最近増えてきた家事代行。家事サポートサービス、ともいわれています。
関心が高まっている割に、あまり「利用している」という声を周囲で聞かないのはなぜでしょうか?
筆者の経験を踏まえながら「家事サポートサービス」を利用するのにストッパーになっている心理を「日本の家族の意識」からひも解き、新しい家族の在り方を考えていきたいと思います。
「家事サポートサービス」を利用するために、夫の理解を得る方法もご紹介します!
選べる!家事サポートサービス
まずは、家事サポートサービスとは何か?から。
その名前のとおり、家庭の人に代わって家事のサポートをしてくれるサービスです。「家事サポートサービス」の内容は会社によってもさまざまです。
お風呂場や換気扇などの気になる場所を徹底的にお掃除してもらえる「お掃除代行サービス」
お部屋やお風呂場の掃除や洗濯など、普段の家事をサポートしてもらえる「家事代行サービス」
子どもの塾や習い事などの「送迎サービス」
赤ちゃんや子どもの自宅や屋外での散歩や公園などの遊び、食事の世話、入浴などの身の回りの世話をサポートしてくれる「ベビー・キッズシッターサービス」
里帰り出産ができない女性のために家事や食事作りまでサポートしてもらえる「産前産後お手伝いサービス」
など、ニーズに合わせたサービスが魅力です。また、最近では宅食ブームということもあり、各社で毎日日替わりの夕食を自宅まで配達してくれるサービスも充実しています。
家事をアウトソースすることで、家族と過ごす時間が増える?
筆者の体験談を少しご紹介させてください。
筆者も一時期、夕食宅配サービスを利用したことがあります。
•いつ倒れてもおかしくない、仕事と家庭の両立
仕事に家事に、持病・発達障害のある子どもの療育や通院など、夫婦でさまざまな分担をしても乗り越えるのが難しい時期があり、私自身いつ倒れてもおかしくないようなギリギリのところで、いくつもの役割をこなしている状況でした。
仕事帰りに保育園へ息子を迎えに行く前にバタバタとスーパーへ買い出しに行って、夕飯の準備をします。
夕食の献立は息子が過度の偏食のため、大人と別メニューを作らなければなりませんでした。
帰宅後5~6品作り、食器は食洗機を使ってもたくさん出てきて、後片付けにも時間がかかり、毎日へとへと…。
ゆとりがないので、気持ちがイライラすることも多かったように思います。
それでも、利用に踏み切るまで、数か月悩みました。
主婦として夕食も作れないことに、自己嫌悪や、罪悪感を感じたためです。
夫婦で何度か話し合い、平日のみ・大人のみの宅食利用に踏み切ることにしました。
•利用してよかった!心にゆとりを感じられるように
帰宅後、息子のための食事作りに専念することで大幅に仕事が軽減!
結果、息子とゆっくり過ごす時間が増え、心にゆとりを感じることができました。
また、私が体調を崩した日でも、家族の食事が確保できている安心感やありがたさは、ただのサービスという意識を超えていました。
宅配をしてくれる業者の方や、理解を示してくれる夫にも心から感謝しています。
その分、休日は豪華な夕食を作ったり、家族の好物を作るように努力もしました。
•大変な時期をのりきるために利用してもいい
現在は時間の余裕を持てるようになり、利用はしていません。
家事サポートサービスはずっと使うものではなく、その大変な時期を乗り切るためにスポット的に選んで使えるというところに魅力があります。
いざというときに助けてくれるサービスがあることを知るだけでも、心強く感じられますよ。
女性も男性も、家庭に育児にとがむしゃらに頑張らなくていいのです。
ラクであることは罪悪ではないのです。ラクな気持ちでいることができれば、子どもにも夫にも妻にも優しくなれるのですから。
女性が家庭を守る時代から、家事をアウトソースする時代へ。
働く女性にとって、家事・育児との両立はとても大変なものです。
最近は「イクメン」なんて言葉も出てくるほど、家事や育児を主体的に行う男性も増えてきました。
しかし、核家族化が進み、両親が共働き家庭だと、家事の分担を夫婦でしていても正直いっぱいいっぱい。
お互いは一生懸命にやっているのに、どこかに無理がでてきて夫婦仲悪化の要因にもなりかねません。
出産後も働きたい女性が増えてきて、家のことが回らない状況にあるのなら「家事サポートサービス」のような外部のサービスにアウトソースするのも選択肢の一つのはずです。
でも、いざ利用してみようというときになると、躊躇してしまう。なぜなのでしょうか。
•仕事をしたい。でも子どもと過ごしたい。アンビバレントな心情がある
戦後の高度経済成長の中で、男性が社会でバリバリ働き、女性が家庭を守るという家族のモデルができ、核家族化も急激に進みました。
「子どもが3歳になるまでは、母親が子どもを育てるべき」という3歳児神話という言葉もまだ記憶に新しいでしょう。
そういう家族のスタイルは、戦後日本の経済復興のためには欠かせなかったのです。
現代、女性は「出産後も仕事をしたい」と希望しながら「子どもが小さいうちは一緒に過ごしたい」という、アンビバレントな心情を抱いています。
