にまとめてみました。すべて公立で幼稚園~高校まで通った場合の教育費が約542万円、すべて私立の場合は1771万円もかかってしまいます。
保育園の保育料について
世帯年収 年収400万円の家庭 年収600万円の家庭 年収800万円の家庭 0~5歳での保育料合計 67万800円 114万2400円 170万400円
幼稚園ではなく、保育園に子供を通わせた場合はパパママの世帯年収や子供の年齢によって保育料が変わるため、別に紹介しておきますね。認可保育園の場合には、パパママの世帯年収や子供の年齢に応じて保育料が決まるため公立・私立で金額の差はありません。認可外保育園に通った場合は上記金額より高額な保育料がかかると考えた方がいいでしょう。ただし、2019年10月から幼稚園や保育園にかかる費用の一部を国が補助してくれる幼保無償化がスタート予定です。幼保無償化で補助される費用については上記表の金額からは減額していません。幼保無償化については下記記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
大学の授業料は4年(6年)でいくらかかるの?
種別 教育費の4年間(6年間)の総額 国公立 文系 242万5,000円 理系 242万5,000円 医学部(6年制) 349万7,000円 私立 文系 396万6000円 理系 539万9000円 医学部(6年制) 2337万4000円
大学の授業料は国公立か私立か、理系・文系で複雑に違うため、高校までの教育費とは別に紹介しますね。私立大の医学部だけ突出して授業料が高くなっていますが、医学部に通う子供はあまりいないでしょうから、あまり気にしなくていいでしょう。大学生の7割は私立大学に通う子供なので、教育費を計算するときは私立大学で計算した方が現実的です。また、昔と比べて理系学部の人気が高まっているので、授業料が高い私立大学理系で大学にかかる費用を考えた方がいいのではないでしょうか。
結局、大学卒業までの教育費はいくらなの?
上で紹介した記事「幼稚園から大学までの教育費の総額っていくら?」では、各教育課程でかかる費用、塾の月謝、教育費以外に子供にかかる費用についても紹介しました。細かな解説はそちらの記事をご覧いただくとして、単純な教育費で見ると子供が私立の学校に通うかどうかで約800万円~2300万円までの幅が出てきます(子供が医学部に通う場合を除く)。一般的には子供1人あたりの教育費は総額で1500万円などと言われます。平均的な大学までの教育費で見ると確かに1500万円くらいに落ち着くかもしれませんが、いつから子供を私立に通わせたいのか、大学は理系学部に通うのか、などを子供の成長を見ながら各家庭で考えて教育費を想定した方がいいでしょう。
2020年4月から大学の授業料が無償化? 返済不要の奨学金も?
2019年5月10日に成立した「子ども・子育て支援法改正案」では、2020年4月から大学の授業料の無償化や返済不要の奨学金の拡充を行うと決まっています。大学の授業料については低所得世帯に限った減免措置のため、すべての子供が授業料減免を受けられるわけではありません。ただ、授業料の減免や返済不要な給付型奨学金制度があれば、家庭の事情で大学進学をあきらめる子供が減り、少しでも平等な教育機会が子供に与えられるようになるのではないでしょうか。
子供の教育費は毎月いくら貯金すればいいの?
上までの章で「子供の教育費の総額は800万円~2300万円」と紹介しましたが、だからと言ってその金額を貯金する必要はありません。学校の授業料は毎月の家計から出ていくものなので、毎月の家計から無理なく支払える金額はそもそも貯金する必要がないのです。では、子供の将来の教育費のために貯金しておくべき内容とは何なのでしょうか。簡単に言えば「将来の家計を超える出費」、「特別に出費が多くなる時期」や「想定外の出費」に備えて貯金しておきましょう、ということになります。具体的な例をあげると…
- 学校の入学金
- 大学受験などの試験料
- 大学入学後の子供の1人暮らし
- 仕送り費用
- 子供の留学費用
- パパママの定年後に子供が学校に通う場合の教育費用
中学、高校、大学などの初年度に多めにかかる費用 などですね。入学金などは子供がお受験や中学受験をするかどうか、でも費用が変わってきます。子供のために貯金が必要かもしれない費用について、参考までに平均額を調査してみました。
項目 費用 私立小学校の入学金 30万円前後 私立中学校の受験費用 2万円前後/校 私立中学校の入学金 25万円前後 私立大学の受験費用 3万円前後/校 私立大学の入学金 20~30万円/校 大学生の子供への仕送り平均 100~150万円/年
代表的な例についてざっと調べてみた結果が上記表になります。この他、子供が留学するとなったら年に何百万円もかかる場合もあるでしょう。パパママが定年後に子供が大学に通うとなると、さらに何百万円も貯金しておく必要があるかもしれません(※)。「結局、我が家はいくら教育費を貯金すればいいの?」と言う質問をよく受けますが、貯金が必要な金額はパパママの年齢や年収、子供の数、子供の進路によってさまざまで、一概にいくらとは言えません。詳細に教育費などの貯金金額を計算したい場合はファイナンシャルプランナーなどに相談するのもいいでしょう。 ※2020年4月から実施予定の大学無償化では両親が定年で無収入の場合、授業料の減免措置を受けられる可能性があります。
