朝鮮半島の固有文字「ハングル」の誕生を記念する日
日本語にひらがな・カタカナがあるように、朝鮮半島にも固有の文字があります。それが朝鮮王朝第4代王、世宗(セジョン)大王によって創製された「ハングル」です。
「ハングルの日」とは、世宗大王の功績を称えるとともに、ハングルの普及・研究を奨励する日のこと。ハングルの解説書「訓民正音(フンミンジョンウン)」が公布されたと推定される10月9日に制定されています。
ハングルは「一般市民にも分かりやすい独自の文字を」という世宗大王の思いから考案された文字。「訓民正音」が公布された1446年当時の社会で支配層を中心に使用されていたのは、韓国語と言語体系が異なる中国の漢字でした。
たった1年間の幻の記念日「カギャの日」
はじめて「ハングルの日」記念式典が行われたのは1926年。「訓民正音」公布480周年を迎えた年でした。
しかし当時は「ハングルの日」ではなく、「カギャの日」と呼ばれていたそう。
ところで「カギャ」って一体何でしょう?実はこの時代、まだ「ハングル」という用語が一般的でなかったため、ハングルを学ぶ時「カ、ギャ、コ、ギョ…(ハングルの基本の反切表最上段を参照)」と発音しながら勉強していたことから「カギャの日」になったとか。 現在のように「ハングルの日」になったのは、翌年の1927年。「カギャの日」制定の中心となった朝鮮語研究会(国語学者団体)により、「ハングルの日」に改称されました。
様々な「ハングルの日」記念イベント
「ハングルの日」は、1970年に祝日として制定。1990年から2012年にかけては、公休日縮小の一環で祝日ではなくなりましたが、2013年より再び祝日となりました。
なお、2021年6月29日にすべての祝日に振替休日制度を適用する「公休日に関する法律」が国会で可決。2021年の「ハングルの日」当日は10月9日、振替休日は10月11日です。
「ハングルの日」の当日は、ソウル市内はもちろん、韓国各地で作文大会や記念式などハングルをテーマにした様々なイベントが開催されます。また、テレビや新聞では韓国語に関する特集番組や記事が組まれたりします。
世宗大王のハングル創製精神にちなみ、民族文化の発展に寄与した個人や団体に贈られる「世宗文化賞」の授賞式も、毎年「ハングルの日」の当日に行われます。
ハングルの偉大さに触れてみよう
「偉大なる(=ハン)文字(=グル)」の意を持つハングル。韓国語を勉強したことがある人なら、他の外国語に比べて随分覚えやすいと感じたことがある人もいるのではないでしょうか?
学びやすさだけでなく、すべての音を詳細に表記できる文字体系、他言語の影響を直接的に受けることなく作られた独創性など、ハングルには世界の言語学者も高く評価する優れた特徴があります。
また、文字の原理や使用に関して説明した「訓民正音」は、その理論の整然さから韓国の国宝第70号に指定され、1997年にはユネスコ世界記録遺産にも登録されました。 韓国語を学んでいる人はもちろん、そうでない人も、ハングルの日を機会にハングルの歴史やその仕組みに触れてみれば、今日韓国人が誇るハングルの素晴らしさを実感できるかもしれませんね。
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