女性はいくつかの顔を持っています。
その中にある、子どもを産み育てるという母親という面、仕事を通して自己実現をしたいというビジネス人の面、この2つが、互いの心を引っ張りあってせめぎ合うという葛藤を生んでいるのです。
彼女たちは、戦後の母親に専心する一般的な主婦モデルとは決定的に異なります。
それなのに戦後の「女性が家庭を守るものだ」という古い考え方が、男性にも女性にもいまだに根強く現代の日本の社会に蔓延し、ひきずられているのが現状です。
夫を「家事サポートサービス」に振り向かせる方法
そうしたアンビバレントな心情の中、配偶者である夫の理解を得られない人も大勢います。
むしろ、夫こそ「子どもは母親が育てるべき」「家事は家にいる女性がやるべき」と考えているかもしれません。すると、言わないと家事・育児をやらない、言っても十分に成果が出せない状況になりがちです。
言葉の裏を読むことが苦手な夫の場合、ストレートな言葉で伝えてみましょう。協力してもらいたいことはできるだけ具体的に、的確に伝えることがおすすめです。
「言われなくてもやってほしい」という心理は、お互いの気疲れに繋がります。
そして、夫が家事や育児に関わることで重要なことは、完璧な家事や育児を担ってもらうことではなく、母親がやっていることを理解できるようになるという点にあります。
夫も家事や育児について理解し実行した上で、どうしてもふたりで解決できない部分をアウトソースするという考え方に発展させるといいでしょう。
筆者の場合、夫が家事サポートサービスの利用を考えるきっかけになったシーンは、大掃除でした。
掃除は夫婦でやる機会も多いですし、換気扇やエアコンの清掃は「機械の部分は苦手だから、お願いできる?」「あなたは背が高いから、そっちは頼んでいい?」と任せてみたのです。
頑固な汚れは本当に掃除も大変ですよね。すると、夫側から「今度は業者さんに頼んでみようか?」という声を引き出すことに成功しました。
実際の作業や成果を実感してもらえると、協力してもらいやすくなります。
また、同じ会社で「家事サポートサービス」をやっているようなら、別のサービスを利用してみます。
たとえば、ベビーシッター。利用するにはなかなか勇気がいるかもしれませんが、きちんと研修を受けている信頼のある会社なら安心できますよね。
まずは掃除や料理など別のサービスを利用してみて、信頼できそうであればベビーシッターサービスも利用する、という方法もあります。
たまの息抜きに子どもをプロに預けて、夫婦でいつもより豪華なランチに出かけたり、映画を楽しむ人もいます。子育てから離れた時間にリフレッシュすることで、子どもや家族に対して改めてゆとりをもって接することができるかもしれません。
家事や育児は、親が責任をもってやるもの!という根強い「家族の在り方」イメージがあります。ただ、数十年前と違って子どもと親を取り巻く環境は大きく変わっているのです。
今の時代はせっかく利用しやすいサービスがあるのですから、使わない手はありません。新しい家族の在り方に、まず自分自身が寛容になることです。
「家族はこうあらねばならない」という心のストッパーを外していきましょう。
•ライフ・キャリアの見直しを
家事・育児のアウトソースや夫の理解を得て、少し肩の力が抜けたとき「私はこれからどんな人生を送っていくんだろう」と将来の事を考えることもあるのではないでしょうか。
仕事も、育児も、家事も…すべてに全力投球をしても、いつかは疲れが出てきてしまうものですが、それでも、こだわりたいところもありますよね。
絶対自分でしたい家事と、人にお願いして済ませたい家事の線引きをしてもいいかもしれません。
お仕事上でも、お仕事がたくさんあふれてきたら、ほかの社員に仕事を引き継ぐことがあるように、切り出せる家事は外に切り出してしまう、それもこれからの時代ではあたりまえになってくるのではないでしょうか。
ライフスタイルの見直しについては、ライフキャリアレインボーという考え方があります。
キャリア、という名前が入っていますが、この考え方でのキャリアは長い人生において社会や家庭で様々な役割の経験を積み重ねて、初めて形成されるもの、と考えます。職業経験=キャリア、ではありません。
子どもがいる主婦がになっている役割は、実は8つもあるのです。
在宅ワークのすすめ
小さい子どもの子育て中・介護中のママに人気な、在宅ワーク。自宅でできることもメリットですが、なんといっても時間の融通がつけやすいことがあります。
出社・退社時間に合わせて急いで家事を終わらせることもないですし、仕事に集中することで生活にメリハリをうみだすこともできます
ただし、デメリットとしては、自分ひとりでスケジュールを立て、モチベーションを保ちながら仕事をすること。担当者とやり取りが全くない場合は孤独感をもつこともあるようです。
自宅でできる仕事として人気なのは、アフィリエイトや、クラウドソーシングでの業務受託など。
提供・しゅふJOBナビ
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