人生観は人それぞれですよね。
マネープランも人それぞれですが、大きなテーマとして外せないのが「定年退職後」です。

定年は人生のひと区切りであると同時に「お金とのひと区切り」でもあります。つまり、定年後は安定的な収入が難しくなる人がほとんどです。少なくとも収入が減る人が多いのではないでしょうか。

今回は定年退職にまつわる「知らないと損する話」を紹介しましょう。

退職後も「会社の健康保険」を継続できます

退職後の手続きとして、まず思い浮かぶのが「健康保険の手続き」です。ここで健康保険の手続きを間違えると、保険料などがかなり変わってくるので要注意です。

会社を辞めると、それまでの健康保険から、国民健康保険に切り替わります。でも、すぐに国民健康保険に入ると「損をするケース」があります。

ご承知の通り、国民健康保険は「前年の所得」によって保険料が変わりますよね。退職をしたからといって、すぐに国民健康保険に切り替えると、保険料が高くなる可能性があります。

では、どうすれば良いのでしょう?
それまで会社で入っていた健康保険は、退職後も「最大2年間継続」できるのをご存じですか? これを「任意継続」といいます。

退職前は会社が保険料の半分を負担する仕組みですが、退職後は全額自分で支払わなければなりません。「任意継続」は退職後も負担が大きくならないように配慮されていますので、国民健康保険よりも保険料が安くなるケースがあります。

「任意継続」の手続きは退職日の翌日から20日以内です。期間が短いので忘れないようにしましょう。

健康保険料をさらに安くする方法

先ほど国民健康保険は「前年の所得」によって保険料が変わると述べました。つまり、退職後の2年目は「収入が下がる」ので、国民健康保険のほうが安くなるケースがあります。

さらに保険料を安くする方法もあります。
1年分の保険料をまとめて支払う「前納」を利用するのです。例えば、かんぽ協会の場合は4%の割引になります。国民健康保険の場合でも「前納」をすると割引になる自治体もあります。

上記については、市区町村役場の窓口で相談するのをお勧めします。保険の3割負担などサービスは同じなので、少しでも安い方がお得ですよね。

また、健康保険料を支払わなくてもいい方法もあります。家族の扶養に入る場合です。条件としては、60歳以上ならば「年収が180万円未満」となります。ただ、この条件に当てはまる人は少ないかもしれませんね。

えっ、年金と失業手当の両方はもらえない?

60歳で悠々と定年を迎え、いずれまた仕事をしたいと考える人も多いことでしょう。なかには次の人生を見直すための時間が少しあってもいいと考えている人もおられるかもしれません。その場合は、失業手当(基本手当)を利用しましょう。

いままで何十年も、雇用保険料を支払ってきたのです。この機会にぜひ取り戻したいですね。

勤め先から離職票をもらい、ハローワークで手続きをしてください。支給金額(賃金日額)は、離職した日から6ヵ月間の賃金を180で割った金額となります。約45~80%の金額ですね。

支給期間は、勤続年数によって変わりますが、90日から150日です。20年以上勤めている人の場合は、150日となります。

注意しなければならないのは、失業手当をもらっていると、年金を受け取ることができない点です。これから退職を迎える人は、比例報酬部分の厚生年金になりますので、どちらかを選択する必要があります。