子どもを持たない女性たちが近年増えています。生涯独身や子なし夫婦などケースは様々ですが、子どもがいないことで自分自身やパートナーとの関係に時間とお金をかけられ、子育てとは別の充実した人生を歩めるという見方もあります。
ですがまだ少数派であるこの生き方は、社会にある「女は子どもを産むべき」といった旧時代の価値観と向き合うこととも隣り合わせ。中には、傷ついたり生きづらさを感じたりする人も多いようです。
前回記事ではそんな彼女たちの生きづらさについて、子を持たない人生を決めた女性を応援する「マダネ プロジェクト」の代表・くどうみやこさんに話を聞きました。今回は、子を持たない選択をした女性たちが、どのように苦しみを昇華させ、自分らしい人生を見つけようとしているかを話してもらいました(以下、コメント全てくどうさん)。
子がいないことで抱えるモヤモヤとは
現在はコロナもあり、インターネット開催となっている“子どもがいない女性の会”。そこでは、どんなふうに皆さん分かち合いをしているのでしょうか。
「会は8~10人ほどのグループに分け、ファシリテーターを入れて自己紹介や子がいない経緯について話をしていきます。また、いつも他の参加者に聞いてみたいことを質問としてあげていただくのですが、日頃感じている悩みや、ブラックトーク的なものが共感を得たりしますね」
たとえば働いている人の場合、産休育休メンバーのフォローに回ることが多くてモヤッとすることがあるけど、他の方はどうしているかといった話や、老後のことや子を持つ友達との付き合い方もよく出る話題だそう。
黒い気持ちも、分かち合うだけでほぐれていく
「ブラックな気持ちも、皆さんここだから言える部分はあり話題にあがりやすいです。年賀状の子どもの写真にモヤッとするとか、SNSで周りの子どもの成長を見るのが辛いとか。人の子をそんなにかわいいと思えないという声もあります。また友達同士で集まると、どうしても子持ちの中に子なしの自分が入ることが多く、2時間ずっと子どもの話……なんて事になり、困り果てるという悩みも聞きます」
4月15日に発売されたくどうさんの新刊『まんが 子どものいない私たちの生き方: おひとりさまでも、結婚してても。』(小学館刊)では、こういった子どものいない女性が感じるモヤモヤをマンガスタイルで紹介。本編では6名の子なし女性が登場し、それぞれの悩みが紐解かれていきます。
「開催を続けていく中で、嬉しい変化を感じることもあります。最初は気持ちを消化できずに泣いていた方が、2回3回と参加される中で感情を整理され、今では経験者として他の参加者の気持ちに寄り添う立場に変わっていく。これまで、会に参加することで気持ちが好転していく方をたくさん見てきましたが、言い出せない苦しさという問題には、今後も向き合っていきたいです」