冬至とは1年で最も夜が長い日
二十四節気の一つで、日本でもおなじみの「冬至(韓国語で동지、トンジ)」。冬至とは、大雪と小寒の間、毎年12月22日前後にやってくる、1年で最も夜が長い1日のことです。
冬至と言うと、日本ではかぼちゃを食べたり柚子湯に入ったりする風習があります。また、旧暦では最後の節気にあたるため、ぎんなんや、れんこん、みかんなど、いろはの最後の「ん」のつく食べ物を食べると良いともいわれます。
ところ変われば文化も変わる、今回は韓国の冬至についてご紹介します。
韓国の冬至に欠かせない食べ物「小豆粥」
韓国における冬至の風習、その代表的なものが「小豆粥」です。近年は、あずきと米を一緒に炊くものが多いですが、あずきスープの中にもち米団子のみを入れて炊く伝統的なものもあります。
小豆粥の中に入っているもち米団子は「セアルシム」と呼ばれ、歳の数だけ食べると1年を無事に過ごせるといわれています。
昔は陰暦11月10日以前に冬至がくると「エトンジ」といわれ、小豆粥は炊かずにあずきの餅「パッシルトッ」を代わりに食べたそうです。
冬至の日に小豆粥を食べるのは、あずきの赤色には厄除けの効果があると信じられてきたためです。昔の中国の歳時記には、次のような逸話もあります。
ある村で、ろくでなしの息子が冬至の日に亡くなります。それ以来、息子の悪鬼が家に出るので困った父親が、赤い小豆粥を作って家の中にまいたところ、無事追い払うことができたという話です。
韓国でも以前は、小豆粥を家の玄関の柱にかけたり、部屋にまいたりしていましたが、家の中が汚れてしまうこともあり、最近では行われなくなりました。
冬至にまつわる俗信
韓国には、食べ物以外にも冬至にまつわる様々な言い伝えが残されています。
その一つが、「蛇」の字を書いた紙を逆さにして壁や柱に貼っておくと家の中に悪鬼が入ってこない、というもの。天気に関するものでは、冬至の日が暖かいと翌年は病気で多くの人が亡くなり、逆に雪がたくさん降って寒いと豊作になるといわれています。
新たに1年がスタートするおめでたい日
冬至は季節的にも気分的にも新しくスタートを切る日だった 冬至は季節的にも気分的にも新しくスタートを切る日だった 冬至を境に昼が少しずつ長くなっていくため、昔は冬至を1年のはじまりと捉えていました。
1月1日の元旦に並ぶおめでたい日とされ、宮中では会礼宴(フェレヨン)という祝宴を催したり、冬至使(トンジサ)という使いを中国に派遣したりしていました。また、宮中に勤務するすべての役人たちにはカレンダーが贈られました。
韓国には陰暦5月5日の端午(タノ)に、宮中や庶民の間で扇を贈り合う習慣がありましたが、これと冬至の習慣を合わせて「夏扇冬暦(ハヨントンニョッ)」ともいわれます。 一方、庶民に対しては、高麗時代・朝鮮時代初期、新しい気持ちで1日を楽しめるようにと、借金をすべて帳消しにしてあげる慣習もありました。
冬至の時期に韓国旅行をするなら、小豆粥を食べてみたり、家族や友人に贈るカレンダーを手に入れたりと、韓国ならではの冬至の雰囲気を味わってみてください。
提供・韓国旅行コネスト
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