不妊治療は、体力や精神的な側面だけではなく、「お金がかかる」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。今回は不妊治療について、お金の側面から考えてみたいと思います。

結婚していても、結婚していなくても、「子どもはどうするの?」という会話をしたことがある人は多いのではないでしょうか。筆者自身の年齢も30代半のため「子どもどうするの?」問題には、頻繁に直面しています。

そんなある日、10歳ほど年の離れた先輩と「子どもどうするの?」問題について話したことがありました。その時に先輩は「不妊治療の助成金も40歳までに考えないとね」と話していたのです。

筆者は、この意味がピンとこなかったのですが、後からいろいろと調べてみると発見があったのです。

不妊治療といえば「お金がかかる」といったイメージが先行していますが、子どもを望む夫婦のサポートとして、国や地方自治体の助成金があります。今回は、そんな不妊治療の助成金について、紹介します。

■不妊治療にお金がもらえる?

不妊治療は、国や住んでいる自治体から費用の一部が補助される助成金制度があります。

まずは、国の助成金について見ていきましょう。

国の助成金の対象になるのは、不妊治療の中でも体外受精及び顕微受精(以下、「特定不妊治療」と記載します)についての費用です。

特定不妊治療は、健康保険が適用されず、高額の治療費がかかるため、必要な費用の一部を助成してもらうことができます。

ただし、誰でも助成金を受けれるわけではなく、以下の3つの要件を満たしている必要があります。

1.体外受精・顕微授精以外の治療法では妊娠の見込みがない、又は極めて少ないと医師に診断されている

2.法律上婚姻をしている夫婦

3.夫婦の合算した所得額が730万円未満の家庭が対象

助成を受けるなら、法律上婚姻をしていることが要件になります。また、所得制限の730万円未満とは、サラリーマンなどの給料を受け取っている人なら、年収から各種控除を差し引きした後の金額が730万円以下の場合になります。

助成の内容は?

都道府県などに指定されている医療機関で受けた治療が対象になります。

助成の額は、初回の治療に限り30万円までが助成されます。

2回目以降の治療に関しては、

・1回分の助成限度額は15万円

・凍結胚移植(採卵を伴わないもの)などについては1回75000円

・特定不妊治療のうち、対象の手術を行った場合は1回の治療につき15万円まで

が助成の内容になります。

助成が受けれらる回数は、初めて助成を受けた初日の妻の年齢によって異なります。

その年齢が、40歳かどうかです。冒頭にお話した「40歳になる前に考える」とはこのことだったのです。具体的には、40歳未満なら6回まで、40歳以上なら43歳になるまでに通算3回までが対象となります。

■住んでいる地域によっても独自の助成金がある

国の助成金以外にも、地方自治体ならではの助成金制度がある場合があります。

たとえば、東京都の場合は“不妊検査等助成事業”として、子どもを望む夫婦をサポートしています。

内容は、保険医療機関において行った、不妊検査及び一般不妊治療に要した費用について5万円を上限に助成するといったものです。

この場合も、対象者は複数の要件を満たすことが必要です。
自分の住んでいる地域は、どのような助成があるのか一度調べておくと良いでしょう。

■まだまだある! お金のサポート

不妊治療には、国や地方自治体の助成金以外にも有利になる制度があります。

たとえば“結婚・子育て資金の一括贈与“といって、祖父母や親世代からお金をもらうときに一定の範囲までなら贈与税がかからないといった制度があります。

また、自分で準備する方法として不妊治療もサポートしてくれる医療保険、不妊治療専用のローン等があります。

不妊治療をするかしないかに関わらず、どのような制度があるかを知っておくと安心です。


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