ライター&コラムニストとして活動しているharakoです。この連載では、「女性の働き方」のヒントになるような内容をお送りしています。第74回目は、新しい情報を吸収する大切さについてです。

デジタルデトックスはメリットだけ?

パソコンやスマホ、タブレットなどデジタル機器が増えるにつれて、情報が簡単に手に入るようになりました。インターネット検索をはじめ、TwitterやInstagram、Tumblr、YouTube、気持ちを発信するブログ、リアルな人脈とつながるFacebook、Linkedinなど、本当に便利なコミュニティツールばかりですよね。

しかし、その便利さがゆえに、マウンティングやキラキラ投稿から「疲れ」を感じてデジタルデトックスをする人も多いのではないでしょうか。

私自身も、元々はSNSを積極的にするタイプではなかったので、仕事のために始めたのが正直なところです。とはいえ、結果的にSNSを始めてよかったと思いますし、完全にデジタルデトックスをしてしまうのは良い情報まで見過ごしてしまいます。

情報がないと、どんどん視野が狭くなる

デジタルデトックスで最もデメリットだと感じるところは、「自ら情報を取りにいかないスタンス」を作ってしまうことです。情報収集に受け身になれば、必然と自分に届いた情報のみから選択したり判断したりするので古い情報ばかりしか届きません。

例えば、私の両親はインターネットやSNSに疎いです。やっと去年あたりからLINEを使い始めて、実家と離れて暮らす私とFacebookで繋がり、元気に暮らしているのか確認するツールとしてやり始めました。

——先日、私が海外に行った時の話。両親はインターネットで何かを検索する習慣がないので、娘の私がどこに行ったのか調べるためにとった行動がありました。

それはなんと、「地球儀を買うこと」です(笑)。「日本以外のことが分からないから、地球儀買ってきたよ! 今どこにいるのか教えてね」とLINEがきた時には、思わず笑ってしまいましたが、これは実話です。

私の両親は本気で分からないのです。「Googleマップで調べたら、細かい地図が出てくるよ!」と説明しても、そもそもGoogleマップがどこにあるのか、どこのボタンを押したら良いのか、全く分からないので地球儀をクルクル回しながら「たぶん、この辺かな〜」なんて想像しているのでしょう。

また、私がいつも読んでいる雑誌があるのですが、日本にいない期間読めないとかわいそうだと思った両親は、それを「国際郵送で送ろうか?」とLINEが来たこともありました。薄い紙一枚送るだけでもとてもコストがかかりますし、到着するのに1週間以上かかることもあります。そんな、国際郵送でわざわざ雑誌を送ろうとしているとは……。そして、電子書籍というデジタルで本や雑誌が読めることを知らないので、このような発想に至ったのだと思います。

私は両親に「日本にいなくても、インターネットがあれば電子書籍として雑誌は読めるから大丈夫だよ」と返事をしました。kindleやiBooksでダウンロードすれば、最新の雑誌がすぐに読めますからね。

この例は極端かもしれませんが、私にとってデジタルデトックスは、地球儀を買ったり雑誌をわざわざ国際郵送したりするくらい古い情報しか手に入らないと思っています。両親は、デジタルが分からないので見ることもほとんどありません。その代わり、近くのスーパーで売っているものや、近所の交流から得た情報で行動している。

……そう思うと、遠く離れた場所の情報収集をすることがどれだけ大切なことかお分かりいただけるのではないでしょうか。