ただ、どの家庭にも共通することが多いのは「教育費の貯金は子供が大学に通うのに備えて」の場合が多くあることでしょう。大学に通うためには、入学金などを含め初年度にまとまったお金が必要になってきます。初年度に掛かる費用は国立大学では81万8,000円、私立文科系では114万9,000円、理科系は149万6,000円、医歯系学部では466万5,000円という高額な費用が必要です。そのため、これらの費用を想定していつまでにいくら貯金すれば良いのかを計算し準備しておくことが必要です。大学進学はまだ先のことかもしれませんが、急にお金が必要になって焦ることのないよう進学ごとに掛かる子供の教育費の平均を把握し備えておきましょう。
子供の教育費の貯め方
では高額な教育費はどのように貯めれば良いのでしょうか? 大きく4つの貯め方をご紹介します。
学資保険で高校大学の教育費を貯める
学資保険で高校大学の学費を貯める 最もメジャーと言われる教育費の貯め方は「学資保険」で、毎月定額を貯蓄するための保険です。学資保険で重視されるのは「返戻率」ですが、これは支払った保険料と受取額の差分を表しています。そして毎月の払込料や払込期間などの条件によっては、支払った金額よりも多く受け取ることができます。学資保険は高校や大学入学のタイミングに合わせて引き出せるように設定されており、いつ引き出すかによっても返戻率は変わってきます。また、学資保険は保険商品ですので、保険料を支払っているパパママに万が一のことがあった場合を考慮し、死亡保障や医療保障もセットにできるというのも特徴です。
デメリットとしては、突発的にお金が必要となった場合に積立途中のお金は自由に引き出せないという点があります。学資保険の途中解約が可能な場合もありますが、払った金額よりも貰える金額が少なく、損をしてしまうため、一度契約したら満期まで払いきることを前提としなくてはなりません。多くの学資保険の中から、パパママの状況に合わせた最適な商品を選ぶことが大切です。
定期預金、財形貯蓄で教育費を積み立てる
財形貯蓄、定期預金で積み立てる 定期預金はおなじみですが、パパママがお勤めの会社によっては財形貯蓄といった福利厚生を取り入れている場合もあるでしょう。財形貯蓄は給与の一定額を自動的に貯蓄に回すシステムで「一般財形貯蓄」、「財形年金貯蓄」、「財形住宅貯蓄」の3種類があります。財形年金は年金代わりを目的とし、財形住宅は住宅購入を目的としているため他の用途では使えませんが、一般財形は目的を限定せず自由に使うことができます。積み立て開始から1年以上経れば、課税対象になってしまいますが自由に引き出すことができます。急にまとまったお金が必要になった場合にもフレキシブルに利用することができます。貯金が苦手なパパママは、財形貯蓄や定期預金を使って強制的に貯蓄に回すといった選択肢も有効です。
ジュニアNISAで貯金を運用して増やす
ジュニアNISAは子供の口座を使い、パパママが株や投資信託で資産運用をするといった方法となります。投資対象は上場企業や株式投資信託など決められた先となりますが、毎年80万円、最長5年間は非課税で運用できるため最大400万円まで非課税で投資ができます。投資商品の売却はいつでもできますが、売却しても子供が18歳になるまで預けたお金は引き出せないという点は注意が必要です。そのため、ジュニアNISAで運用したお金が使えるのは最短でも大学受験用となることを念頭に置いておきましょう。
児童手当を教育費として貯金する
国から支給される児童手当を教育費として貯金する方法もあります。0歳から貰える児童手当ですが、受給できる15歳の年度末まで児童手当を貰い続けた場合、最大で208万5,000円となります。このお金をコツコツ貯め続けるだけでもかなりの金額になりますね。ただし、児童手当はパパママの年収による所得制限がありますし、将来に渡って制度が続く保証はありません。
子供の教育費は幼少期から貯めておきたい!
子供の教育費は年齢が上がるにつれてどんどん膨らんでいきます。また学費以外にも大きくなれば食費も掛かりますし、友達と遊ぶお小遣いも必要となってきます。女の子であれば化粧品やお洒落に興味を持ったり、運転免許や成人式の着物が必要になったりと出費も高額になるため、貯金はどんどん難しくなっていきます。そういった点も踏まえると、子供が小さい頃からコツコツ貯めておくのが堅実でしょう。理想的には、子供が中学校に上がる前に必要な金額を貯金しておきましょう、と言われています。
なお、昔と違い、今は歳を取るほどに年収が上がる時代ではなくなっています。年功序列で給料が上がる時代ではありませんし、会社によっては50代半ばで役職定年があり、給与が下がる場合もあります。そのため、貯金が必要な場合は早め早めにためておくようにしたいですし、各家庭の身の丈を超えるような教育を子供に受けさせるのも考えなおした方がいいかもしれません。
まとめ:子供の教育費の貯金は早めにスタートしましょう
何の知識もないまま「子供の教育には1,500万円が必要」と言われるとただ焦るばかりです。しかし、必要な時期に合わせて早めに準備をしておくことで現実的な貯金になっていきます。また、教育費は早めに貯金を始めることで月々の負担を減らすことができます。子供の将来を見据えてどんな貯金プランを進めるのか、ぜひ一度パパママで話し合ってみてくださいね。 小学校をお受験するメリットとデメリットは? 国立と私立の違いは? 比較してみました
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