ゴールドラッシュの面影を残す街②「クロイドン」

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)

広大なオーストラリア。金が発見されるのは街の近くとは限りません。1885年、ブリスベンから内陸部へ2,000kmの僻地にあるクロイドンでも金が発見されました。

2,000kmというと、九州の博多から北海道の札幌あたりのまでの距離。こういったところは英語で「in the middle of nowhere(どこでもないところの真ん中)」と言われます。

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)
【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)

クロイドンには雨季と乾季があり、乾季には一面の枯れ草と、ひび割れた土地が広がっていたそう。しかし1995年にダムができ、一年中緑に囲まれる町になりました。

現在のクロイドンに残る当時の形跡

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=commons.wikimedia.org トリップノートより引用)

上記の写真は、当時の街の中心部の様子です。金の発見とともに人々が世界中から集まり、1890年には人口が1万人に達しました。イギリスからの移民が大部分でしたが、中国、マレーシア、スリランカ、記録には日本人やアフリカ人の名前もあったそうです。左端にタウンホールがあります。

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)
【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)

左上の写真は現在のタウンホールで、そのお隣の警察署跡には酔っ払って騒ぎを起こした人を入れる牢屋も残っています。

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)
【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)

タウンホールではさまざまな催しが行われましたが、映画もその一つ。その時使われていた映写機は、現在も使われることがあるそうです。

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)

こちらは、人が集まるところには欠かせないパブ。1887年に36軒あったそうですが、今残るのはこの「クラブホテル」のみとなっています。

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)
【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)
【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)

クロイドンには当時の様子を再現した建物もあり、こちらは一般的な家とお肉屋さんを再現したもの。人々の生活は決して楽ではなかったようです。

ガルフランダー(The Gulflander)

人口300人前後のクロイドンですが、それをはるかに上回る数の観光客が町を訪れます。その目的の一つが、このガルフランダー。「ガルフランダー」は乾季のみ、クロイドン~ノーマントン間152kmを週2往復する観光列車です。

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)
【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)

ノーマントンには大きな川が流れており、内陸部と海を繋ぐ重要な河口港がありました。この鉄道は、クロイドンで産出された金をその港から運び出すためだけに作られたので、他の鉄道のどの路線にもどこにも繋がっていないユニークな路線です。

ノーマントン~クロイドン間の所要時間は片道5時間と長いのですが、水曜日にはクロイドン側から最初の途中駅にあたるゴールデンゲート間を往復するサンセットツアーがあります。このゴールデンゲートは、1886年に金鉱が発見されるも交通手段がなく手付かずだったのが、1891年に鉄道の駅ができると瞬く間に人口500人を超える街に発展したのだそうです。

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)
【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=Booboo56 トリップノートより引用)

列車はクロイドン駅から約10kmを30分ほどのんびり走り、ゴールデンゲートに到着します。列車を降り、そこで夕食。そして、日も沈み始めるころ列車に戻り、サンセットを楽しみながら帰路につきます。2時間ほどのツアーで、筆者が参加した際ツアー料金はAUD49.00 (約4,000円)でした。

この記事を書いたトラベルライターから一言

【オーストラリア】ゴールドラッシュの面影を残す街「チャーターズ・タワーズ」と「クロイドン」
(画像=commons.wikimedia.org トリップノートより引用)

「ガルフランダー」のツアーに参加した筆者ですが、クラッシックな列車でサンセットを楽しめました。夕食をとったゴールデンゲートは荒野のど真ん中で、金鉱で賑わったことが嘘のような景色ですが、沿線にはその当時使われていた大型機械の残骸や、カンガルーなどの野生動物を見ることができます。

また気さくなスタッフがサーブしてくれる夕食や、列車の速度を落として、シャッターチャンスをつくってくれる運転士と車掌の掛け合いも楽しく、鉄道ファンでない筆者も満足できました。クロイドンを訪れる際にはオススメのアクティビティです。(Booboo56)

提供・トリップノート



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