前回紹介した、フランス・ブルターニュの街ナント。アートな見どころがいっぱいなナントですが、旅行に訪れたならやっぱりグルメも気になりますよね。今回の記事では、ナントグルメをご紹介いたします。
砂糖とバターがいっぱいのナントのお菓子
「ブルターニュ公爵城」から10分ほど歩くとあるエルドル川。この川沿いにはテラス付きのおしゃれなカフェやレストランがあるので、散策の途中のおやつタイムにおすすめです。
ナントに来たらぜひ食べたいのが、その名も「Gâteau nantais(ナントのお菓子)」。バター、小麦粉、砂糖、卵、アーモンドで焼いたシンプルなスポンジケーキにラム酒をたっぷりと浸した後冷やし、上部をアイシングしたケーキです。シンプルではありながらアーモンドの風味とラム酒の味が効いた甘すぎない大人の雰囲気の味わい。
8世紀、三角貿易によって植民地からラム酒やバニラなどが運ばれてきたナントの港。それまで、ナントには砂糖やラム酒をふんだんに使ったお菓子はなかったのですが、これによりこのような甘いお菓子が次々と登場したそうです。甘いのでエスプレッソと一緒に食べると相性抜群ですよ。
フランスのスーパーで必ず見かけるビスケットの「LU」。実は、この「LU」はナント生まれのお菓子ブランドです。
「ブルターニュ公爵城」の向かいにそびえ立つ、この美しいアールヌーボー様式の建物が「LU」の旧工場「Le Lieu Unique-LU(ル・リュー・ユニック)」。工場とは思えないほどの美しい装飾で、近くで見ると圧巻です。
現在、建物内はリノベーションされカフェ、バー、レストランなどが立ち並び、ハマム(トルコ式公衆浴場)、カルチャーやアート関連の書籍を扱う書店、会議・コンサートなどができるマルチスペースへと生まれ変わっているので観光スポットとしても◎。
街を歩いていると出会ったのが、こちらのカラフルなお店「Les rigolettes nantaises」。ナントの名産品であるコンフィズリー(小さな砂糖菓子)のお店です。
入るやいなや、元気いっぱいに挨拶してくれたのは店主とその奥さん!素敵な笑顔です♪
「レ・リゴレット・ナンテーズ」という店名の由来は、創始者である菓子職人シャルル・ボユが飼い猫に名付けた、イタリアの著名な作曲家ヴェルディ作のオペラ「リゴレット」なのだそう。
このお店のおすすめがこちらのボンボン。外側のパリパリとした食感の飴をカリッと噛むと内側からフレッシュなコンフィチュールが!味はチョコレート、ハイビスカス、レモン、フランボワーズ、パイナップルなどバラエティー豊か。日本では食べたことのない味と食感に病みつきに。かわいい缶や瓶に入ったものもあるのでお土産にぴったりです!
旅先の楽しみマルシェ
朝は朝ごはん探しにマルシェへ行きました。ホテルでゆっくり朝食もいいですが、フランスでは朝一のマルシェにぜひ足を伸ばしてもらいたいです。
色とりどりの野菜に目移りしているとムッシューに声をかけられ、「味見してみて」と言われたのがこの海藻のような植物。ブルターニュ地方などでよく食べられるSalicorne(サリコーン)。
恐る恐る味見をしてみる、見た目を裏切るおいしさ!カリッと噛むと口いっぱいに磯のフレッシュな香りが広がります。わかめよりも食感があるため、サラダに入れたり炒めたりと使い勝手が良さそうな食材でした。
海が近くにないパリではなかなか見たことがない食材でした。その土地ごとの食材に出会えるのもマルシェの魅力です。
ブルターニュといえば、バターを忘れてはいけませんね。ブルターニュ産バターの老舗ブランド「beillevaire」を発見。酪農に適した気候のブルターニュは、良質な乳製品の名産地です。そして、有名なゲランドの塩の産地でもあります!良質なミルクと最高級の塩で作られたバターは絶品です。ここでもバターをたっぷり使った「Gâteau nantais」がありました。
英仏海峡と大西洋が交わるブルターニュは魚介類が豊富です。パリでは高価な海鮮も安価で楽しむことができます。キッチン付きの宿に滞在している方はマルシェで新鮮なお魚やパンや野菜を買って、自炊するのもいいですね。
ナントのローカルビジネス紹介
新しいカルチャーが盛り上がってきているナントではさまざまなローカルビジネスも登場してきていました。ナントらしいサスティナブルでおしゃれなショップを見つけたので紹介いたします。
こちらは天然の砂糖のみを使用し、添加物や人工調味料不使用、グルテンフリーにこだわるお菓子屋さん『Délicatessaine(デリカテッシェン)』。
自然療法医である店主がパティシエに出会って生まれたブランドなのだそう。ヘルシーでおいしいスイーツは、旅先での甘いもの補給にうれしいですね。
サスティナブルをテーマとしたセレクトショップも増えていました。こちらはエコフレンドリーな食品、雑貨を販売している『Les jolis bocaux(レジョリボク)』。ローカルビールなどがずらり並んでいました。
ナント生まれのホームケアブランド「Andrée Jardin」は、スタイリッシュなデザインのアイテムが揃いお土産にもよさそう。
色とりどりの彩色が眩しいほど美しいお花屋さんは『Les fleurettes sauvages (レ フロレット ソバージュ)』。
美しい花々とインテリアに描かれた抽象的なアートがマッチしたおしゃれな空間です。
空間が素敵なレストラン
旅先の夕食はちょっと豪華にしたいもの。今回の旅では、老舗レストラン『LA CIGSLE』でディナーをいただきました。
どれもほっぺが落ちそうなくらい美味でしたが、特にこちらの前菜が最高。とうもろこしがペースト状になったディップの上に野菜とサラミがトッピングされています。甘みと塩気のマリアージュが最高な1品でした。
アールヌーヴォー建築の美しいブラッスリーは、映画『Lola』の撮影場所としても知られています。美しい空間でおいしい料理をいただく最高のひとときでした。
こちらは別の日に訪れたディナー。『le Cambronne Bistrot Chic』では、スパイシーなカクテルとアジアンティークなメインで至福なときを過ごしました。
『Le charles H』のウフミモザも絶品でした!
ナントは多民族が集まる街ということで、レストランの種類も多種多様で個性豊か!そして、海に近い街ということで、シーフードのメニューがかなり充実していました。
2回に渡って、フランス・ブルターニュ地方の街ナントのアートとグルメを紹介してきました。出会う人々、みんな朗らかな笑顔をみせてくれてまさに一期一会の旅となりました。
次回はナントから電車ですぐ行ける街、Rennes(レンヌ)のバーチャルツアーをお届けします。
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