福島で紅葉ドライブと言えば、磐梯吾妻スカイラインがお勧め!「天空を走る道」とも呼ばれる道のりは、絶景の連続!ルート沿いには名湯もあり、ハイキングや湿原散策も可能。立ち寄りスポットや駐車場、おすすめルートもご紹介します。
磐梯吾妻(ばんだいあづま)スカイラインとは?
福島県の吾妻連峰を縫うように走る福島吾妻裏磐梯(あづまうらばんだい)線(県道70号線)の一部で、高湯(たかゆ)温泉と土湯(つちゆ)峠を結ぶ、全長約29kmの道のりです。「日本の道百選」にも選ばれており、最高地点の標高は1,622m。周辺の景色を楽しみながら走ることができる、爽快なドライブルートとなっています。
以前は有料道路でしたが、2013年から無料開放されました。通行可能期間は、例年4月上旬から11月中旬まで。11月中旬以降は冬季通行止めとなります。
磐梯吾妻スカイラインのお勧めルート
福島市と猪苗代町を結ぶ磐梯吾妻スカイラインで、ほぼ中間地点にあたるのが、磐梯朝日国立公園の一部にもなっている浄土平(じょうどだいら)です。ここにはビジターセンターやレストハウスもあり、ほとんどの方が、食事やトイレ休憩をとっています。その他、吾妻小富士(あづまこふじ)に登ったり、湿原散策の起点ともなっています。
福島側から浄土平までの道のりは、以下にご紹介しているような、景色を楽しめるスポットが多めです。そして、天空に向かって走行するような景色も、福島側からのほうがより味わえると思います。紅葉時期には渋滞が発生しやすいのですが、万が一渋滞になっても、景色を楽しめるスポットがあると、写真撮影で気がまぎれます。
以上の理由で、秋の磐梯吾妻スカイラインは、福島側から上り、猪苗代側へ下るルートがおすすめです。
吾妻八景について
吾妻八景とは、磐梯吾妻スカイラインのルート上に存在するビュースポットです。地元の新聞社・福島民報社が8ヶ所を選び、作家の井上靖氏が命名したものです。
福島市側から上ると、順に白樺の峰、つばくろ谷、天狗の庭、浄土平(じょうどだいら)、双竜の辻(そうりゅうのつじ)、湖見峠(うみみとうげ)、天風境(てんぷうきょう)、国見台とみることができます。つばくろ谷や浄土平は、駐車場なども整備されているのですが、他のスポットは、駐車スペースも狭いか、もしくは停車スペースもないところもありますので、駐停車する場合は、十分にお気を付けください。
それでは周辺のスポットも含めて、以下で順にご紹介していきます。
磐梯吾妻スカイラインの立ち寄り&絶景スポット
高湯温泉
福島市から浄土平をめざして車で30分強走ると、温泉街にでます。ここが名湯で名高い、高湯(たかゆ)温泉です。吾妻山連邦の中腹、標高750mに位置していて、白濁したお湯が特徴。山形の蔵王温泉、白布温泉とともに「奥州三高湯」と呼ばれています。
温泉街には、日帰り温泉を楽しめる高湯温泉共同浴場あったか湯(¥250)もあります。
磐梯吾妻パーキング
はじめに絶景をのぞめるのが、高湯温泉から3.5㎞ほど走り、急カーブを曲がった先にある駐車場。以前この下方には、スキー場があった場所でしたが、現在は朽ちたリフト跡が残っているだけです。
少し手前から、絶景を求めて路肩に駐停車する方を見かけますが、そこを越えてカーブを曲がった直後に、比較的広めの駐車場があります。スピードを出して走っていると、行き過ぎるのでお気を付けください。
白樺の峰
道路沿いに白い樹皮が特徴の、ダケカンバが群生しているスポットです。眼下には福島盆地が広がり、晴れていれば蔵王(ざおう)連峰や安達太良(あだたら)連峰がのぞめます。
つばくろ谷/不動沢橋
かつてイワツバメが飛び交っていたことから名付けられたつばくろ谷。不動沢橋は谷に架かる長さ170m、高さ84mの橋です。橋から見える福島市街地の景色や、橋の上からのぞき込む光景は圧巻で、紅葉時期は大人気のスポットとなります。つばくろ谷駐車場側からは不動沢橋の全景を見ることができ、フォトスポットとしておすすめです。
駐車場は、第1駐車場と第2駐車場をあわせて30台ほど。駐車場にはトイレもあります。どちらに駐車しても、橋までは2~3分歩く必要があります。
天狗の庭
高湯側入口から、10kmほどの地点にあるのが、天狗の庭と呼ばれるスポット。山岳信仰が盛んだった頃、天狗が自分の庭のように飛び回っていたという伝説が残る場所です。
展望が開けて、眼下にも遠景にも色づいた木々が美しく広がり、まるでカラフルな絨毯を敷き詰めたような絶景がひろがります。駐車スペースは路肩が少し広くなった程度で、数台分のみです。
荒涼とした景色
天狗の庭を過ぎると間もなく現れるのが、カラフルだった景色が一転する荒涼とした世界。周辺の火山噴火によって生成された火山荒原です。木々がなく火山帯独特の山肌が露出し、硫黄が強く香ります。遠くには噴煙もあがり、SNSで「まるで火星?!」と話題になるのも納得の景色です。
ここから浄土平までは間もなくですが、荒涼とした風景の中を浄土平に向かって走るルートは、まさに天空への道のように感じられます。火山性ガスの発生状況によっては、「窓を閉めて走行」「駐停車禁止」の注意がありますので、指示に従って走行してください。
※火山性ガスは24時間監視されていて、その情報は「浄土平ビジターセンター」で提供されているので、お出かけ前にご確認ください。