推しは作るものじゃない、突然やってくるんです

「推しは作るものじゃない、突然やってくるんです」アラフォーおっかけ漫画家に聞く
(画像=©竹内佐千子 集英社、『女子SPA!』より引用)

K:私は『沼の中で不惑を迎えます。 輝くな! アラフォーおっかけレズビアン!』の連載を読んでる途中から推しができたので、読み方が途中から変わりました。同じ動画を何度も観るのは「わかる~」ってなるけど、同じCDを12枚買うのはわからなくて、オタク心にもグラデーションがあるんだなと思いながら拝読してました。

竹内:ほんとですね。推し活にも十人十色いろいろあるのに、「推しを作ると幸せだよ」って暴力的に言ってくるテレビ! 推しは作るものじゃないんですよ、推しは突然やってくるんです。こんな世の中になっちまったんで、この本を投下して相殺されないかなと(笑)。

エイチ:本のカバーデザインの相談をしていた時に、竹内さんが「私のことをダイバーシティとかハートフルなものを描く人間だと思ってる人たちを斧で追い払いたい」と仰って…。「そういう本にしたいんだ!」という強いご意向で。

竹内:確固たる意志がそこにはありました。

エイチ:そんな気持ちで描いていたんだ!?って驚いて(笑)。でも、アラフォーって「共感」とか「わかり合える」みたいな口当たりのいい言葉が、嘘じゃんって気づく年齢でもあるんですよね。だから、当たり障りのないことを言うよりは、切実さだけがそこに残るような本になればいいなって思ってました。確かに、ハートウォーミングな本にはならなかったですね(笑)。

竹内:これを機に、私にハートウォーミングな話を振るのはやめてねという決意表明みたいな本でもあります。それを言えるようになってきたのも、アラフォーになってよかったことかなと思います。若い頃は言えなかったし、気づいてなかったのもありますね。なんでみんなこんなに私のこと「いい人」だと思ってるんだろうって。

 弱者とかマイノリティに属する人は優しいと思ってる人が多いんですよね。そんなことねえぞ! あっ、でも『赤ちゃん本部長』もよろしく(笑)。『赤ちゃん本部長』も最初は結構抵抗してて、SDGsに貢献したいわけじゃないぞ!って気持ちでいたんですけど、もう最近は開き直ってきちゃって、そのために描きましたけど何か?みたいな顔してます(笑)。この本があって、『赤ちゃん本部長』もあって、それは全然矛盾することじゃないからね、って言いたいです。

「推しは作るものじゃない、突然やってくるんです」アラフォーおっかけ漫画家に聞く
(画像=武田本部長47歳。ある朝突然、頭の中はそのままで体だけが赤ん坊という状態に… 竹内佐千子『赤ちゃん本部長1 (ワイドKC)』講談社、『女子SPA!』より引用)

アラフォーは元気がなくて当たり前じゃないですか

――アラフォーはノストラダムスの予言を聞いて育ったせいで「明日死ぬかもしれない」と思いがちだし、「死」の不安よりも「生」の不安の方が強いのではないかという考察は、身につまされました。つい無茶しがちなアラフォーに向けて、メッセージをお願いします。

竹内:アラフォーって気持ちと体の年齢が合ってない世代だと思うんです。体が先に衰えて気持ちは若いままとか、その逆の人もいるだろうし。元気じゃなくなってきたからって、キューピーコーワゴールド飲んだりとかそういうことに頼らないで、無茶がきかなくなってるんだし、毎日疲れてるしだるいのが当たり前だと思って、お願いだから元気を出そうと頑張らないで欲しい。

 自分に毎日言い聞かせてることですけど(笑)元気がなくて当たり前じゃないですか。まだ元気じゃないといけないみたいなプレッシャーのある世代でもあると思うんですけど。

 あと、コロナ禍になって1年半くらい経って、周りのアラフォーの友達を見てると、本っっ当にアルコール依存症一歩手前までいってる子が何人かいて。アラフォーから酔い方も変わってきます。酔った自分がどれだけヤバいか気がついて。そしてお酒の飲み過ぎだけは気をつけて…と。

エイチ:私もお酒で身を滅ぼしかけたことのある人間ですので、人のことは言えないんですけど、最近はノンアルコール飲料っていろいろあるじゃないですか。

 ノンアルにちょっと酒を入れて飲むっていう最高の飲み方を見つけたんですよ。ノンアルコール飲料っていかに本物のお酒の味を再現するかに賭けているので、それに本物の酒を入れることで、酒より酒らしい「酒のイデア(理想形)」みたいなものができるんです。酒量が気になる方におすすめのライフハックです。

竹内:全然わかんない!!(爆笑)

「推しは作るものじゃない、突然やってくるんです」アラフォーおっかけ漫画家に聞く
(画像=©竹内佐千子 集英社、『女子SPA!』より引用)

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 作者は「私たちはわかり合えない(だから面白い)」というスタンスを崩さない。竹内佐千子の作品が、あらゆる層に受け入れられる所以(ゆえん)だろう。 オタクじゃない人もアラフォーじゃない人も、赤裸々な「決意表明」を楽しんで欲しい。

【漫画第一話を読む】⇒『沼の中で不惑を迎えます。 輝くな! アラフォーおっかけレズビアン!』第1話 【作者・竹内佐千子さんwith担当編集エイチさんインタビュー記事】⇒前編はこちら 【他の記事を読む】⇒47歳本部長が突然赤ちゃんに!安田顕の声でアニメ化『赤ちゃん本部長』原作者に秘話を聞く

<文/藍川じゅん> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 藍川じゅん 80年生。フリーライター。ハンドルネームは永田王。著作に『女の性欲解消日記』(eロマンス新書)など。

提供・女子SPA!



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