全長200mほどの石畳通りに駄菓子の製造・販売業者などが約30軒並ぶ「菓子屋横丁」。都内から一番近い城下町として栄えた、埼玉県川越市にあり、老若男女を問わず多くの人が訪れる観光スポットです。今回は菓子屋横丁を実際に訪れて、そのアクセス情報から、横丁の歩き方、人気のお店、お土産物店、そして併せて寄りたい周辺スポットを紹介します。

菓子屋横丁とは?

菓子屋横丁は。埼玉県川越市の観光スポットのひとつで、ぐるりと四角形になっている全長200mほどの石畳通りに、昔風情を残す駄菓子の製造・販売業者などが約30軒並びます(2021年8月末時点)。飴やカルメ焼きといった駄菓子のほか、せんべいやまんじゅうといった食べ歩きグルメを販売するお店もたくさんあります。

「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=蔵造りの建物が並ぶ通りのそばにある観光案内所。元々呉服店だった建物を修復したもので、内部は土蔵造りになっている、『あそびのノート』より引用)

川越は、江戸に最も近い城下町として繁栄し、物資の集散地でもありました。そんななか、幕末に住吉屋岩蔵が松平大和守斉典候の蔵米の払い下げを受けたことから、飴製造を始めたのがこの地で菓子作りが行われるようになった起源です。

そして明治時代初期にこの地で鈴木藤左衛門が松本屋(現在の「松陸」)を開店し、飴などの菓子作りをスタート。同店が元となり、横丁が作られていきました。1923(大正12)年の関東大震災後は、東京に代わり駄菓子の製造・供給も始め、昭和初期には横丁とその周辺で70軒もの店が立ち並ぶなど、賑わいを見せていたようです。

「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=『あそびのノート』より引用)

しかし、その後第二次世界大戦の食糧統制によって自由に菓子作りができなくなります。兵隊に行き、戻らなかった菓子職人もいました。創業100年、4代にわたって飴を作り、技術と菓子屋横丁の伝統を守っているお店「玉力製菓」主人の久保田さん(写真右)の話によれば、この時期に多くの店が営業をやめ、残ったのはわずか4軒だったそう。

戦後数年経って商売を再開する店が増えると、高度成長期の始まりというタイミングもあり、1950年代半ば頃には生産が注文に追いつかないほどでしたが、次第にスーパーマーケットの進出や大手メーカーの大量生産体制などに押され、横丁は再び衰退の危機に瀕します。

久保田さんのお母様(写真左)は、「外に勤めに出ていく人もたくさんいました。うちは飴しか頭になくてねえ。いくら景気が悪くても、やるしかなかったの」と当時を回想しながら、「でも、1980年代半ば頃から行政が観光に力を入れてくれるようになったんです。職人がいなくなってきているということもあり、この横丁を残そうという動きが出て、今に至っています」と話します。

官民一体の運動により、1986年には「川越菓子屋横丁会」が結成。国土交通省の「歴みち」事業第一号として、1990年~1991年には石畳化・電柱埋蔵化など町並みが整備されるほか、2013年11月には、環境省の「豊かなかおりとその源となる自然や文化・生活を一体として将来に残し、伝えていく」というコンセプトのもと、 “かおり風景100選”に認定されました。

「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=和と洋、どちらの空気も堪能できる大正浪漫夢通り。洋風建築も見どころだ、『あそびのノート』より引用)

菓子屋横丁の魅力は、何といっても“下町情緒”。昔ながらの家屋や駄菓子に、まるでタイムスリップしたような気分が味わえます。歩いてぐるりと一周するだけならものの数分ですが、何周もグルグルと周りたくなり、そして周る度に新発見があるものだから、気がつけばあっという間に数時間。周辺も蔵造りの建物や、大正~昭和のレトロモダンな雰囲気を残す「大正浪漫夢通り」などがあり、散策にはうってつけです。

【菓子屋横丁へのアクセス】

「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=駅からのアクセスに便利なマップ。小江戸川越観光協会サイトからダウンロード可能、『あそびのノート』より引用)

【電車+徒歩】

電車を利用する場合、JR・東武東上線「川越」駅あるいは西武新宿線「本川越」駅で下車。駅から歩く場合、「川越」駅からは約30分、「本川越」駅からは約15分です。川越から本川越に続く道も下町の空気感を楽しめ、意外とあっという間に着きますよ。

