汚れたファーストシューズを「お得だよ」と…
さらに沙也加さんは、いやな思いをしたそうです。
「どうも自分が着ていた服を譲ることが名残惜しそうな真央の娘が私のところに寄ってきて、『うー』とうなって泣き出すんです。まるで、私が服を持っていっちゃう悪者みたいになっちゃって。それなのに真央は『これは、助け合い。いいことをしているの』と、上目線から物を言うんですよ」
しかし、真央さんの“助け合い”は、これだけでは終わらなかったそう。
「真央も娘も足が大きいんです。その娘が履いた、汚れたファーストシューズも持ち出して『持っていきなよ』って。一度は断ったのに、『お得だよ』と言って、返せない雰囲気……。荷物は増えるし、悲しい気分になりましたね。
帰り道、貰った服のタグをみたら、真央の子ではない名前が書いてあって……。お古のお古をくれたわけですよね。これにはもう、距離を置こうと思いました」
先輩ママとしてよかれと思ってしたことが、“おせっかい”になってしまった例です。距離を置かれてしまった真央さんはちょっと気の毒ですが、お古の感覚は人それぞれ。本当に相手のためになっているのか、考えて行う必要がありそうです。
<取材・文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/カツオ>