写真集「MINAMATA」により、世界に水俣病の事実を発信したユージンだが、現代は誰もがインターネットや SNS を使い、リアルタイムに情報を発信できる時代に生きている。現代のインターネット、SNS について「インターネットからは、素晴らしい知識や英知を得ることができる。人々に声を与えることができるのは SNS のすばらしい点。」と語り、続けて「討論をすることもできる。ソーシャルメディアで戦い、私の意見を代弁している人はヒーローに見える。情報を伝える現代の強力なツール。」とコメントする。
今回、製作も兼ねたジョニーだが、過去に監督の経験もある。そんな映画製作ついて問われると、「私にとって映画は素晴らしい教育を受けられる学校のようなもの。ジョン・ウォーターズやティム・バートン、エミール・クストリッツァといった尊敬する映画製作者たちの作品に参加できたおかげで多くのことを学べた。」と振り返る。役作りについては「何より素晴らしい点は、そのプロセス。演じる人物を発見し、知っていく。どうにかしてその人物と出会い、なんとか作り上げていく。一人で行う作業なので、この期間は完全に孤立している。」と語る。制作陣との共同作業については「映画は大勢が協力して作り上げるもの。カメラの前にいる人をスターと呼んだりもするが、そんなことはない。スタッフの腕がなければできない。全員の献身がなければ、作品は完成しない。」と丁寧に語った。
これまで来日経験もあるジョニーだが次に来日した際やってみたいことについては、「まず最初に水俣に行き、感謝を伝えたい。監督のアンドリューとも話していたのですが、できる限り水俣に関心を集めたいと思っている。そして必要な支援が届くようにしたい。」と水俣への思いをコメント。加えて、「何度も頭の中で思い描いてることが、伝統的なスタイルの日本家屋で、のんびりと本を読んだり、書き物をして 3 ヶ月くらい暮らしたい。それをするには、やっぱりお坊さんにならないとそういう生活は無理なのかな。お坊さんになるかもしれない。」と長年、思い描いていた予想外の願望!?も飛び出した。最後に、「本作が皆さんの心に届き、刺激を受け、考える機会になればと願います。」と、観客に向けてのメッセージも届いた。