メキシコシティからバスで約4時間、グアナファトからバスで約1時間半で行ける「サンミゲル・デ・アジェンデ」はメキシコ中央高地のグアナファト州にある小さな都市です。特筆すべきは何と言っても美しい街並み。メキシコ政府から魅力的な街や村にだけ与えられる称号「魔法の村」という認定も受けたこの街を、今回はご紹介します。
「サンミゲルアジェンデ」はどんな都市?
日本ではまだ馴染みの薄い「サンミゲルデアジェンデ」ですが、実はこの街は、「Travel+Leisure」というサイトにて、「旅行者が選ぶ世界の街」No.1を2017年と2018年に2年連続で受賞している街です。
18世紀頃に産業が発展した頃の建築物が残っていて、1926年に国定コロニアル記念都市として指定されました。
※コロニアル都市とは?
かつてスペインの植民地として開発され、中世スペインのような雰囲気の建造物が多く残る歴史ある街のこと。
サンミゲルデアジェンデは、手工業によって発展した名残から、今でも民芸品や陶器、ガラス細工、銀細工、絵画などを売るお店が多く、また、世界中から芸術家や留学生が集まる「アジェンデ美術学校」があることから、「芸術の街」として知られています。
主な観光スポットを訪れよう!
1) サンミゲル教区教会
宣教師がヨーロッパから持参した絵葉書を頼りに、先住民の職人が設計したゴシック調の教会で、このサンミゲルデアジェンデの街のランドマークです。メキシコ産のピンク色をした石材が青い空にとてもよく映えて美しいので、観光客の写真撮影が絶えません。
2) サンフェリペ・ネリ教会
オレンジ色の石で作られたバロック様式の教会で、メキシコの聖母「グアダルーペ」が祀られています。内部には、聖人サンフェリペ・ネリの生涯を描いた33枚の連作絵画が飾られています。
3) アルテサニアス市場
上記サンフェリペ・ネリ教会から北に少し歩いたところにある市場。街の生活の一端が垣間見える市場です。とてもカラフルなお花やフルーツが売られているほか、日本人からするとちょっと珍しい唐辛子の専門店や食用サボテンのお店もあります。
フードコートも充実
アルテサニアス市場はフードコートも充実しており、メキシコB級グルメがたくさん楽しめます。筆者が訪れた時の一番人気は、「ゴルディータ」のお店。
直訳すると「太っちょ」という意味のゴルディータは、トウモロコシの粉で作られた生地を油で揚げた中に、チーズや豚肉などの具が入っています。手のひらサイズの(つまり、あまり大きくはないけれども)、ジューシーで食べ応えのあるローカルフードです。
また、このフードコートにはタコスのお店や、メキシコ版具沢山サンドイッチのトルタと言ったローカルフードのお店がたくさんあります。市場の入り口にもチュロスが売られていたので、食べながら散策も楽しいかもしれません。
民芸品店も充実
生鮮食品売り場やフードコートを超えてもっと北に進むと、民芸品店がずらりとあります。メキシコらしいガイコツの置物やカラフルなトートバッグなど、お土産になりそうなものはもちろん、可愛らしいアクセサリーを売っている露店、メキシコのアートが並ぶギャラリーなどが並んでいるので、時間をたっぷりかけながらのウィンドーショッピングを楽しみましょう。
4) エルニグロマンテ文化会館
修道院だった建物を利用した文化会館で、芸術関係の講座が開講されています。その講座に参加しなくても見学は可能。シケイロスの壁画「イグナシオ・アジェンデ将軍の生涯について」が飾られている壁画室は迫力満点で、一見の価値があります。
また、階段や内壁の各所にも壁画画家のペドロ・マルティネスの作品が飾られています。
回廊には椅子が配置されており、誰でも座れるようになっているので、中庭を眺めながらボーっと休憩、というのも贅沢な過ごし方です。また、お手洗いもありますので、その点でも安心して休憩ができます。
とにかく街歩きをしよう!
上記のように色々観光スポットはありますが、なによりも楽しいのはどこを写真で切り取っても絵になる街でのお散歩。あまり「ここには何時から何時まで滞在」と決めずに、地図も見ずにのんびり散策、がサンミゲルデアジェンデの最大の「見どころ」かもしれません。
お昼頃の、青い空に溶け込むコロニアル調の街並みもいいのですが、夕暮れの日が沈んでからの街並みも素敵です。
街歩き中のおすすめ 1) 珍しい「黄色いスターバックス」
サンミゲル教区教会の近くにスターバックスがあるのですが、この街に溶け込むような建物になっています。壁が黄色なのです。また、ロゴもシルバーになっています。店内も「サンミゲルデアジェンデ」式の、とても可愛らしい内装です。