よく「日本一危険な○○」なんて言い方で紹介される場所がありますが、これをもっとワールドワイドに表現した「世界一危険な○○」と呼ばれるスポットも地球上には数多く存在します。

 なかでも“世界一危険な山道”がある山として有名なのが中国陝西省の華山。

古くから仙人が棲む山と言われ、昔は日本にも修験者たちが修業する山が各地にありましたが、この華山も道教(どうきょう)の修行地で神聖な場所とされています。

 ただし、今は人気観光地となっており、コロナ前は日本人旅行者も多く訪れていました。そんな華山の目玉のひとつが世界一危険な山道の異名を持つ長空桟道(さんどう)。

 5年前に夫婦旅行で現地を訪れた裕木佐奈さん(仮名・34歳)は、果敢(かかん)にもこの道を実際に歩いたといいます。

最初は歩くつもりはなく、眺めるだけの予定だった

「山水画に出てきそうな先のとがった山が連なっていて、長空桟道は頂上に近い断崖絶壁の岩場に架かっている人ひとりがやっと通れるくらいの細い道。

 鉄製になっている道もあれば、底が抜けそうな板張りの箇所もあって高所恐怖症じゃなくても足がすくむ怖さです。今になってみれば、よくあんな場所歩けたなって思います(笑)」

世界一危険な山道に行ってみたら、夫がビビってひとりで挑戦することに
(画像=『女子SPA!』より引用)

ちなみにこのときの旅行の目的は、夫が大ファンだった人気コミック『キングダム』の聖地巡り。華山は物語とは直接関係ありませんが、始皇帝の墓所として知られる帝陵や兵馬俑のある西安から1時間ほどで来れるらしく、せっかくだからと足を伸ばして訪れたそうです。

「ガイドブックやネットで旅先の情報を調べていたら華山のことを知り、行ってみたくなって旦那にリクエストしたんです。けど、長空桟道は眺めるだけの予定でした。それなのに『せっかくだから歩いてみようよ』って言われて……」

 華山は5つの峰から構成され、うち4つは2000~2100メートル級。麓からは登山道が階段になっているので登りやすいですが、約7000段もあって傾斜がキツいところも。さすがにそこを登る体力も時間もなかったため、ロープウェイで一気に山の中腹まで上がったそうです。

世界一危険な山道に行ってみたら、夫がビビってひとりで挑戦することに
(画像=山の中腹まではロープウェイで移動、『女子SPA!』より引用)

夫は直前でリタイア。ひとりで挑戦することに…

「訪れたのは平日でしたが、有名観光地だけあってかなり混んでました。しかも、ロープウェイの山麓駅は、長い行列ができていて乗るまで40分待ち。それでも天気は晴れているのに山の上のほうはガスがかかっていて、本当に仙人が居そうな雰囲気の場所でした」

 山の中腹にロープウェイが着いてから、歩いて登りますが、登山道も両サイドの柵から外に出たら滑落は避けられないという場所にあったそうです。

夫は直前でリタイア。ひとりで挑戦することに…

「訪れたのは平日でしたが、有名観光地だけあってかなり混んでました。しかも、ロープウェイの山麓駅は、長い行列ができていて乗るまで40分待ち。それでも天気は晴れているのに山の上のほうはガスがかかっていて、本当に仙人が居そうな雰囲気の場所でした」

 山の中腹にロープウェイが着いてから、歩いて登りますが、登山道も両サイドの柵から外に出たら滑落は避けられないという場所にあったそうです。

世界一危険な山道に行ってみたら、夫がビビってひとりで挑戦することに
(画像=階段状になっている登山道。ただし、勾配が急な箇所も 、『女子SPA!』より引用)

ただし、目当ての長空桟道の危険度はこんなレベルじゃなかったそうです。

「距離は100メートルほどでしたが、切り立った崖に幅30センチほどの道と呼ぶにはあまりにせますぎる足場が続いていました。

 でも、そこに行くにはまず崖を10メートルほど下りなければならず、最初は夫婦2人で挑戦する予定でしたが『やっぱり無理……』と直前になってリタイア。それで結局、私ひとりで行くことになったんです」