ジャズバンド「JiLL-Decoy association」のボーカルを務めるchihiRoさんがホスト役となり、同じく「ものづくり」に携わる方を招き、ものづくり、クリエイティブをテーマに語らう本対談企画。第6回では、植物療法士でデリケートゾーンのケア商品の開発などを行う森田敦子さんをお招きしました。

ジャズバンド「JiLL-Decoy association」のボーカルを務めるchihiRoさんがホスト役となり、同じく「ものづくり」に携わる方を招き、ものづくりやクリエイティブをテーマに語らう本対談企画。

第6回の今回のお相手は、植物療法(フィトテラピー)の第一人者である森田敦子さん。オーガニック素材を使ったデリケートゾーンのケア商品の開発や、植物療法を学ぶ学校の運営も手がけます。セックスレスなど性の問題に悩む女性の相談役としても活躍し、近著『潤うからだ』(ワニブックス)は大きな反響を呼びました。

大手航空会社の客室乗務員からキャリアをスタートさせた森田さん。現在のライフワークである植物療法士として活動するまでは、紆余曲折があったといいます。

■まつ毛も髪の毛も抜け、妊娠できない体になった20代

chihiRoさん(以下、chihiRo):フィトテラピーに関心を抱くきっかけを教えてください。

森田敦子(以下、森田):激務で体調を崩し、8カ月入院したことです。昼間は客室乗務員として勤務し、夜は仕事仲間と遊びに出かける日々を送った末のことでした。

当時はバブル真っ只中で、がんばるのが当たり前という風潮が強かったんです。「疲れているな」「生理が乱れているな」と変調を感じても、休めませんでした。結果として体を壊して、髪の毛やまつ毛が抜け、子どもを産めないと医師から言われてしまいました。

子どもが望めないとわかった時点で、当時交際していた男性と別れることになり、ショックで失語症になりました。心身ともにボロボロになり、美や健康という言葉を否定したくなる気持ちを抱いていました。

このことで自分の体を見つめ直し、その後フランスに薬草学を勉強しにいこうと思うきっかけになりましたね。

chihiRo:聞いているだけで胸が痛くなります。体を治したいと思う気持ちはわかりますが、「フランスに行こう」とは簡単に思えない気がします。何がそこまで森田さんを駆り立てたのでしょうか?

森田:始まりは知人から「フランスに薬草学がある」と聞いたことです。体を根本的に治したいと思い、お金を貯めて渡仏しました。20代後半のころでした。

表向きは留学という理由にしていましたが、正直に言うと日本から逃げたかったんです。体を壊して、子どもを望めないことで婚約者と別れ、本当に辛い持期だったから。

■「髪も肌も戻る。子宮も戻るよ」日本女性のケアをしようと決意

「日本女性は自分の気持ちにも性にも正直になって」【ジルデコchihiRo×森田敦子】
(画像=『DRESS』より引用)

chihiRo:いざ渡仏して、言語やコミュニケーションなどの「壁」を感じることはありましたか?

森田:人種差別という壁が厚かったですね。当時、日本人は「イエロー」(黄色人種のため)と呼ばれて差別対象にされることがあったんです。でもストレスに感じるかどうかは、受け取り方次第なんですよね。考え方を変えるチャンスにもなると気づきました。

あるときレストランで食事中、近くにいた人から「また日本人が来た」と言われて。かつての自分なら落ち込んでいたけど、そのときの私は腹が据わっていて、「イエローって呼んでいいよ」と伝えていました(笑)。

本気で薬草学を学ぼうと思ったのは、「落ち込まない自分」ができあがったときです。パリ13大学という学校で4年近く勉強しました。

chihiRo:考え方がたくましい! 薬草学を仕事にしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

森田:当時の先生たちの影響が大きいです。フランスで出会った婦人科の先生が、「敦子、フィトテラピーを取り入れてしっかりとケアをすれば、髪も肌も戻る。子宮も戻るよ」と言ってくれたことがあって。

本当に自分の頭に髪の毛が再び生えてきたとき、「日本の女性のケアをしよう」と決めました。「パリ13大学と提携して、日本で学校をやりたい」「悩める日本女性のための商品をつくりたい」って。当初は薬草学だけ学べばいいと思っていたけど、実際はもっと幅広く物事を見なければなりませんでした。中でも日本では敬遠されがちな性の重要性は無視できなかったんです。

■デリケートゾーンのケアは、食事と同じくらい大切

「日本女性は自分の気持ちにも性にも正直になって」【ジルデコchihiRo×森田敦子】
(画像=『DRESS』より引用)

chihiRo:性についての話がタブー視される日本で、ここまで活動を拡大されるまで、大変なご苦労があったのではと想像します。

森田:それはもう、大変でしたよ(笑)。日本では、性は不浄、生理は不浄という考えが強い。その中で「セックス」だ「セックスレス」だなんて言うわけだから、周囲から「アバズレ」「玄人」と揶揄されました。でも性に向き合うのは大切なことです。粘り強く発信を続けて、オーガニックにこだわった体に優しい商品を作ることで、受け入れられるようになっていきました。

以前、私が開発した商品を大手百貨店で販売することになったとき、売り場担当者も困惑して「こんな恥ずかしい商品は売れない」と言われたことがあって。その方には、商品の良さを説明するのではなく、デリケートゾーンのケアがなぜ大切なのか、性的な快感を得ることはなぜ大切なのかを理論的にお話ししました。最終的には「売ります」と言ってくれましたよ。

chihiRo:『潤うからだ』にセクシャルな内容がたくさん書かれています。販売後にどのような反響があるかドキドキされたのではないでしょうか?

