ポットやヤカンもない生活
その結果、予算の範囲内で入居できる6畳ワンルームのアパートが見つかり、念願の住まいを確保。 ただし、家具や家電を買い揃える余裕はなく、部屋には着替えや最低限の日用品などが入った小さなトランク1個とディスカウントストアで購入した布団しかありませんでした。 「個人的には全然望んでいないのに荷物をあまり持たないミニマリストのような生活を強いられていました。ポットもヤカンもないのでカップ麺は買い物した近くのコンビニでお湯を入れて、洗濯もすべて手洗い。 バイト代が入るたびに少しずつ買い揃え、引っ越して半年経ったころにはひと通り揃えることができましたが、新品を買えるお金はなかったため、全部リサイクルショップで用意しました」
写真はイメージです
アパートに移り住んでからは家具や家電を手に入れるため、睡眠時間を削ってバイトを増やしましたが、それでも8万円が月11万円に増えた程度。 おまけに家はバイト先や劇団の練習場所からは少し離れてしまったため、その分交通費がかかるようになり、加えて光熱費や日用品などの新たな出費も生じることに。おかげで生活は相変わらず厳しいままだったそうです。
夢をあきらめ手取り18~19万円になれた
「24歳のときに女優の道はあきらめ、劇団を辞めて派遣社員として働き始めたんですけど、それまではずっと極貧生活。 今も手取り18~19万円しかないため、都内で一人暮らしを続けるにはラクじゃありませんが、それでも過去の底辺暮らしの経験があるせいか、それほど辛く感じない(笑)。ネガティブに考えても仕方ないですし、前向きにとらえるようにしています」 一歩間違えれば、ドン底まで落ちてもおかしくなかったですが、寸前のところで回避した幸枝さん。その経験は自身にとってプラスになっているようですが、できることならこんな経験はしたくないのですね。 ―お金がない…女の生活苦シリーズ― <文/トシタカマサ>
トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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