参加者へのリスペクトを感じる番組だった
私が「アタック25」に出演したのは10年以上前。司会者も交代し、だいぶ前の話になりますが、ネットに転がっているその後に出演した参加者の体験記やレポを見ていると、今でも私の頃とさほど変わっていないようです。
しかも、どのレポートも番組を悪く言うようなものはなく、いい思い出となったことを口を揃えて言っています。このSNSの時代、クイズに限らず素人参加番組で、参加者に対し少しでも雑な扱いやヤラセの強要が発生すれば、口止めをしていてもすぐにばれてしまいます。
今までも賞金が払われなかったり賞品が渡されなかったりのトラブル、エキストラを入れての数合わせ、出来レースや過剰な演出など、多くの番組が過去に問題として取り上げられてきました。それによって、番組のシステムを変えざるをえなかった番組、そのまま終了となった番組もあります。
しかし、「アタック25」でそのような問題はほとんど出てきません。その理由は、“参加者の扱いが丁寧で手厚い”ということであると、参加体験を回顧して実感しました。番組側は毎週放映される多くの出演者のひとりでも、その人にとっては一生の思い出になるのですから。
他の番組に参加した時とは全然ちがった
別の素人参加番組にも参加申し込みをしたことがあるのですが、申し込んですぐ、3日後の収録に来てくださいと言われました。もちろん交通費は出ません。仕事もあったので調整は難しく、お断りをしました。また別のクイズ番組に参加した際には、大勢参加ということもあり、一瞬もテレビに映らず終了。あまりいい思い出はありません。
一方「アタック25」はトップでなくても獲得したパネル分だけの賞金や参加賞などが多く、出場者個々の見せ場も用意され、優勝はできずともかなりいい気分で収録を終えることが出来ます。
準備期間も十分で、交通費や家族観覧の配慮も十分。スタジオで児玉さんと記念撮影もしていただけましたし、1日だけスターになった気分になりました。失敗や恥ずかしい部分は放映で結果に支障がないようにカットされ、スタッフの気遣いも感じることが出来ました。
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放映終了の報道に、SNSやニュースコメントで多くの視聴者の悲しみの声が寄せられました。きっと、いつかは自分も出たいと思っていた人も多いでしょう。5年経つと再出場が可能なため、私もいつかリベンジしたいと思っていました。
タレントの千秋さんも、お母様が出場経験があるということで、惜別のコメントをTwitterで寄せています。これだけ愛されていた番組ですから、なんとか今からでも存続させることはできないのでしょうか。
いち出場経験者として、まるで母校がなくなってしまうような気持ちです。
<文/小政りょう> 小政りょう 映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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