森田:正直たくさんの批判が来るかと思っていましたが、そんなことはなかったです。「セックスが痛い」「できない」「膣に粘液が出ない」という内容の相談が何万件も寄せられました。「悩んでも相談することすらできなかった」「悩みを見て見ぬふりしていた」という人たちがたくさんいるんです。

年齢を重ねると膣の萎縮と乾燥が進みますが、その症状が20代でも増えてきています。その理由は過剰なダイエットにあります。栄養素が足りていなかったり、ストレスを溜め込み過ぎたりすることが原因なんです。

chihiRo:性に向き合い、デリケートゾーンをケアすることは大切なのですね。

森田:もちろんです。フランスで薬草学を学んだ際、睡眠欲と食欲に並んで性欲が重要なことを教えられました。体が不調なとき、性を脇に置いて薬だけ与えても根本的な解決にはならないんです。

でも、性がタブー視される社会で「セックスはしてる?」「オーガズムはある?」なんて訊いたら、大変なことになる。性から目を背けて生きていたら、不妊やセックスレスになるのは当然なんです。

セックスレスになると、快感を示すβエンドルフィンという物質が出なくなります。結果どうなるかというと、私たちの体は精密にできていて、一度セックスレスになると体が「もう生殖は不要」と捉えてしまう。そういう遺伝子が動き出すんですよ。つまり、妊娠しにくい体になってしまいます。

それにデリケートゾーンのケアは、ごはんをちゃんと食べることと同じくらい大切なことです。粘液がきちんと分泌されないのは、免疫が弱っていることが原因ですから。

■性欲があるのは本能で、タブー視する必要はない

「日本女性は自分の気持ちにも性にも正直になって」【ジルデコchihiRo×森田敦子】
(画像=『DRESS』より引用)

chihiRo:日本人がセックスレスに陥りやすいのはなぜなのでしょうか?

森田:働きすぎで体が疲れていることがひとつ。あとは対面にこだわって、自分に嘘をつくことでしょうね。人に好かれたいと思って、自分を後回しにして人のために尽くそうとしてしまう。嫌われる勇気じゃないけど、嫌なものにノーと言う勇気は必要です。

性に対する日本的な見方も影響しています。男性の中には「家庭に仕事とセックスを持ち込まない」という考えを持つ人もいるでしょう? それだと子どもが生まれた後に夫婦生活がなくなってしまいます。フランスだったら慰謝料問題になりますが、日本でも配偶者と一定期間セックスがなく、それにより精神的損害を受けていたら、慰謝料請求できると法律で決まっています。なぜかと言うと、セックスがそれだけ医学的にも重要だからなんです。

chihiRo:えー! 知らなかったです!

森田:膣を触ったことも中に指を入れたこともない、アンダーヘアのケアもしないではダメ。性のこと、ホルモンが減少したときの諸症状やケアの必要性を理解していただきたいですね。

性欲があることは本能であって、タブー視する必要はないんです。セックスやマスターベーションで快感を得たり、デリケートゾーンのケアを行うことは健康に生きるために大切なこと。今を生きる私たちがそれをわかっていないと、後の世代に生まれてくる女性が気の毒でしょう。

chihiRo:女性として、ためになるお話ばかりでした! 今後はどのようなことをビジョンに掲げていらっしゃいますか?

森田:江戸時代は現代よりもずっと性についてオープンで、若い女性に性的なことを教える「月経小屋」があったそうです。私は現代版「月経小屋のおかみさん」のような役割を果たしたいですね。

一度は子どもを望めなくなったけど、ハーブの力を借りて心身を整えた結果、40代で自然妊娠しました。女性は我慢と無理をしてはだめ、もっと性的にオープンになり、体をケアしてほしいと思います。

(完)

文・写真/薗部雄一

森田敦子さんプロフィール
植物療法士、サンルイ・インターナッショナル代表。航空会社の客室乗務員として勤務するも、ダストアレルギー性気管支喘息を発病。退職後、フランス国立パリ13大学などで植物薬理学やフィトテラピーを学ぶ。帰国後、オーガニック素材を使ったデリケートゾーンのケア商品の開発や日本女性のからだのケアに携わる。著書に『自然ぐすり - 植物や食べものの手当てでからだとこころの不調をととのえる - 』『潤うからだ』(ワニブックス)、『自然のお守り薬』(永岡書店)などがある。「ルボア フィトテラピースクール」を主宰するほか、女性のためのケアブランド「アンティーム オーガニックbyルボア」では製品の研究開発も手掛ける。4月にはHBA主催スペシャルセミナー大人女子の教養「女性性を開花させるフランス式デリケートゾーンケア 実践セミナー」に出演。

取材協力:株式会社サンルイ・インターナッショナル

ジルデコDUO”Zinger”Release Tour

「日本女性は自分の気持ちにも性にも正直になって」【ジルデコchihiRo×森田敦子】
(画像=『DRESS』より引用)

■3月18日[柏]Cafe Line
■3月21日[札幌]Brooklyn Parlor
■3月24日[浜松]ハァーミットドルフィン
■3月25日[静岡]LIVINGROOM
■3月31日[大分]CANTALOOP 2


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