令和3年3月から、マイナンバーカードの健康保険証としての利用と、特定検診の情報連携がスタートしました。
試験的に3月4日から一部の医療機関・薬局で運用が始まりました(3月下旬には全国的に本格運用予定とされていましたが、トラブルもあり全国での運用は先送りになったと3月25日時事通信社のニュースで公表されています。)が、ゆくゆくは全国に広まる予定です。
また、10月からは薬剤情報、医療費通知情報の連携もスタート予定です。
今回は、マイナンバーカードを保険証利用するってどういうこと?メリットや、利用する場合の手続きについてわかりやすく紹介していきます!
マイナンバーカードの保険証利用、便利な4つの機能
マイナンバーカードの保険証利用がスタートすると、4つの便利な機能があるとされています。
•便利な機能1.薬剤情報が確認できる
本人が同意をすれば、医療機関や薬局で、過去の薬剤情報を確認することができるようになります。
令和3年9月診療以降の情報を、10月頃から閲覧できるようになる見込みです。
病院に行ったときに「今飲んでいるお薬はありますか?」「前にどの薬を飲んでいたかわかりますか?」と言われることがあってもデータがあれば安心ですよね。
•便利な機能2.マイナポータルでいつでも確認OK!
マイナポータルで、過去の薬剤情報、特定検診情報をいつでも閲覧できるようになります(薬剤情報は10月から)。
マイナポータルはパソコンでもスマートフォンでも確認ができるので、どこでも確認したいときに見ることができます。
いつ、どこの病院で、どんな薬を処方されたか…を覚えていなくてもよくなります。
▼特定検診情報とは
▼薬剤情報とは
•便利な機能3.一時支払いの手続きが不要に!
医療機関、薬局での限度額以上の一時支払い手続きが不要になります。
今までは急な入院をするときや費用が高額な治療を受ける場合、事前に手続きをしておかないと、その場で一時金の支払いが必要でした。
これからは、医療機関、薬局で限度額以上の医療費一時支払いの手続きが不要になります。急な入院時に便利そうですね。
•便利な機能4.確定申告のデータ連携が可能に
確定申告書の作成の際、医療費通知情報がデータ連携できるようになります。マイナポータルからe-taxに情報連携ができるので、オンラインで確定申告が完結します。
確定申告時に、領収書の整理や申請がかんたんに!フリーランスや自営業の方にも嬉しいですね。
令和3年分所得税の確定申告から利用が可能になる予定です。
▼医療費通知情報とは
以下の情報が閲覧できます。
・受信者情報(氏名、性別、生年月日、年齢、保険者番号、被保険者証等記号・番号・枝番)
・医療費情報(総額、保険者負担額、公費負担額、窓口負担相当額、診療年月、診療区分、診療実日数、医療機関等名称)
※令和3年10月以降の情報を表示。3年間分を保存し、被保険者・被扶養者が任意に指定した範囲を閲覧可能。
ほかにも、
転職や結婚のタイミングでは、健康保険証がない期間もありましたよね。この時に病院を受診すると、一時的に医療費が全額負担になります。
マイナンバーカードの健康保険証利用をすれば、健康保険証の発行手続きをしている間にも利用することができるので、自己負担額のみの支払いで済みます(手続き自体は必要です)。
どこでマイナンバーカードの健康保険証利用ができる?
「マイナ受付」のステッカーや、ポスターが貼ってある医療機関、薬局で使用することができます。
申し込みが必須!事前申し込みの方法は…
•1.マイナポータルから申し込み
マイナンバーカードと暗証番号を準備してから、マイナポータルAP(アプリ)をインストールして行います。 手続きにはマイナンバーカード読み取り対応のスマートフォンか、ICカードリーダーをつないだパソコンが必要なので注意してください。 アプリ起動後、「健康保険証利用申し込み」を選択肢し、マイナンバーカードを読み取れば申し込みが完了します。•2.セブン銀行ATM
令和3年3月26日から、セブン銀行のATMでも手続きができるようになります。
•3.薬局
一部の薬局でも申し込みのサポートをしてもらえます。
いざ!マイナンバーカードを保険証として使ってみよう♪
•受付
顔認証付きカードリーダーで受付をすることができます。
マイナンバーカードを読み込み部分にセットして、本人確認を行います。
本人確認は顔認証、暗証番号入力のいずれかで行えます。
•同意取得
また、受付辞典で「調剤情報/特定検診情報閲覧にかかわる同意」をします。
この同意をすることで、過去に処方された薬や、検診の結果を医師や薬剤師が確認することができます。
おくすり手帳を持っていない旅行先での受診や、災害時であっても、マイナンバーカードがあれば薬の情報が連携されますね。
「同意しない」を選ぶこともできます。高額医療費制度を使用しない場合は、これで受付完了です。
•同意取得2
高額医療費制度を使用する場合は、「限度額適用認定証等の情報提供にかかわる同意」を選択します。
限度額情報を提供しますか?と表示されるので、利用する場合は提供する、しない場合は提供しないを選択します。
•受付完了!
マイナンバーカードを忘れずに持ち、待合室で待ちましょう。
気になるQ&A
•いつから使えるの?全国どこでも使える?
2021年3月から使えるようになりますが、順次スタートしていきます。まだ導入されていない医療機関、薬局ではいままでとおり健康保険証が必要です。
まだ利用できる病院や薬局は少ないですが、利用できる施設はこちらを確認してみてください。
厚生労働省のホームページに順次追加されていきます。
•健康保険証が使えなくなるって言うこと?
マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになる、というだけで、健康保険証は従来通り使用することができます。
•子どもなど、本人が顔認証つきカードリーダーを操作できない場合は?
親などの代理人が操作することになります。子どものマイナンバーカードをカードリーダーに置き、暗証番号を親などの代理人が入力します。
•マイナンバーカードを持ち歩きたくない、、
子どもに持たせたり、自分が持ち歩くのも不安、という気持ちもあるのではないでしょうか。
公式リーフレットによると「健康保険証として使えるようになっても、受信歴や薬剤情報などのプライバシー性の高い情報はカードのICチップに入ることはありません。落としたりなくしたりした場合は、フリーダイヤルで24時間365日体制で一時利用停止を受け付けています」とされています。
マイナンバーカードの紛失や盗難による利用停止は 0210-95-0178 (上記でつながらない場合、050-3818-1250 )
また、受付で診察券と一緒に預けることもありません。本人確認が終わったら忘れずに持ち帰りましょう。
•マイナンバーカードを保険証として使える機能は上記で終わり?
今後、もっと機能が拡大されていく見込みです。
令和4年夏には、手術、移植、透析、医療機関名の情報も医師や薬局と共有できるようになり、電子処方箋の仕組みが変わり薬剤情報の共有がリアルタイムになるとされています。
ゆくゆく生活保護受給者の医療券も対象にするなど、これからもっと活用されるようになっていくことになりそうです。
最後に
今回は、マイナンバーカードの保険証利用についてご紹介しました。
保険証利用をすると、
・過去に処方された薬の情報が、医師や薬剤師と共有できる
・マイナポータルから薬剤情報、特定検診情報をいつでも確認できる
・限度額以上の一時支払い手続きが不要になる
・確定申告時に医療費申請がスムーズに
というメリットがあります。
また、転職時や、結婚などで保険証の発行を行っている間にもマイナンバーカードがあれば自己負担額のみで病院を受診することができます。
新型コロナウイルス感染拡大対策のための定額給付金や、マイナポイント還元事業など、マイナンバーカードを活用した取り組みが多くなってきました。マイナンバーカードの利用範囲は今後も拡大していきそうですね。
提供・しゅふJOBナビ
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