韓国ドラマでよく登場する財閥。ヒロインがピンチの時に颯爽と現れて助けてくれる財閥の御曹司や、苦労知らずの遊び人など登場人物の設定はさまざまですが、定番である分韓国人の暮らしに溶け込んでいることは確か。 実際のところ財閥とは何なのか?どんな企業があるのか?韓国の財閥に関する気になるアレコレをまとめてみました。
1.財閥って何?日本と韓国では違うの?
財閥とは、巨大資本を持つ同族による血縁的企業体制、つまり同族経営で成り立つ大企業のことです。
日本では戦前三井、三菱、住友などの財閥がありましたが、1947年にGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による占領政策の一環で解体。
一方、韓国では1999年に経営破綻で事実上解体した大宇(デウ)を除いては、各財閥が解体されることなく成長を遂げ、多くの系列企業を抱える巨大な企業グループへ。
サムスン、現代(ヒョンデ、またはヒュンダイ)、SK、LGの4大企業だけでもGDP(国内総生産)の60%を占めるほど、韓国の経済に多大な影響を与えています(2016年時点)。
2.韓国の財閥の歴史
1950年代~:形成
韓国の財閥が形成され始めたのは、1945年に日本の植民地支配から解放されてから。
帰属財産処理法の施行で日本人の遺留資産が民間に払い下げられたり、天下り目的の特例融資、外貨借款が導入されたことで、一部企業が力をつけ始めました。
1960年代~:韓国国内での成長
1960年代以降、韓国は「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる急速な経済成長期を迎えます。
この際、当時の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の独裁政権下で、政権と関係の深い特定の財閥に有利な経済政策が行なわれました(いわゆる「政経癒着」)。
これが「朴正熙が財閥を育てた」と言われる所以です。
2000年代~:グローバル化
1997年の韓国通貨危機(いわゆる「IMF事態」)により、韓宝(ハンボ)製鉄(現 現代製鉄)など一部財閥が倒産しましたが、生き残った財閥は大胆なリストラを進めて企業体質を強化。
また、縮小した韓国国内市場に代わる市場開拓のためにグローバル志向が強まり、結果的にサムスン電子のスマートフォン「Galaxy(ギャラクシー)」のように、世界で通用する品質、デザインを備えた商品を生産するグローバル企業が生まれることになりました。
3.韓国の財閥ってどんな企業があるの?
韓国の大企業ランキングTOP15
韓国公正取引委員会では、毎年4月に資産総額10兆ウォン以上の大企業ランキングを発表(資産総額については、2016年9月30日に5兆ウォンから10兆ウォンに上方修正)。
電子産業を中心とするサムスンを筆頭に、現代自動車、通信産業メインのSKやLG、日本では製菓でお馴染みのロッテなど、財閥企業がかなりの割合を占めていることが分かります。
4.コンビニや大型マート、身近にある財閥が運営中のお店って?
既存事業に加え、買収などを繰り返し多岐に渡って事業の拡大を行なってきた韓国の財閥。そのため、ロッテのように製菓だけでなくホテルやテーマパーク、金融までタコ足のように幅広く扱っていることが特徴でもあり、日常生活に密着度の高いお店も数多く経営しています。
コンビニ
大型マート
免税店
百貨店
ドラッグストア
映画館
航空会社
5.韓国ドラマの定番御曹司キャラ3
韓国ドラマでよく登場するのが、庶民派ヒロインと恋に落ちる御曹司たち。現実的にはなかなかありえない!?でも、多くの視聴者をメロメロにした御曹司キャラを3人ご紹介します。
6.韓国の財閥は無敵?
2014年、世間を騒がせた「ナッツ・リターン」。大韓航空の元副社長チョ・ヒョナが、ファーストクラスで客室乗務員のナッツの出し方に激怒し、旅客機を搭乗ゲートに引き返させた事件で、韓国だけでなく世界中で報道され話題となりました。
大韓航空は財閥企業・韓進の系列企業。チョ・ヒョナは韓進のチョ・ヤンホ会長の長女で、この一件で後継者の非常識な行動が大きなバッシングを受けました。
同族経営で成り立つ韓国の財閥では、2世や3世は一般社員と異なり入社から数年で役員に昇進する超エリートコースが最初から約束されていることがほとんど。
これからは後継者の時代ですが、「ナッツ・リターン」で露呈した傲慢さでも分かるように、絶対的な世襲が改善されない限り、財閥の栄光は長く続かないかもしれません。
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