『MIU404』での綾野剛・星野源の役は似た者同士

『コタキ兄弟と四苦八苦』を評した田幸和歌子さんは「野木作品のキーワードは分岐点」だと考え、同作をSFファンタジーだとしています。

「逃げ恥」や「アンナチュラル」の脚本の魅力とは?/『脚本家・野木亜紀子の時代』
(画像=『女子SPA!』より引用)

(画像:『コタキ兄弟と四苦八苦』公式サイト/テレビ東京より)

 そして、横川良明さんは『MIU404』に流行りの「ブロマンス」要素を見出し、伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)は正反対の凹凸コンビというより重なり合うところの多い似た者同士だと分析。  私も執筆に当たって『アンナチュラル』を見直し、野木さんが同作に込めたメッセージは展開のメインとなる猟奇的な連続殺人事件の中ではなく、ヒロインの上司役を演じた松重豊さんのさりげないセリフにあるのではないかという新しい発見をしました。詳しくは、よろしければ本をご一読あれ。

小説でいうと芥川賞も直木賞も受賞できる野木亜紀子

 そんなふうに違う視点を持った7人がこれだけの深堀りや分析をしても語り尽くせない野木亜紀子ワールド。改めて、その情報量の多さや緻密な作り込みに驚かされます。それでいて1作ごとにジャンルを替え、そのどこでも一定の結果を残している。こんな脚本家は他にはいません。

「逃げ恥」や「アンナチュラル」の脚本の魅力とは?/『脚本家・野木亜紀子の時代』
(画像=『女子SPA!』より引用)

(画像:『アンナチュラル』公式サイトより)

 成馬さんは小説に例えて『アンナチュラル』が直木賞受賞作なら、純文学的な『獣になれない私たち』は芥川賞受賞作で、「どちらのタイプも書けるということが野木の強み」だと分析しています。  そして、新作は歴史伝奇ものに挑戦した長編アニメ映画『犬王』(2022年公開)ということで、あらゆるジャンルを制覇しようとしているかのような野木亜紀子から今後も目が離せません。野木作品を見るときのヒント集として、この本を読んでもらえたら幸いです。 【小田慶子】 ライター/編集。「週刊ザテレビジョン」などの編集部を経てフリーランスに。雑誌で日本のドラマ、映画を中心にインタビュー記事などを担当。映画のオフィシャルライターを務めることも。共著に「野木亜紀子の時代」 Twitter:@eikohyper <文/小田慶子>


提供・女子SPA!



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