チプトゥリって?

新学期がスタートする春・秋はイサ(引越し)のシーズン。この時期、一緒によく行なわれるのがチプトゥリです。これは、韓国の引越し祝いのこと。新居のお披露目を兼ねて親戚や会社の同僚、友達などを招いて料理を振る舞い、新生活を共に祝う宴会(ホームパーティー)です。

チプトゥリは、なんと朝鮮時代から行なわれていたと言われています。漢字で「入宅」と書き、元々「新しい家に入居する儀礼」という意味。昔は引越しの当日に家の安全などを願って祭祀(チュサ)が執り行われ、この儀式がチプトゥリで最も重要でした。

また家族はもちろん隣人や地域の人たちにも引越しを手伝ってもらい、そのお礼と新しい住居を披露する意味を込め、手作り料理を出して盛大に宴会を開きました。以前はこの一連の流れをチプトゥリと呼び、今でも儀式と宴会が一緒になった昔ながらのチプトゥリが続いている地域もあります。しかし、現在では儀式的な意味はほとんど薄れ、引越し後の祝宴がチプトゥリだという認識が一般的となっています。

韓国の引越し祝い・チプトゥリ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
韓国の引越し祝い・チプトゥリ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
韓国の引越し祝い・チプトゥリ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

トイレットペーパー、洗剤はもう時代遅れ?変わる贈り物事情

韓国の引越し祝い・チプトゥリ
(画像=今ではほとんど贈られなくなったチプトゥリセット、『韓国旅行コネスト』より引用)

チプトゥリに招かれたら贈り物を持っていくのが慣わし。お馴染みのものとしてトイレットペーパーや洗剤、石鹸がよくあげられますが、時代が変わるにつれて贈る物にも変化が!

電気が貴重だった1960~70年代は、「燃え上がる炎のような勢いで暮らし向きが良くなりますように」という意味を込め、マッチやろうそくが一般的な贈り物でした。 1980~90年代に入り経済が発展すると、トイレットペーパーと洗剤、石鹸がポピュラーに。トイレットペーパーには、引っ張ると延々とほどけることに喩えて、「すべてのことが問題なくうまくいくように」、洗剤、石鹸にはあふれ出てくる泡のように「良いことがたくさんありますように」という意味が込められているとされています。 今でもこの3つがチプトゥリのプレゼントとしてよく知られてはいますが、実際にこれらを贈る人は減ってきているといいます。定番の生活用品よりは、相手の趣向を考えた贈り物が増えているとか。現在は、新居での生活で活用できるアロマキャンドル、スタンドランプなどのおしゃれな生活雑貨やインテリア用品、宴会で皆で楽しめるワインなどが人気を得ています。

またコーヒーメーカーなど比較的小型の電化製品、場合によってはモノではなくお金を渡すこともあるといいます。生活に役立つものという点では同じですが、以前のように特定のものではなく、相手を考えたプレゼントを様々に準備するのが今の傾向のようです。

韓国の引越し祝い・チプトゥリ
(画像=1980~90年代 チプトゥリの贈り物と言えばトイレットペーパー、洗剤、『韓国旅行コネスト』より引用)

出張ビュッフェに外食宴会の仕方も様々

韓国の引越し祝い・チプトゥリ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

チプトゥリと言えば、振舞われる料理も楽しみのひとつ。招く家では手によりをかけて豪華な食事を準備し、客をもてなすのが一般的でした。招待された人たちは新居を見物し、用意された料理とお酒を楽しみながら、新生活の始まりに乾杯しました。

またチプトゥリに欠かせないものに、花札があります。宴会での定番遊びとして親しまれ、朝まで決戦が繰り広げられることもよくありました。 しかし近頃では準備する食事も惣菜を買ってきたり、出前や出張ビュッフェを頼む家庭も多くなりました。食事は外で済ませ、家では簡単にお茶だけという場合もあるといいます。また長居せずに席を外す訪問客もおり、朝まで酒をかわし花札に燃える大人たちの姿は以前のようには見られなくなっています。家主や招待客によってチプトゥリの仕方も多様化しているようです。

共に祝う気持ちは一緒形式にとらわれず気軽に参加してみよう

韓国の引越し祝い・チプトゥリ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

時代の流れと共に変化している韓国のチプトゥリ文化ですが、新居で迎える新しい生活を共に祝うという心は今も変わりません。大事なのは気持ちですから、もし韓国でチプトゥリに招かれたら自分なりの贈り物を準備して韓国の引っ越し祝いを体感してみてください。

提供・韓国旅行コネスト

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