「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=川越駅前の商店街「クレアモール」。菓子屋横丁に向かうには、この商店街をぐんぐん進む、『あそびのノート』より引用)

【電車+バス】

・小江戸巡回バス「E15:菓子屋横丁」より徒歩0分 ※小江戸巡回バスには500円で乗り放題になる「1日フリー乗車券」がある。 ・東武バス 神明町車庫行きほか(蔵のまち経由)「札の辻」より徒歩3分 ・小江戸名所めぐりバス「札の辻」より徒歩4分

【電車+レンタルサイクル】

「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=川越駅にあるステーションマップ、『あそびのノート』より引用)

川越市では、自転車シェアリング事業を行っています(2018年から5年間予定)。料金は15分あたり60円(1日最大1,000円)で、利用可能時間は0時~24時。借りた場所以外でも自転車を返却することが可能です。また市内にある「サイクルセンターしも」では、普通自転車は1日1回700円、電動アシスト自転車は1日1回1100円で利用することが可能。こちらの利用可能時間は営業時間内である10時~19時となっています。

「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=駅のそばにもステーションがあり、利便性抜群だ、『あそびのノート』より引用)

自転車は空気が抜けていることもあるので、乗る前に必ず確認しましょう。もし解錠後すぐに気がついたら、問い合わせにより返金対応もしてくれます。

【車の場合】

関越自動車道「川越」ICより約20分、圏央道「挟山日高」ICより約34分です。菓子屋横丁周辺にはいくつも駐車場があるので、車でお出かけしてもいいですね。

【駐車場情報】

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(画像=「らくだプラザ菓子屋横丁」、『あそびのノート』より引用)
「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=「らくだプラザ菓子屋横丁No弐」、『あそびのノート』より引用)

最も近い駐車場は菓子屋横丁の通り沿いにある「らくだプラザ菓子屋横丁No弐」ですが、「らくだプラザ菓子屋横丁」も菓子屋横丁の目の前です。いずれも9:00~18:00の間は平日が30分300円(1日最大1000円)、土日祝は30分500円。

「菓子屋横丁」は食べ歩きも、昔ながらの風情も味わえる!営業時間やアクセス方法もご紹介
(画像=川越駅構内にある観光案内所、『あそびのノート』より引用)

【スポット詳細】 ・スポット名称:菓子屋横丁(カシヤヨコチョウ)
・所在地:〒350-0062 埼玉県川越市元町2丁目
・入場料:無料
・営業時間:店によって異なる
・休日:月曜日が多いが、不定休の店舗もある。目当てのお店がある場合は事前に確認を
・問い合わせ先:049-222-5556(川越駅観光案内所)

【浴衣レンタル情報】

川越は着物・浴衣レンタルのお店も多く、レンタルして着替え、風情残る川越の街歩きを楽しめます。クレアモール商店街や大正浪漫夢通り周辺にもいくつかあるのでご紹介します。

レンタルする場合、着ていた洋服はお店で預かってもらえますし、着付けもお任せ。ヘアセットも別途注文すればやってくれます。レンタルには着物・浴衣、帯、紐や下着といった小物類、履物、手提げバック、着付け代が含まれ、1日5時間ほどのパックで女性2,000円前後、男性3,000円前後~というお店が多いようです。

・きものや沙羅
大正浪漫夢通りから少し横に入ったところにある「きものや沙羅」。レトロ着物を中心に、現代風の華やかなものまで数百点のアイテムを用意しています。

【スポット詳細】
所在地:埼玉県川越市連雀町8-4
営業時間:10:00~18:00
定休日:なし
電話番号:049-227-6898

・川越着物レンタル古都
浅草や鎌倉にもあるお店の系列店。クレアモール商店街沿いにあり、駅からのアクセスも◎。

【スポット詳細】
所在地:川越市新富町1-8-3
営業時間:9:30~18:00
定休日:なし
電話番号:049-298-5541

・NANAKO
こちらもクレアモール商店街沿いにあるお店。おしゃれな小物も取り揃えています。

【スポット詳細】
所在地:川越市新富町1-16-6 JOY7ビル3F
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜日
電話番号:0120-751-776