「ママ友」という言葉に、皆さんはどんなイメージがありますか?
検索エンジンのGoogleで「ママ友」という言葉がどのような言葉と一緒に検索されているかを調べてみると「ママ友 事件」「ママ友 こわい」「ママ友 いらない」「ママ友 マウンティング」など、ネガティブなキーワードが上位に表示されます。
インターネット上では、「ママ友は友達じゃなくて『子どもの友達の親』に過ぎない」「仲良くなったら『ママ友』じゃなくて『友達』」といった声も見られます。なぜ、「ママ友」と「友達」はハッキリ線引されてしまうのでしょうか。このような声が聞かれる背景について考察しました。
グループLINEには参加するけど「深く付き合うのは面倒」
現在、首都圏で2歳の子どもを育てながら正社員として働いているAさん(女性)は「ママ友と呼べる人はいないし、今のところはまだ必要性を感じていない」と語ります。
新型コロナウイルスの影響で実家・義実家には1年間以上帰省できていないものの、夫と協力しながら育児をしているAさん。「ママ友はいないし、いなくても困らない」といいますが、保護者同士の交流が全くないわけではありません。
昨年6月の緊急事態宣言明けに子どもが保育園に入園。翌週に行われた懇談会で初対面の保護者の提案で同じクラスの「グループLINE」を作ることになりました。以来、グループ内の保護者同士でメッセージが交わされています。
「お互いのことをほとんど知らないのに、グループLINEに自分の話や子どもの写真を頻繁に投稿するようなお母さんには、ちょっと引いてしまう。深く付き合うと面倒なことになりそうで……」
グループ内の会話に参加することは「ほぼない」というAさんは、すれ違った際にあいさつする相手はいるものの、「ママ友」とは認識していないと言います。
6割の親が「LINEやメアドを交換したらママ友」
一方で、「ママ友」の認識に関しては、このような調査があります。
株式会社コズレがパパ・ママ2413名を対象に行った「ママ友・パパ友に関する調査」*によれば「『ママ友』に当てはまると思う関係性」として最も多かった回答が「LINEやメールアドレスを交換している(63.9%)」でした。
つまり、連絡先を交換した時点で「ママ友」と感じてる人がいれば、そうではない人もいて、両者の認識の食い違いが起きている可能性もあるということになります。親密な響きがある「ママ友」という言葉ですが、実際にはさほど深くはないつきあいでも使われているケースもあるようです。
実際の保護者同士の関係性は、「ママ友」という一言ではとてもくくることができないほど多様です。すれ違ったら挨拶をする顔見知り、お迎え後に立ち話をする、子ども同士が仲良し、役員活動を通じて必要に応じて連絡先を交換する、待ち合わせて子ども同士が遊ぶ……など。
あいまいな関係性が数多くあるにも関わらず、母親同士の関係が「ママ友」という言葉に集約されてしまうことが、子育て中女性の違和感につながっているのかもしれません。