ゴールドコーストから3時間弱で行ける「スタンソープ」。日本人には馴染みのない名前ですが、クイーンズランドの地元民にとっては「週末プチ旅行」の定番スポットです。今回はそのスタンソープの楽しみ方をご紹介します。
スタンソープとは
今回お話しするのはクイーンズランド州(QLD)の州都ブリスベンの南200km、お隣のニューサウスウエールズ州(州都はシドニー)との州境にある「グラネットベルト(Granite Belt)」と呼ばれる地域で、南北約50キロメートル、東西約25キロメートルにわたる比較的大きな地域です。
この地域には「アップルソープ」「グレンアプリン」「バランディーン」などのたくさんの街があるのですが、この地域の中心が「スタンソープ」という街なので、地元の人々はグラネットベルト地域全体をスタンソープと呼んでいます。
ちなみに以下の写真は、そんなスタンソープ地域の中心地となっている「スタンソープ」の街の様子です。役所やスーパー、ホテルやレストランはここに集中しています。
なお、以下よりこの記事で触れている「スタンソープ」は、街としての「スタンソープ」ではなく、エリアとしての「スタンソープ」を指します。
ゴールドコーストでは見られない風景
一年中温暖なクイーンズランドの主要都市(ブリスベンやゴールドコースト、サンシャインコース)に比べて、このスタンソープは内陸部の高地にあるため、四季の変化が顕著です。
私たち日本人にとっては珍しくない事ですが、クイーンズランダー(QLDの地元民)にとっては、「赤や黄色に彩られた紅葉」や「牧草地の朝露」「暖炉にあたりながら楽しむ雪景色」は、ほんとうに非日常!
ということで、スタンソープは秋から冬にかけてが観光シーズンになります。
バランディーンでワイナリー巡り
スタンソープはリンゴや葡萄などの果樹の栽培が盛んで、ここで作られるイタリア種の葡萄を原料としたワインをつくるワイナリーが50近くあります。
イタリア種といっても色々あるのですが、サンジョヴェーゼ (Sangiovese)や、ムールヴェドル (Mourvedre)などオーストラリアのブドウの生産高の1%にも満たない稀少な品種を使っているということで有名です。
ワイナリーが多くあるのは「バランディーン」という街。セラードアと呼ばれるワインの試飲販売をする施設を持つワイナリーだけでなく、レストラン、宿泊施設をそなえた大掛かりなワイナリーなど、いろいろなスタイルのワイナリーがあります。
ご参考までに、筆者がある日に回ったワイナリーをご紹介します。
上の写真は「ゴールデングローブ・エステート」。比較的大きなワイナリーです。テイスティング代として5ドル(約420円)支払いますが、このワイナリーのワインを一本でも購入すればテイスティング代は返金されます。
こちらは「シンフォニーヒル・ワインズ」。ワインバーのようなおしゃれなセラードアです。真ん中にあるワイン「Danying」はオーナー夫妻が中国から迎えた養女の名前で、このワインの売り上げの何割かが彼女がいた孤児院に寄付されるんだそうです。
ワインはちょっと、、、という人にはクラフトビールの醸造所もありますよ。下の写真「グラネットベルト・ブルワリー」は、山小屋風の落ち着いた雰囲気でした。
ほかに、地元のりんごを使ったリンゴジュースやアップルサイダー(りんごの発泡酒)、りんご酢、アップルパイ、りんごジャムなども有名ですから、お酒が飲めない人はりんごを狙って行きましょう。
ちなみにこちらは筆者がお気に入りの「ピラミッドロード・ワイナリー」。残念ながら、2020年は煙害のため、収穫量が少なく全てのワインは売り切れ。セラードアーは休業中でした。